LINEのクリエイターズスタンプ開始から1年が過ぎた。その直前の4月21日、都内おいて”ヒットLINEスタンプ制作者に学ぶ「手描き」作成講座”が開催されて、筆者も取材に行っていたのだが、いまは5月である。気がついたらもう6月に足を突っ込んでいたわけだが、それは妖怪の仕業にしておいて、自分もスタンプ作りにトライしてみた。
私が受けた講座では、実践的なテクニックともに、スマホアプリAdobe Shape CCとillustrator CCを活用しての手描きスタンプの作成方法も紹介された。アプリケーションの使用方法や便利なテンプレートは、いわもとぶろぐにあるため、そちらを参照してもらいたい。
試行錯誤して完成したスタンプがこちら。何がどうしてこんな偏ったスタンプになったのか、自分でも分からないが、まぁ形にはしやすいフローになる。 |
私が教えてもらった人気スタンプクリエイターは『ゆかいなエヅプトくんスタンプ(壁画っぽい版)』などをリリースしているヨシナガさん、『うざいくまです。1。』などのWkautaさん。どちらの方もイラストレーション専業ではなく、飲み屋での落書きなどからスタンプを思いついたという。またイラストのレベルにそれほど自信がなく、“個性的”で“味”があり“使い勝手のいい”部分で勝負しているとのこと。
というわけで、私も真似してだらだらとお酒を飲みつつ落書きしてみた。イラストの方面のセンスのなさがよくわかって辛い。 |
LINE運営によると、以下のスタンプはまずボツだそうなので、注意されたし。
・使用しにくいもの
・イラストでないもの
・視認性がわるいもの
(縦に長すぎとか8頭身とか)
・スタンプ全体のバランスを著しく欠いているもの
(淡い色だけとか、単なる数字とか)
・エッチなのはダメ。未成年に飲酒喫煙を早期するもの、能力表現、ナショナリズムを煽るものもダメ。
スタンプの骨子がボディーランゲージであるため、“イラスト単体で成立するもの”が望ましい。とはいえ、意外と文字列が入っていることもあるため、これは用途先次第といったところだろうか。
ウダウダと描いている間に、SIMカードのスタンプでいいんじゃあないかしらと着地。LINEの規約にひっかかりそうな気もするのだが……ともあれ、いまはすっかりnanoSIMたんが大人気なので、フルサイズSIMやminiSIM、microSIMをフューチャーする方向とした。記憶媒体でもだが“mini”はいつも短命な気がするんだけど、miniSDとか。 |
描いたものをAdobe Shape CCで取り込み。自動的にシェイプに変換して、Adobe Cloud経由でIllustratorと共有する。不要な部分を消せるほか、自動的にそれなりに線を太くしてくれるなど、都合の良すぎるアプリだ |
イラストを4つ取り込んだところ。この時点で自動的に同期される |
Illustrator CCのライブラリに、Adobe Shape CCで取り込んだものが表示されているので、あとは「いわもとぶろぐ」のテンプレートにドラッグ&ドロップして、色を塗ったり、文字を入れたりしていけばいい |
スタンプの並び順。ここにも苦悩が多いそうだ。まずスタンプを見ていくとき、目に入ってくるのは最初の8個。なので、そこに力を入れるのは当然として、無言のスタンプは集めたり、色でグループを作ったりしているそうだ。またLINE運営によると、スタンプの各列1番目と3番目が使用される割合が高いのだという。
40個も考えるって大変だなぁと思いつつ、とりあえず、12個できたので、並び順を考えてみたもの |
スタンプストアにおいては、3ライン表示されているが、まず目が行くのは最初の8個か。 |
スタンプ選択画面では4×3ライン。LINEの統計情報では、1列目、3列目の使用率が高いため、そこにコアとなるスタンプを配置するのがよさそうだといえる |
ということで、作成したスタンプを見ていこう。講座では「どこで使うんだ!?」みたいなスタンプが数個あると、それが個性になったり、逆に受けたりするとのことだった。願ったりかなったりである。
■SIMさんスタンプ その1
編集「1個目がこれでいいの? 感情豊かなほうがいいっていってたのに、目が死んでるけど」
林 「イ、インパクトデース」
■SIMさんスタンプ その2
編集「……そういえば最近見ない」
私 「ノートPC向けだと健在なんですけどね……」
■SIMさんスタンプ その3
編集「あぁ……接点が口っぽいね」
私 「そうでしょう、そうでしょう?」
■SIMさんスタンプ その4
編集「……こっち見んな……これ、無言なの?」
私 「とりあえず出しておけばいい系みたいな?」
■SIMさんスタンプ その5
編集「いいね。これは編集部で使えるね。」
私 「(どうして週アス編集部はSIMを切りたがるんだろう)」
■SIMさんスタンプ その6
編集「microSIMはカッターなんだ……」
私 「えと、個人的にmicroSIMはハサミじゃやりづらい記憶ばっかりで……」
■SIMさんスタンプ その7
編集「フルサイズのSIMさん、哀愁漂ってるね」
私 「そのまま使える環境がないですしね」
■SIMさんスタンプ その8
編集「無言のmicroSIM……おい、これは使いまわ……」
私 「ええ! 感情を描けるほど絵のスキルがなく! よって雰囲気で乗り切ろうかと!」
■SIMさんスタンプ その9
編集「電話よこせよ、ってときに使うの?」
私 「いや、みんな5枚くらいSIM持ってるんじゃないかと……」
■SIMさんスタンプ その10
編集「林さん、microSIMをいじめるの、好きだよね」
私 「ええ、なんか弄りやすいんです」
■SIMさんスタンプ その11
編集「うん……」
私 「いやいや、これ超使えますよ!! 寝かせてるSIMが多い人ほど!!」
■SIMさんスタンプ その12
編集「なんか……じわじわくるけど……これで、最後?」
私 「ええ。アダプターとかプッシュピンの子も考えたんですが、なんかこう……胸にキュンとこないんで」
編集「……」
以上。
絵心以前に問題がある気もしないでもないが、エントリーが容易なLINEスタンプ。自分用として割り切って作成してみるのもいいし、土砂降りでお外に出られないときの楽しみにしてみるのもいいかもしれない。意外とヒマが潰せる。
LINE講座では、スタンプを70個から40個に絞るのが大変、並び順が大変という意見が出ていたが、自分には40個すら厳しいなぁと思ったので、強烈な思いつきによって完成度が左右されるような気がしている昼下がりであった、まる。
※記事中で紹介した『林画伯のSIMさんスタンプ』を使いたいという珍しい嗜好の方は是非、画像をDLして自由にお楽しみください。
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