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かつてない盛り上がりを見せるWindows Phoneを現地解説:MWC 2015

2015年03月05日 16時30分更新

 3月2日からスペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2015では、Windows Phone端末の存在感が急増。会場内のあちこちで、Windows Phoneについての話題が上がるなど、これまでにない盛り上がりを見せています。

 さっそくMWC2015会場における、Windows Phoneの見どころをご紹介します。

■“マイクロソフト モバイル”ブースが誕生

 MWC2015には、ついにMicrosoft Mobileがブースを出展しました。これはマイクロソフトが買収したノキアの端末事業部門に相当します。ブースの内装や、プレスカンファレンスにステファン・エロップ氏が登場するところまで、ほぼ昨年のノキアそのままといった雰囲気です。

MWC2015_WindowsPhone
↑MWC会場でもっとも華やかなホール3に大型ブースを出展した、Microsoft Mobile。昨年までのノキアに似た雰囲気だ。
MWC2015_WindowsPhone
↑新たにデバイス部門を率いるステファン・エロップ氏がプレスカンファレンスに登壇。まだノキアCEO時代の印象が強いかもしれない。

 しかし大きな違いとして、Windows 10のプレビュープログラムに言及し、新端末の『Lumia 640』にはOffice 365のサブスクリプションをバンドルするなど、カンファレンスの内容はすっかり“マイクロソフト色”に染まっていました。

■ひっそりとデビューした“Windows Phone 8.1 Update 2”

 新たに登場したLumia 640は、型番がローエンドに近い600番台で、価格も100ユーロ台ということもあり、一見すると地味な端末です。

MWC2015_WindowsPhone
↑5インチの『Lumia 640』と、5.7インチの『Lumia 640 XL』。Lumiaシリーズとしてはこれまでになかった、Nokia Xシリーズのような命名ルールが採用された点はおもしろい。

 しかしその実機は興味深い仕様となっていました。OSには、Windows Phone 8.1 Update 2(いわゆるGDR2)を搭載。特に設定アプリのUIが変化し、カテゴリーごとに簡単な区切りが付くようになりました。Windows 10のような根本的な変更ではないものの、似たような方向性の改善といえるでしょう。

MWC2015_WindowsPhone
↑GDR2の特徴は、設定画面。Windows 10とは異なるが、縦に伸びすぎていた設定項目がカテゴリーごとに整理された。

 ほかにもMWC会場では、京セラのプロトタイプがGDR2の端末開発用ビルドを搭載していましたが、GDR2を最初から搭載した状態で発売されるのはLumia 640が最初になりそうです。

■キーボード対応によりWindows Phoneは変わる?

 GDR2における注目機能が、物理キーボードのサポートです。MWC2015でマイクロソフトが発表した折りたたみキーボード『Universal Foldable Keyboard』は、Lumia 640にも対応しているのです。

MWC2015_WindowsPhone
↑Bluetooth接続の折りたたみ型キーボード。なんとWindows Phone 8.1 Update 2に対応している。

 これまで、なぜWindows PhoneでBluetoothキーボードがサポートされなかったのか、大きな疑問のひとつでしたが、ようやく他のプラットフォームに追いつくことになります。

 Office文書を編集したり、ちょっと長めのメールを打つときにも、物理キーボードがあれば便利なもの。今後、Windows Phoneが普及を狙うビジネスユースにおいて、確実に重宝される機能となるでしょう。

■freetelは日本のWP8.1端末第1弾となるか? 

 MWC2015のホール8に、“和”をイメージした独特のブースを出展したのが、freetel(フリーテル)です。

MWC2015_WindowsPhone
↑MWC2015のfreetelブース。黒い甲冑や漆塗りの端末を展示し、赤い野点傘の下では升酒を振る舞うなど、とにかく外国人にわかりやすい“JAPAN”をアピールしていた。
MWC2015_WindowsPhone
↑freetelのWindows Phone 8.1端末。展示機のスペックを見る限りでは、マウスコンピューターの試作機と似ている。価格帯も競合する可能性がある。
MWC2015_WindowsPhone
↑背面には、プレスリリースの画像の通り、しっかりとロゴが。最終的な製品でもロゴは入る予定とのこと。

 なお、展示機にはKAZAMの名前が入っているものの、「詳しくは言えないが、ODMは変わる可能性がある」とのことで、最終的な仕様ではないことには注意が必要です。

 一方、freetelのライバルとなりそうなマウスコンピューターもMWC2015の会場に試作機を持ち込み、パートナー企業や報道関係者向けに公開。すでに大きな反響を呼んでいます。

MWC2015_WindowsPhone
↑マウスコンピューターによる5インチ・LTE対応のWindows Phone 8.1端末。タッチパネルをWindows Phoneに合った部材に変えるなど、発売に向けて調整を続けているという。

■高耐久モデルを参考出展した京セラ

 京セラブースには、事前に参考出展を予告していたWindows Phone 8.1端末のプロトタイプの展示がありました。この端末は、北米で販売しているタフネスAndroidモデル“DuraForce”をベースにしているとのこと。

MWC2015_WindowsPhone
↑京セラのWindows Phone 8.1端末のプロトタイプ。日本でもTORQUEとして知られる、タフネスモデルだ。

 京セラでは、Windows Phoneの法人需要は高いと考えており、独自の高耐久モデルとの組み合わせた上で、来場者の反応を見ているとのこと。プロトタイプは単純にDuraForceにWindows Phone 8.1を搭載したものですが、もし商品化が決まればきちんとつくりこむとしています。

■関連サイト
Microsoft

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