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42本のPCゲームがタダで遊べちゃうNVIDIA『GRID』を1週間遊んでわかったこと

2015年03月23日 20時00分更新

 皆さんこんにちは! PCゲームを遊んでみたいけど、最近のゲームの要求スペックに対抗できるようなPCはもってない、あるいはゲームをいちいちインストールするのが面倒臭いといった人もいるかと思います。しかし今は仮想化とクラウドの時代。NVIDIA純正タブレット『SHIELDタブレット』をもっているなら、同社が3月12日より国内で正式サービスを開始したクラウドゲーミングサービス『GRID Game Streaming Service(以降GRIDと略)』を使えば、PCがなくてもPCゲームがAndroidタブレットで楽しめちゃいます。

 そこで今回は仕事の合間を縫いつつ、このGRIDを1週間ほど遊んでみてどんなものだったか、レポートしたいと思います。

SHIELDタブレット

SHIELD TABLET

●主なスペック
OS:Android4.4
プロセッサー:NVIDIA Tegra K1、CPU:ARM Cortex A15(最大2.2GHz)、GPU:192コア GeForce“Kepler”GPU
液晶ディスプレー:8インチIPS(1920×1200ドット)
メモリー/ストレージ:2GB/16GB eMMC カメラ 500万画素/500万画素(イン/アウト)
通信機能:IEEE802.11a/b/g/n(5GHz、2×2MIMO対応)、Bluetooth 4.0
インターフェース:Mini HDMI1.4a、マイクロUSB、Micro SDカードスロット(最大128GB)ほか
バッテリー容量:19.75Wh(HDビデオ再生約10時間)
サイズ/重量:221(W)×126(D)×9.2(H)mm/約370g

■GRIDの仕組みと必要な機材は?

 まずGRIDって何だ? という人のために簡単な仕組みを説明すると、インターネットの向こうにあるデータセンター上にある超強力な“GRIDサーバー”上で動かしたゲームを、SHIELDタブレット上でリモートプレイできるサービスです。ソニーの“PlayStation Now”のPCゲーム版といったところですが、NVIDIAは“入力の遅延の少なさ”と“ゲーム画面の滑らかさ(60fps)”などでGRIDが有利と謳っています。

このGRIDを楽しむには、以下のような環境が必要です。

(1)SHIELDタブレット
(2)Androidアプリ“SHIELD Hub”
(3)SHIELD ControllerもしくはUSBキーボード等
(4)NVIDIAによる『GameStream-Ready』認定を受けた5GHz帯対応の無線LANルーター
(5)下り10Mbps以上のインターネット環境(推奨は下り30Mbps以上)
(6)自宅からGRIDサーバーまでのPing値が60ms以下であること

 (1)は現時点でSHIELDタブレットだけですが、5月に登場予定のAndroid TV『SHIELD』も対応するでしょう。そして(1)を満たしていれば、(2)もほぼ自動的インストールされているので問題ありません。また、(3)はSHIELDタブレットの画面を触ってゲームを操作することはできないため、何らかのコントローラーは必須です。純正コントローラーがベストですが、USB接続のキーボードやなども使えるのでFPS好きも安心です(ただし保証外)。

 次にネックになりそうなのが(5)と(6)でしょうか。これは自宅のネット回線の質次第ですが、日本国内サービスインに際し、NVIDIAはGRIDの国内データーセンターを用意したので(6)を満たすのはさほど難しくないでしょう。

 ここで問題なのは(4)の無線LANルーターです。上述の通りGRIDは高画質なゲーム画面をストリーミングするため、無線LANルーターもそれなりに高品質なものが必要になります。それが“GameStream-Ready”認定ルーターという訳ですが、3月12日時点で判明しているのは全部海外モデルなので、技適の関係でそのまま国内では使えません。

ASUS
RT-AC66U、RT- AC68U、RT-N56U、AC87U、RT-N66U

Buffalo
AirStationTM Extreme AC 1200、AirStationTM Extreme AC 1750

D-Link
DIR-860L AC1200、DGL-5500 AC1300、D-Link DIR880L
 
Netgear
R6300、R6250、Nighthawk R7000、Nighthawk X4、Nighthawk X6、WNDR4500

 しかし、実際に“GameStream-Ready”認定ルーターでなくても繋がらない、という訳ではありません。手もちのルーターでどんどん挑戦してみましょう。ただ少しでもベターな環境が欲しいなら、今回テストにあたりNVIDIAから貸し出しされた、上記バッファロー製の11acルーターの国内モデル『WZR-1750DHP2』を導入してみるのもよいでしょう。

NVIDIA GRID
↑日本国内で一番入手しやすく、かつNVIDIAスタッフによる動作確認もとれているルーターがバッファローの『WZR-1750DHP2』(1万2000円前後)だ。

 そして気になるGRID利用料ですが、現在はテスト期間ということでGRIDに登録されている42本のゲームが全部タダで遊び放題です! 将来的に画質720pの『GRID』と1080pで遊べる『GRID Plus』の2サービスを展開するらしいですが、現時点では詳細は不明です。

NVIDIA GRID
NVIDIA GRID
NVIDIA GRID
↑3月20日時点でのGRIDゲーム一覧。別にテキストでリスト化するのが面倒って訳じゃありませんから!

■拍子抜けするほどカンタンに遊べた!

 では実際に手もちのSHIELDタブレットでGRIDに接続してみました。サービス開始から暫くの間はGRID側の事情で国内データーセンターに接続できない状況にありましたが、今は解消しているようです。

 まずはGoodle Playで『SHIELD Hub』を最新版にしてから起動します。チョコチョコとアップデートされ、その度に色々改善されているようです。

NVIDIA GRID

 SHIELD Hubが起動したら左上のメニューから『GRIDゲーム』を選択。初回起動時は図のように自動的に回線チェックが入ります。

NVIDIA GRID

 2.4GHz帯の無線LANで接続を試したところ、帯域が足りないようで警告が出ましたが、ゲームをプレイすることはできます(快適かどうかは別ですが……)。

NVIDIA GRID

 筆者のネット環境だと、どうやってもフレームロスが出てしまい二重丸の環境は頂けませんでした。この場合ももちろん遊べます。

NVIDIA GRID

 あとはGRIDタイトルの中から好きなゲームを起動してガンガン遊ぶだけ。3月12日時点では41本でしたが、3月20日時点では42本になっていました。

NVIDIA GRID

 試しにカプコンの人気格ゲー『ウルトラストリートファイターIV』を起動してみました。メニューが英語(後述)な点を除けば、PC版とまんま同じです。もちろんSHIELDコントローラーがあればコントローラーで動かせます。

NVIDIA GRID

 GRID上で動いているのはPC版と同じようなので、ゲーム内のベンチマークも試してみました。GRIDサーバーではウインドウズ8(仮想化されているでしょうが)にXeon E5-2670&16GBメモリー、グラボ(?)は『GRID K520』という構成でした。ちなみにフレームレートは214fpsと出ていますが、手元のSHIELDタブレットでは60fps上限で表示されます。

NVIDIA GRID

 続いて『DiRT Showdown』の画質設定。デフォルトの解像度は720p。画質はかなり高めに設定されていました。

NVIDIA GRID

 ネットワークの込み具合で少々引っ掛かることもありますが、概ねPC上に近いフィーリングで楽しめました。入力遅延は微妙にあるようですが、画面が一瞬カクついてもほぼ思ったタイミングで操作できるのは◎です。

NVIDIA GRID

 Twitchに配信する機能もあります。このあたりはGeForceのShadowPlayそのまんまですね。

NVIDIA GRID

 ゲーム中であってもホームボタンを押せばいつでも中断し、後で再開することができますが、一度に遊べるのは1本だけ。別のゲームを起動しようとすると前のゲームはセーブされずに落とされます。

NVIDIA GRID

■ 日本向けタイトルが・・・・・・少ない!

 さて1週間ほどGRIDでタダゲー三昧したところで、これまでの所感をまとめてみます。

●GRIDはココが凄かった!
・インストールの手間要らず、期間限定だがタダで遊び放題
・ネットの混雑状況にもよるが、画面は結構滑らか
・有線LAN接続でも動く
・SHIELDタブレットのHDMI出力をテレビに繋いで遊べば画面の小ささも解決
・ちょっと休憩してもコンティニュー可能

●GRIDはココが今一歩
・遊べるゲームが少ないというより、日本人好みのタイトルが少ない
・日本語対応のゲームはほとんどない
・ゲーム内のマルチプレー機能は機能しない
・ゲームの起動がちょっと遅め(起動に1分半~2分程度)

 といったところでしょうか。いちばんネックになりそうなのが5GHz帯の無線LANルーターの確保とゲームタイトルの日本語対応でしょうが、前者はUSB接続の有線LANコンバーター(バッファロー製『LUA3-U2-ATX』)にマイクロUSB変換アダプターでも難なく動作しました。ただ有線にしたからといって特別カクつきが解消された訳ではありません。どうやらウチの回線の問題のようです。

NVIDIA GRID
↑LUA3-U2-ATX経由の有線LAN接続でテストしてみました。Pingやスループットは全て合格しましたが、フレームロスだけは不合格。回線の問題のようですね……。

 現時点で日本語対応ゲームが3タイトルしかないことも気になるところです。日本語対応が確認できるのは、『PixelJunk Monsters Ultimate』『PixelJunk Shooter』『REVOLVER360 RE:ACTOR』の3タイトル。どうやらゲーム内に日本語への切り替え機能のないゲームは日本語が出ないようです。日本でのサービスをちゃんと考えているなら、国内サーバー用のGRIDゲームは日本語で遊ばせるべきでしょう。ただ今後のアップデートで日本語対応になる“可能性”はあるそうなので、これに期待しましょう。

NVIDIA GRID
↑『PixelJunk Shooter』では設定メニュー内に日本語への切り替え設定があります。こうした仕組みを備えたゲームのみが、現在日本語でプレーできるようです。

 GRIDはいろいろ粗削りな面もあり、とりあえず形になりました感があるサービスと言わざるを得ません。しかし期間限定といえど、SHIELDタブレットとインターネット接続環境さえあればタダで好きなだけ試せるというのは非常に面白いところ。定期的に新作がポストされるようになれば、ゲーム界のHuluやNETFLIXになれる予感もします。そのためにもSHIELD Hubを他社製端末にも解放してくれると嬉しいのですが。

 以上でGRIDのファーストインプレを終わります。普段Androidばかりでゲームをやっているが、そろそろPCゲームも見てみたい方、タダでPCゲームの面白さを味わえるチャンスですよ!

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