6月19日(金)に発売されるLTE版『Surface 3(4G LTE)』。コンシューマー向けはLTE版のみで、本体価格は8万8344円から。SIMフリー端末ですが、対応バンドの問題でワイモバイル(ソフトバンク)のものが最適であると案内されており、一括購入なら、基本使用料が3年間月額3696円で利用できるプランを用意しています。
日本版Surface 3発表会場で思わず他社のSIMを挿さずにいられなかった我々ですが、今度は編集部でもうちょっと堂々とSIMを抜き挿ししてみることにしました。
グレーの箱を横にスッとスライドさせるとSurface 3が。 |
SIMフリー端末だけあって、SIM交換用のピンが入っております。 |
SIMの居どころはタイプカバー接続部分の左側。 |
Surface 3はSIMロックフリー端末なので、基本的には、どのMVNOのSIMカードでも利用可能です。ただし、利用周波数の問題があり、Surface 3のモバイル回線は4G LTEがBand 1(2.1Ghz)、3(1.7Ghz)、8(900Mhz)で、3GはBand 1(2.1Ghz)と8(900Mhz)に対応しています。ちなみにドコモ回線が使用するバンドは1と3、KDDI回線はバンド1が対応していますが、日本マイクロソフトでは、最適化されているワイモバイル回線と違い、快適な通信ができるかどうかは検証していない、としています。
■NTTドコモ回線のSIMを使ってみよう
まずはNTTドコモの回線をつかっている『So-net PLAY SIM LTEデータ通信パッケージ』でテスト。設定→ネットワークを確認すると、約1分ほどでNTT DOCOMO(LTE)と表示されました。
モバイルブロードバンド項目に“NTT DOCOMO(LTE)”が出現。 |
“接続”設定でAPN設定等を入力したところ、あっさりネットに接続。気になるのはそのスピードです。
そこで、IEを立ち上げ、速度計測サイト『BNR スピードテスト 回線速度』で、下り回線速度を調べてみました。測定時刻は、真夜中午前1時頃、場所は飯田橋にある編集部内(比較的窓側)、WiFiをオフにして計測しています。結果は以下のとおり。
回線速度(下り) | |
1回目 | 3.68 Mbps |
2回目 | 835.2 Kbps |
3回目 | 1.24 Mbps |
4回目 | 1.21 Mbps |
5回目 | 1.21 Mbps |
ふむ……平均して1Mbpsちょい。納得がいかず、衝動的に編集長の私物Xperiaからドコモの純正SIMを奪い取って挿してみましたが、1~2Mbpsが2~3Mbpsをウロウロするといった程度の変化しかありませんでした。
■au(KDDI)回線のSIMを使ってみよう
では続いて、KDDI回線を使用しているmineo(マイネオ)のデュアルタイプSIMを挿してみましょう。こちらも少し待った後で、KDDI(LTE)のSIMと認識。
モバイルブロードバンド項目に“KDDI(LTE)”が表示されました。しばらく使っていたらauロゴアイコンも出現しました。 |
同じく、“接続”設定でAPN設定等を入力してネットに繋がったのを確認した後、一度Surface 3を再起動して速度調査を実施。気になる結果はこちら。
回線速度(下り) | |
1回目 | 4.67 Mbps |
2回目 | 5.53 Mbps |
3回目 | 7.79 Mbps |
4回目 | 5.14 Mbps |
5回目 | 6.93 Mbps |
おっと、平均5Mbps程度です。ドコモ回線よりも対応バンドが少ないし、もっと遅くなるのかなぁ~と単純に考えておりましたが、逆にちょっと速いではないですか。
■ワイモバイル(ソフトバンク)回線を使ってみる
さて。では、肝心のワイモバイルのSIMは、どうなのでしょうか。よく考えてみたら最初に計測すべきでしたが、挿し替えたい欲求に負けて即抜きしてしまったので、改めて計測してみたいと思います。
挿すなり一瞬で回線をつかみました。さすが最適化!気持ちいいです。 |
SIMを認識するスピードが早いです。ネットにつながったのを確認し、念のためSurface 3を再起動後、計測。さて、気になる結果は……
回線速度(下り) | |
1回目 | 25.35 Mbps |
2回目 | 24.64 Mbps |
3回目 | 25.26 Mbps |
4回目 | 24.94 Mbps |
5回目 | 22.48 Mbps |
え! 桁が違うので2度見しましたが、これが、日本マイクロソフト、ワイモバイルから何度も繰り返し発せられている「ワイモバイル(ソフトバンク)回線に最適化されています」の破壊力なのでしょうか。え? でもこれ、ほんとに? 間違ってない?
そうなると、コアタイムの速度と、テザリング時の速度を調べたいと思うのが人の心です。一旦心を落ち着けて、数日後の夕方18時に、再び同じ場所で速度を計測してみたところ、結果はこうなりました。
NTTドコモ回線のSIM | au(KDDI)回線のSIM | ワイモバイル (softbank)回線のSIM | |
1回目 | 下り 1.28Mbps | 下り 962.98Kbps | 下り 23.84Mbps |
2回目 | 下り 882.82Kbps | 下り 2.00Mbps | 下り 24.78Mbps |
3回目 | 下り 1.14Mbps | 下り 2.14Mbps | 下り 21.71Mbps |
4回目 | 下り 949.77Kbps | 下り 640Kbps | 下り 22.19Mbps |
5回目 | 下り 1.34Mbps | 下り 831.8Kbps | 下り 20.76Mbps |
コアタイムでもワイモバイル大勝利! 20Mbps超えを連発する絶好調ぶりです。反面、ドコモ回線とau回線は速度を落とし、1Mbpsに届かないことが多々ありました。計測サイトの表示もかなりもたつく状況で、動画鑑賞などもってのほかであります。
では、Surface 3をテザリング端末として使ったした場合はどうでしょう? iPhone 6経由で計測してみました。
接続の共有を“オン”にして、テザリングを有効にしてみます。 |
iPhone 6からSurface 3にアクセスし、『RBB SPEED』アプリで上り/下り速度を計測しました。なお、Surface 3側でSIMを認識させた後は、Surface 3とiPhone 6共に一度再起動を行なってから計測しています。
NTTドコモ回線のSIM | au(KDDI)回線のSIM | ワイモバイル (softbank)回線のSIM | |
1回目 | 下り2.84Mbps /上り4.14Mbps | 下り3.63Mbps /上り4.73Mbps | 下り10.93Mbps /上り22.87Mbps |
2回目 | 下り2.60Mbps /上り2.81Mbps | 下り5.40Mbps /上り3.11Mbps | 下り10.38Mbps /上り0.84Mbps |
3回目 | 下り2.10Mbps /上り18.24Mbps | 下り4.45Mbps /上り2.74Mbps | 下り10.87Mbps /上り26.86Mbps |
4回目 | 下り3.09Mbps /上り11.48Mbps | 下り3.30Mbps /上り3.87Mbps | 下り10.70Mbps /上り6.39Mbps |
5回目 | 下り2.29Mbps /上り20.41Mbps | 下り3.55Mbps /上り4.06Mbps | 下り17.70Mbps /上り20.17Mbps |
計測ツールが違うため、若干数値が変わりますが、それにしてもワイモバイル大勝利です。
ふむ。では……Surface 3を単体購入した人が、スマホのテザリングを使ってSurface 3をネットにつないだら、どの程度の速度で楽しめるのでしょう。「ワイモバイルのSIMを入れたほうが速いじゃん!」となるのでしょうか。同じく手持ちのiPhone 6(au版)で試したところ、Surface 3側の下り速度は以下のような結果になりました。
回線速度(下り) | |
1回目 | 17.62 Mbps |
2回目 | 16.25 Mbps |
3回目 | 14.13 Mbps |
4回目 | 14.66 Mbps |
5回目 | 14.68 Mbps |
多少スピードは落ちますが、まぁまずまずの結果です。とはいえ、SIM挿しちゃったほうが快適ですね。あとは海外に持ち込んだ場合の挙動も気になるところですが、それはまた後日。
それにしても、Surface 3(LTE)を日本でバリバリ運用しようと考えるなら、手持ちの格安SIMをあれこれ挿し替えるよりも、大人しくY!mobile SIMをセット契約するほうが幸せを得られそうですね。
注※計測は2015年6月6日、6月10日の2日間に実測した結果です。時間帯や場所など環境によっては数値が大きく変わることがございます。ご了承下さい。
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