5月下旬から中国、台湾の出張に出ていた筆者ですが、ようやく帰国。この旅先では、モバイルワークに新しいMacBookを活用しました。
新MacBookを海外に持ち出してみた。MacBook Air以上に小型軽量で持ち運びやすい。わずかに横幅が狭いため、11インチのAirが入らなかったショルダーバッグに収納できたのは嬉しい。 |
中国といえば中華料理が主流なのは当然だが、最近では都市部で裕福な人々が増えており、寿司屋やオイスターバーのレベルが上がっているとか。ちなみに北京の地下鉄に乗ったところ、多くの人がiPhone 6や6 Plus、iPhone 5sを持っていたのが印象的だった。 |
■新MacBookはMacBook Airとどう違うのか
新MacBookは、11インチのMacBook Airとサイズも重量も似ています。大きな違いがあるのは、パフォーマンスです。といっても日常的な利用では、新MacBookはAirと同じくらいサクサク動きます。複雑なWebページの描画中に、ややもたつく程度です。
しかし両者を横に並べて使ってみると、MacBook Airのほうが確実に“頼もしい”存在だと感じます。その理由として、新MacBookが搭載するCore Mと、Airが搭載する通常のCoreプロセッサーの性能の違いはたしかにあるものの、主な原因となっているのが冷却能力です。
たとえば、普段はサクサクの新MacBookも、VMware FusionにWindows 10をインストールしたり、Adobe Lightroomで写真のプレビューを生成したりする、いわゆるヘビーな用途を試してみると、さすがにつらくなってきます。本体の温度が上がり、CPUが本来の性能を発揮できなくなった状態です。
新MacBookでは、本体底面などをフル活用して放熱しようという意気込みは伝わってくるが、冷却ファンを備えるMacBook Airとは大きな違いがある。 |
一方、MacBook Airでも、重たい処理の間に本体が熱くなる点は同様です。しかしAirは冷却ファンの回転数を上げ、CPUの温度上昇を防ごうと、必死でがんばる点が異なります。
オーバークロックの世界では、液体窒素などさまざまな冷却方法を用いることで、CPUの性能を限界まで引き出そうとします。同様に、冷却ファンがあるMacBook Airは、より長い時間に渡ってトップスピードを持続できます。これが新MacBookとMacBook Airの間にある決定的な違いであるように思います。
これを逆手に取れば、新MacBookの効果的な使い方が見えてきます。新MacBookに向いていない、長時間かかる負荷の高い処理は、別の実行手段を考えるべきです。たとえば筆者はMicrosoft Azure上の仮想マシンや、自宅の小規模なサーバーにリモート接続して、重たい処理をなるべく新MacBookから切り離そうとしています。
■バッテリーの減りが“ゆるやか”になるUSB充電
新MacBookでは、USB Type-Cポートが大きな特徴です。このUSB Type-Cポートは充電にも対応しているため、正式に対応しているアップル純正のACアダプター以外にも、USB充電ができるところならどこでも充電できる可能性があります。
気になるのは、本当に単なるUSBポートから充電できるのかという点。これはYesでもあり、Noでもあります。USBポートの仕様と新MacBookの状態により、充電中にバッテリー残量が上がっていく場合と、下がっていく場合の両方があるからです。
新MacBookの負荷が高い状態であれば、USB充電をしながらでも、バッテリー残量は減っていきます。しかしその減り方はゆるやかになります。1時間使って15%減るところが、USB充電中なら10%しか減らず、結果的に使用時間が伸びるといった具合です。
本来であれば、純正のACアダプターのような高出力ができる“USB PD”対応のUSBポートがもっと増えてほしいところです。しかしそれが普及するまでの間であっても、USB充電により、“バッテリー駆動時間が確実に伸びる”のは助かります。
■COMPUTEXでUSB-Cデバイスが続々登場で期待大
CeBIT 2015の時点ではまだまだ出始めという感のあったUSB Type-Cデバイスも、COMPUTEX 2015では徐々に製品バリエーションが増えてきました。
単なる変換ケーブルやアダプターにとどまらず、フラッシュメモリ、ストレージなど、USB Type-Cコネクターを備えており、新MacBookに直接つないで使える周辺機器が増えています。
COMPUTEX 2015では、USBフラッシュメモリーを作っているメーカーが相次いでType-Cバージョンを展示した。新型MacBookだけでなく、Type-Cを採用したWindows PCやタブレットも増えている。 |
USB Type-Cデバイスの開発に用いる”リファレンス機”として、会場内でも新MacBookが活躍していた。 |
当初、USB Type-C搭載デバイスといえば新MacBookとNokia N1くらいでしたが、COMPUTEXでは東芝の2-in-1、ASUSのタブレットやマザーボードなど、USB Type-Cの採用例は急速に増えています。
USB Type-CのオスコネクターとmicroUSB 3.0のオスコネクターを持つケーブルで、WDのポータブルHDDを直接つないでみた様子。USB Type-C周辺機器を待たずとも、こうしたケーブルがあれば変換アダプターなしで利用できる。 |
新MacBookを使っていく上で、USB Type-Cは変換アダプターが必要だから不便、という場面はたしかにあります。しかしUSB Type-C対応のデバイスが日に日に充実していくシーンを最前列で体験できると思えば、世界の広がりを楽しめるようになるはずです。
山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ
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