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250GBで1万円台半ばのSSD 850 EVOって実はかなりおいしいSSD

2015年04月25日 10時00分更新

 SSDはHDDよりも高速で、自作PCではOSを入れるシステムドライブ(Cドライブってやつですね)として利用することがほぼ標準化してきた。メーカー製PCでもノートPCなどを中心にSSD搭載モデルが多くなってきている。また、ここ数年で大きく低価格化が進んでいるため、もともとHDDを搭載していたPCをSSDに換装して、快適度を高めようとするユーザーも増えている。

MZ-75E250B/IT

 今回レビューする日本サムスンの『SSD 850 EVO』シリーズもコストパフォーマンスが高く、昨今のSSDのトレンドを担うSSDだ。仕様はSSDとして標準的な2.5インチのSATA3接続。レビューに使用する容量250GBの『MZ-75E250B/IT』の実売価格は1万4300円とお手頃だ。

MZ-75E250B/IT
↑接続インターフェイスはSATA3(6Gbps)と標準的。

 この安さの要因は、採用するNANDフラッシュメモリーの仕様がポイントだ。SSD 850 EVOシリーズのNANDフラッシュメモリーは、垂直方向に32層のセルを重ねた3次元構造の“3D V-NAND”を採用している。3次元NANDは、セルを重ねることで単位面積あたりの容量を大きく増やせる。しかも、SSD 850 EVOシリーズで採用する3D V-NANDは1セルあたり3bitのデータを保存できるTLC仕様なので、容量と低コストを両立できるわけだ。

 また、NANDフラッシュメモリーは製造プロセスが微細化すると信頼性が低下するという問題があるが、3D V-NANDは製造プロセスに余裕があるため、信頼性が低いということはない。むしろ総書き換え容量は75TB、保証期間が5年と従来の同社製ハイエンドモデル『SSD 840 PRO』と同等で、SSDとしてはトップクラスの信頼性を誇る。

 MZ-75E250B/ITの公称値は、シーケンシャルリードが毎秒540MB、シーケンシャルライトが毎秒520MBと、SATA3接続のハイエンド製品とほぼ同等の速度を達成しているのも魅力だろう。

MZ-75E250B/IT

  CrystalDiskMarkを使って、データサイズ1000MB/測定5回でテストしたところ、シーケンシャルリードが毎秒533.3MB、シーケンシャルライトが毎秒512.8MBと、ほぼ公称値どおりの数値をマーク。

MZ-75E250B/IT

 データサイズを4000MBに増やすと、シーケンシャルライトが毎秒412.5MBとやや遅くなったが、それでもこの成績は十分に高速な部類だ。ドライブ内でのファイルコピーも快適に行なえるだろう。 また、ランダムアクセス速度もハイエンドなSSDに負けていない。システムドライブの場合、ランダムアクセスの性能が利用時の快適度を大きく左右するので、低価格ながら実利用時の快適度はハイエンド製品に匹敵すると言えるだろう。

MZ-75E250B/IT

 加えて、本製品は専用の管理ユーティリティー『Samsung Magician ソフトウェア』の存在も大きい。常駐させておけば、常にSSDの状況を監視し、最大限の性能が引き出せているか確認できる。さらに、SSDの健康度もチェックできるので、万が一のトラブルも未然に防げる。

MZ-75E250B/IT

 なお、『Samsung Magician ソフトウェア』はメインメモリーの一部をキャッシュとして利用し、SSDのアクセス速度をさらに向上させる“RAPID Mode”という機能も利用可能。

MZ-75E250B/IT

 RAPID Modeを有効にして性能を計測したところ、シーケンシャルリードが毎秒7993MB、シーケンシャルライトが毎秒4747MBと圧倒的な速度となり、ランダムアクセス速度も大幅に高速化した。

MZ-75E250B/IT

 キャッシュとして確保される容量は最大4GBのため、大容量データ利用時の効果は低下する。しかし、CrystalDiskMarkのデータサイズを4000MBに設定した場合でもRAPID Mode未使用時より速度は向上した。そのため、本製品では積極的に利用したい機能だ。

  このように、MZ-75E250B/ITはハイエンド製品に匹敵する性能を備えながら、お手ごろな価格で購入できる非常に魅力的なSSDだ。同容量クラスの他メーカーのSSDの最安機では1万2000円台のものもあるが、性能や機能、保証がハイエンド機並みのものは稀。そういった意味で、MZ-75E250B/ITはコスパの良いSSDを探しているユーザーには絶好の1台となるはずだ。

■関連サイト
SSD 850 EVO製品ページ

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