米Facebookが4月22日(現地時間)がFacebook Helloをテストローンチした。現状では一部の国のユーザーを対象にβ版的なテスト運用を開始したのみだが、順調に進めば、機能のブラッシュアップのうえ順次配信地域を拡大していくはずだ。
こんな具合に、電話がかかってくるとFacebook上の登録番号とマッチングされ、相手のプロフィールが表示される。PVを見ると、着信後に相手を検索しているような待ち時間が少しあるようだ。 |
Facebook Helloは、簡単にいえばスマートフォンにかかってきた電話番号をFacebook上の登録電話番号と照合して、相手が誰なのかを表示するアプリだ。スマホの電話機能をのっとる形で動作するようで、現時点での対応OSはAndroidのみになっている。
電話番号から相手のソーシャルアカウントに紐付いた情報を逆引きするので、たとえばコールしてきた相手が「今日は彼の誕生日です」といった情報を表示したり、相手の会社名肩書き見たり、「いま電話に出られないからFacebook Messengerで返信」といった流れをごく自然にできることになる。
また、未登録の電話番号からのコールの場合は、「世界中で何人がその番号をブロックしているか」といったことも表示する。Facebook上に登録されていない電話番号だとしても、「迷惑電話っぽいですよ?」と暗に示すわけで、なかなか便利そうだ。
ソーシャル上に登録のない相手でも、ブロックしている人がどの程度いるかがわかる。ブロック人数の多い電話番号なら着信を取らない、という判断も働く。 |
Facebook Messengerによる無料VoIP機能の利用は順調にシェアをのばしていて、直近では、全世界のVoIP通話における10%を占めるまでに成長していることを公表している。日々の生活のライフログを手に収めてきたFacebookの次の狙いが"電話行為"のログ化であり、さらにゆくゆくは通信キャリアから通話という役目を奪うことにあるだろうことは明白だ。
ユーザー目線に立っても、電話での通話は、有料であるという以上にスマホ時代には不便すぎる。
たとえば、食事の店を予約する流れを想像してみよう。グルメアプリでみつけた電話番号を"わざわざ記憶して番号入力する"というおそろしく面倒なことを、未だに多くの人が経験している。そのうえ、入力した番号は間違えるかもしれない。
たとえばHelloをつかえば、アプリ上からお店の名前を検索して、お店のFacebookページから電話をかける、という間違いようのない導線になる。一定のユーザーは、利便性の観点だけでもHelloを使いたいと思うはずだ。
Facebook Helloは現在日本では使えないが、仮に上陸したとしてどうなるだろう?
「電話番号を公開している人は日本では少ないだろう」と思いがちだが、実際のところFacebook認証に電話番号を使っている人は多い。実際、私も非公開設定にはしているものの、電話番号の登録はしていた。他人から見えるかどうかは別にして、多くの人がFacebookに電話番号を把握されている。
GooglePlay上では確認できるものの、日本からダウンロードしようとすると「対応する端末がない」という表示になる。 |
自分のプロフィールを確認してみると……無意識だったが電話番号は見事に登録してあった。確認方法は、プロフィール編集→基本データ→連絡先と基本データで、登録済みかどうかが確認できる。 |
通信キャリアからすればやられ放題だが、一方でソーシャルグラフや個人のライフログを掌握しているFacebookに対して打つ手も持っていない。
現在のところFacebook Helloに関するFAQが用意されていないので、電話番号を非公開設定にしていてもHelloで番号を逆引きされるのかは不明だ。ただし、このあたりはFacebookの運用次第である程度どうとでもなる部分だ。「非公開の電話番号をHelloでは通知する」という設定項目を設ければ、拒否する人は少ないだろう。
日々の行動がFacebookやGoogleに筒抜けになっている上に通話もか、と思わないでもないけれど、今の不便な電話が進化するならメリットもある。仮に日本に上陸した時点で「Helloで通知する」設定があるのだとしたら、私はオンにして使ってみると思う。
●関連リンク
newsroom − Introducing Hello
Hello - Caller ID&Blocking(GooglePlay)
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