アンカーの人気モバイルバッテリー「Anker Astro M3」。大容量13000mAhで、価格は3100円程度 |
アマゾンのランキングを独占しているメーカーがある。モバイルバッテリー部門において推計30~40%のトップシェアを誇るアンカーだ。拠点は中国。充電、接続、保護、入力、スマートフォン周辺機器のニーズを横断的にカバーし、世界で人気だ。
2009年に設立されたばかりにも関わらず、2014年には世界200億円規模の売上を叩き出した。
「昨年、アンカーの売上全体に占める日本の割合が10%強。今後20%台まで上がるはず」
アンカー日本法人の井戸義経代表はそう話す。日本法人は2年前に立ちあがったばかりだが、日本国内でもモバイルバッテリーとケーブルを中心に爆発的に売上が伸びているという。
良いものが安い理由はオンライン販売だから
人気の理由はコストパフォーマンスの良さ。たとえばモバイルバッテリーの「Anker Astro M3 13000mAh」は現在3100円。高速充電機能が付き、22mmの薄さでバッグにも収まりやすい。1年半の長期保証も人気の理由だ。
同じ性能の製品と比べて安い理由は、同社がオンライン販売にこだわったため。グローバルで通用する普遍的なデザインにこだわりながら、複数の中間流通を通さず流通コストをおさえた。
また、モバイルバッテリーに接続されたスマートフォンを認識、最適な電流を供給する「POWER IQ」など独自技術で差別化をはかりながら事業を展開してきている。
井戸代表によれば、アンカー創業メンバーはグーグル出身。もともとソフトしか開発していなかったが、グーグルで得たネットの知見を使ってハードを売ってみようと、中国でスマホの周辺機器メーカーを立ち上げたのだそうだ。
日本製の衝撃吸収スマホ保護フィルムを開発中
ネットビジネスの経験から得られた一番の強みは「カイゼン」活動の活発化だったと井戸代表。ネットで上がってきた消費者の要望を開発部門に素早くフィードバックし、製品の改善サイクルを回せたのが勝因ではないかと話している。
アンカー製品は現在いずれも中国製だが、今後は日本製のプロダクトを同じ販売網に乗せて展開していく計画もある。新技術を搭載した、日本製液晶保護フィルムの研究開発を始めているそうだ。
「スマホを目の高さから落としてもクラッシュしない衝撃吸収性能を持ったフィルムの開発に着手した。とある化学メーカー、とある樹脂の技術を持ったメーカーと3社共同で開発している」
うまくいけば年内には発売できるとのこと。
目指すはスマホ周辺機器のチャンピオン
プロダクトの価値を高めながら、目指すはスマホ周辺機器のチャンピオン。今後はネットワークカメラのようなIoT(モノのインターネット)分野にも周辺機器の範囲を広めつつ、顧客サービスの向上にも注力していきたいという。
「顧客満足度という点でいえば、付随するサービスやブランド価値が重要になる。今まではモノ自体にフォーカスしてやってきたが、これからはカスタマーサービス領域を高度化してブランディングを高めていきたい」(井戸代表)
難しいことは置いておいても、良いものが安く手に入るのは素晴らしいことだ。最近、法人向け電機ばかりに目を向けがちな国内の大手メーカーも見習うところがあるのでは?
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写真:Anker
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アンカー・ジャパン
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