週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は愛と暴力のディズニーランドだ!爆音上映が最高で最高で最高だ!

poster
(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

 泣いてしまった。まさか。予告編はどう見ても完璧な暴力映画だ。泣くなんて思わない。でも泣いてしまった。先週日曜日、立川シネマシティで「クッソ最高……」「V8、V8……」とつぶやいていた不審な男性を見かけた方、それはわたしです。

 20日公開、全国ロードショー中の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の話だ。荒廃した世界にマックスがあらわれてすべてが変わる。ストーリーは以上。あとはすべてが音と光のめくるめくスペクタクル。ラブアンド暴力。

 いまも目をつむるとあの素晴らしい光景が浮かんでくる……。

 暴力が支配する砂漠の砦……どくろガスマスクをつけた悪のカリスマ、イモータン・ジョー……異形の息子、白肌の戦士ウォー・ボーイ……大量のスピーカーとドラムを積んだトラック、火を噴くギター、トゲトゲのついたクルマ……真っ黒なオイルを顔に塗り六輪駆動車を乗りまわす女大隊長フュリオサ……乾いた広大な砂漠、裸に布だけ巻いた金髪美女……響きわたる重低音、そして大いなる救済……。

madmax
ヒャッハー!クルマだクルマだああああ
(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
madmax
こいつがまた強いんすよ
(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

 クルマはたえず爆発炎上し、人間はおもちゃのようにビヨヨ〜ンと飛んでいき、これ絶対死人出るだろというアクションをほとんどCGなしで撮ったというのがいまだに信じられない。ロケ地であるアフリカの砂漠が起こした奇跡としか思えない。

 まっさきに思い出したのはシルク・ド・ソレイユ、そしてディズニーランド。ミッキーの言葉を借りれば「イマジネーション! ハハッ!」。まさに最高の世紀末エンターテインメント。ディズニーは300億円かけてアトラクションを作るべきだ。

 マッドマックス1から3まで見てないという人、大丈夫あとで見たらいい。huluにもある。暴力が苦手という人、最高にバカで気のいい友だちと行けば楽しいから問題ない。デート映画を探してる人、男の子が最高にいい笑顔を見せてくれるはず。

 キャストが気になる人。なんといっても抜群なのはシャーリーズ・セロン。金髪美人のイメージがある彼女が、なんと坊主頭になって悪役を蹴って殴って撃って頭突きして命がけで戦う。決意、悲しみ、そして愛、すべての演技が見事。これだけでも見る価値はある。「戦う女」というカッコよさではミラ・ジョボヴィッチもかくやという感じの新しいヒロイン像をつくった。

(逆方向だけど、絵に描いたような金髪美人スプレンディドを演じるロージー・ハンティントン=ホワイトリーはめちゃくちゃキレイでいい。そりゃジョーも惚れるわ)

 主人公マックスのトム・ハーディは『ダークナイト ライジング』で悪役ベインを演じていた彼。目と表情だけで訴える、台詞のない演技がたまらなくうまい。メル・ギブソンが演じていた初代マックスとはまた違う魅力があって、とてもいい。

mad
これシャーリーズ・セロンですよ!
(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
mad
トム・ハーディも渋くてカッコいい
(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

 どこの劇場で見たらいいか分からない人。先週はIMAX 3Dをおすすめしたけど考えなおした。何があっても最初は爆音上映とかいうクレイジーなことをやっている立川シネマシティに行くべきだ。マッドマックスのためにコンサートホール用のサブウーファーを買ってしまったらしい。「採算? 我が仕事に一片の悔いなし」とか意味がわからないことを言っているから、世界中の人が行ってあげないといけない。

 DVDやhuluの配信を待つという人、お願いだから考えなおしてほしい、もう一回言うけど本作は愛と暴力のディズニーランドだからだ。ディズニーランドの動画があってもそれはディズニーランドじゃない。そうでしょう。

 しかし本作がインターネット的ではないかというとそうではなく、むしろ真逆だ。インターネットがあることで最高の体験ができる。

 わたしは生まれて初めて「Twitterで『マッドマックス』で感想を検索する」という体験をした。リアルタイムで同じ暴力体験をした人たちと喜びをわかちあいたかったのだ。案の定わたしと同じような人たちが世界中にいて、雑コラをしたり大喜利をやったり、とっても上手なレビューを書いたりしていた。1つ1つが愛おしく、いつまでも眺めていたかった。シェアする喜びとはこれだと思う。愛してる。

 最後に、本作はいつ見るかじゃなく“何回キメるか”。金曜日にマッドマックスをキメられると思えば月曜日は最高だし、仕事も最高だ。わたしは今週末に間違いなく2回目をキメる。もう一回爆音に行くか、IMAX 3Dにするか。吹き替え版もバカにできないらしいからそっちも検討(悪役に真壁刀義、竹内力、千葉繁という話)。

 レビューするなら星5つ。もちろん星はまばゆく輝く死兆星だ。

●関連サイト
マッドマックス 怒りのデス・ロード

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります