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いきなり世界進出したカスタマイズキーボード『Trickey』は東大の講義で生まれた

2015年04月07日 11時30分更新

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 授業で課題を作って提出してみたら、数ヵ月後には世界有数のイベントに出展していて、キックスターターでの資金募集が始まっていた……! そんなモノづくりもあり得る時代になっている。

『Trickey(トリッキー)』は、レゴブロックの様に組み換えることができる電子ブロック風のキーボード。レトロゲームなどと相性の良さそうな、どこかアナログな雰囲気があるハードウェアガジェットだ。

 手がけたのは、東京大学工学部・電気電子工学科の学部生二人組。同学科の3年生向け講義での自由制作課題をきっかけに、東京大学産学連携本部主催 "Todai To Texas"プロジェクトの支援で、3月に開催されたSXSW(サウスバイサウスウェスト) 2015にも出展した。

 現在、東京大学出身のロボット研究者設立ベンチャー・キビテクのサポートを受けて、キックスターターでの支援募集も行っている。

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 格子状に配置されたソケットにぴったりはまるようにキーが設計されたトリッキーでは、キーの配列や機能を自由に変更可能。工具などを必要とせず、またコネクタを介して四方向どちらにでも拡張できるため、必要最小限かつ最適なキー配置のキーボードがすぐに作れる。

 入力内容はPC上の書き込み用のソフトウェアで変更。"Ctrl+Z"などのショートカットをひとつのキーに登録もできる。USBキーボードを使うことができるOSであれば動作可能だ。

 主な用途は、フルサイズのキーボードを使う必要のないPCでの作業など。イラストレーターやデザイナー、コンポーザー向けの"最小限"のショートカットキーだけをデスク上に用意できる。また自分専用キーボードとして、オンラインゲームを楽しむためにカスタマイズしてもOKだ。

 キー6つがはまる最小構成が入手できるキックスターターでの支援は99ドルから。30,000ドルの目標に対して7日現在で約16,000ドルを集めている。ゴールを達成した後は、3~4ヵ月で発送を行い、2015年9月からの出荷を予定している。

 

 それにしても、たった2単位のために作られた学部の講義課題が、なぜクリエイティブの祭典・SXSWへの出展やキックスターター出品にまで進んだのか。

「学生のプロジェクトだからこそ、おしりをたたいて『ここまでになんかしなよ』とさせることが大学という場所では実はできる。学生自身は半信半疑でも、世の中に出す価値のあるものを作れるし、そこまでのプロセスを体験させられる。そしてどうせやるなら、世界のイノベーター達が集まる所に持って行った方が大きな学びがある」と語るのは、Todai To Texasプロジェクトを手がける東京大学産学連携本部の菅原岳人氏。

 最初からビジネスまでは考えていないが、新しいテクノロジーを使ったモノづくりに興味がある生徒たちを、いかに次のステップに進ませるのか。4月20日に開催する週刊アスキー・大江戸スタートアップ主催のセミナーでは、「雰囲気が変わってきて、変な連中がいる」(菅原氏)という東京大学の現場で起こっている"目に見える成果"について迫る。

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画像:Kickstarter(Trickey)

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Kickstarter(Trickey)
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