最近は、3Dプリンターで自分のフィギュアを作ったり、レーザーカッターでオリジナルアクセサリーを作ったりと、いわゆるデジタルな“ものづくり”が流行っていますよね。私のお気に入りはレーザーカッター! お財布に似顔絵を刻印したり、ワッペンを作ったり、いろいろと楽しんでいます。
レーザーカッターは渋谷のFabCafeでよくお借りしてます。以前、こちらの記事でもお邪魔をしたことがあります。
レーザーカッターがもう少し大きければ、家具とか作れるのになあ……。そんな希望を叶えてくれる、レーザーカッターのでっかいバージョン『ShopBot』(正確にはCNCミリングマシン)が東京・蒲田にあるというので、行ってみることにしました。
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蒲田は古くから工場が集まるものづくりのまち。最近はデジタルものづくりの拠点も集まってきています。これが、ShopBotがあるという『カマタ_ブリッヂ』です。
カマタ_ブリッヂは上が住宅になっています。住人は1階の工房を自由に使えるというのがコンセプト。 |
カマタ_ブリッヂは「作りながら暮らす“未完の共同住宅”」というテーマで運営されていて、1階は工房、2階から4階は集合住宅となっています。工房には、3Dプリンター、レーザーカッター、そしてShopBotが入っています。使い方がわらなくても大丈夫! ShopBotの達人である、建築家・秋吉浩気さんがいるので、丁寧に教えてくださいます。
レーザーカッターも常備しています。 |
今まで買うのが当たり前だと思っていた家具を作りながら暮らす。カマタ_ブリッヂなら、そんな新しい生活が送れちゃうんです!
そしてこれが『ShopBot』です!
達人の手にかかれば、こんな複雑な構造システムもできてしまいます。しかも、このまま建築物として利用可能な強度ももっているそう。
『chigiri Design by koki akiyoshi』 |
『kiami Design by koki akiyoshi』 |
「早速ですが、今回はShopBotで何を作りたいですか?」と、秋吉さん。
「自分だけの家具を作りたいと思ってたんですけど……たとえば、寝ながらPCできるデスクとか。そして、使っていないときはイスとしても使えるような……」と言ってみたものの、データもないなか1日で家具なんてできるのでしょうか。
これがイメージです(笑)。天板にMacBookがハマる穴が空いていて、寝転がって下から使えます。さらに、使わないときは上に座ればイスになるというもの。
まずはデータを作成します。家具は3Dの物体なので、『Rhinoceros』(ライノセラス)という3Dソフトを使ってやるのもオススメですが、今回は時間もないので、私がいじったことのある『Adobe Illustrator』でデータを作ることになりました。Illustratorで線を引いて図を描くと、ShopBotがその線にそって木をカットしてくれるとのことです。
秋吉さんに教わりながら、図面を作成。 |
一応秋吉さんにライノセラスで3Dに起こしてもらいました。ちゃんと形になってます!! |
データを作り終わったら、それを『VCarvePro』というソフトでShopBot用のデータに変換。あとは木をカットするだけです!
ShopBot用のデータにするにあたり、角が出てしまいそうな部分は丸く切り出しておきます。ShopBotは直角にカットするのが苦手なので、こうしてあげないとどうしてもうまく切り出すことができません。
ShopBotはとても危ない機械なので、メガネと耳当ても必須です。 |
カット中に板が動かないように固定します。
ついにカットです。
カット自体はShopBotが自動でしてくれるので見てるだけ。私の図面どおり頑張って板を切ってくれるShopBotが愛おしいです。
刃が自動で動いてカットしていきます。 |
カットした木材はこんな感じです。 |
パーツもちゃんと組み上がりました! |
というわけで、すべてのパーツを組み立てて試してみましたよ。結果は……
カットした木材のパーツ。 |
組み立てたらMacBookをはめ込みます。 |
下から見るとこんな感じ。 |
ちゃんと寝て作業できます!! 感動!!!
キーボードも打てる! |
プログラミングできる! |
これでベッドで寝ながら作業できる! それもまた、はかどりそうです。健康で文化的な生活からは遠ざかるかもしれませんが……/( ゚ー゚)(笑)。
最後にお世話になった秋吉さんと記念撮影。 |
カマタ_ブリッヂでは7月12日から、このような一連のプロセスを体験できるスクールの第1期が開催されるそうです。Shopbotを使って自分だけの家具を製作されたい方は、ぜひ申し込んでみてください。
問い合わせ・申し込みはinfo@rellufinc.comまで
秋吉浩気
職業:メタアーキテクト。慶應義塾大学SFCにてデジタル・ファブリケーションを専攻。東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程在籍。建築系ハードウェアスタートアップ RELLUF 代表。上記の作品は、今年4月に開催された SLUSH ASIA のデモブースでも展示された。また、Shopbotの達人として本社から認定を受け(2013年8月)、Shopbotの導入支援・操作指導も行う。
導入に関する問い合わせはinfo@rellufinc.comまで
女優の池澤あやかさんは慶應義塾大学 環境情報学部(SFC)卒の才媛で、プログラミングができる特技を生かして独自の立ち位置で大活躍中! 特に好きな言語であるRuby界では女神と呼ばれています。プログラミングの楽しさを紹介する初の単独著書、『アイディアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)が販売中。
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