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アップル対抗のシャオミ 「中国のジョブズ」レイ・ジュンCEOとは何者か

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シャオミ創業者レイ・ジュンCEO。これ「ジョブズ座り」じゃない?

 生まれたばかりの虎がアメリカのパイに食いついて離さない。

 中国のITベンチャー・シャオミ(小米)だ。昨年の売上高は743億元(約1兆4400億円)、企業評価額は昨年12月時点で驚異の450億ドル(約5兆3000億円)。疑いなく世界最大級のスタートアップだ。

 シャオミは昨年、6112万台のスマートフォンを売った。アナリストはiPhoneの販売台数を昨年10~12月の3ヵ月間で7150万台と予測しているため開きはあるが、設立4年でアップルの4分の1近くまで追いつくという異様なペースで成長している。

iPhoneの半額で格安スマホを販売

 現在の売りは安いスマートフォンの直販。対抗相手はアップルだ。先日発表したスマートフォン「Mi Note」は明らかなiPhone 6 Plusの対抗機種で、アップルを意識している様子が見てとれる。

 Mi Noteの価格は2000元(約3万8000円)で、iPhone 6 Plusの8万7800円の半額以下だ。

 (ただしデザインがiPhoneに似ているため批判も受けている。知財の問題で訴訟を起こされたり、エリクソンがインドでシャオミの販売を禁じたこともあった)

キングソフト元CEOで連続起業家

 そんなシャオミ創業者はレイ・ジュン(雷軍)CEO。中国のスティーブ・ジョブズと呼び声も高い。服装がよく似ているというだけでなく、彼を思わせる経歴の持ち主だ。

 1969年生まれ、中国湖北省仙桃市出身。武漢大學でコンピューター科学を学び、1992年にキングソフトの創立に携わる。1998年に同社CEOに就任している。

 2000年には中国版アマゾンといわれるJoyo.comを設立。同社は2004年、本家アマゾンに7500万ドルで買収された。2000年代初頭にはエンジェル投資を開始、2010年4月にシャオミを設立した

シャオミはアップルよりアマゾンに近い

 メディアに顔を見せたレイ・ジュンCEOの発言には、彼の傲岸ともとられかねないほどの自信が垣間見える。

 特にシャオミの強みである直販プラットホーム、「MIUI」と呼ぶファームウェア、徹底的な消費者意識の3点を中心としたインターネット企業としての事業モデルは、多くの場合誤解されていると考えているようだ。

 "携帯電話はそれ自体が「キャリア」だ。マイクロソフトはウインドウズのCDを売るために箱を使ってきた。ではマイクロソフトは紙の箱を作る企業なのか? 箱とCDはただの「キャリア」だ。それが分からなければ、シャオミがどんな会社なのかを理解することはできない"

 "シャオミとアップルはまったく違う。正直言って、「中国のアップル」といった類のインタビューに応じるのは好きじゃない。もっとも違うのはインターネットがシャオミを作った、ということだ。アップルのデザインはとてもシンプルで、消費者が誰であれ1つの「セットソリューション」がある。(中略)シャオミのシステムは誰でもカスタマイズできる"

 "(シャオミのビジネスモデルは、アップルよりも)アマゾンや、ある要素ではグーグルにより近いと言える。(中略)シャオミがスマートフォンを売るのは、アマゾンがKindleを売るようなもの。そう考えれば、なぜ安い価格で売るのか理解できるはず"

Business Insider

 まあそうは言っても、レイ・ジュンCEOがステージに上がり、同社初となるスマートフォンを発表したときのプレゼンはどう見ても"彼"のパロディーだ。時間があるとき、中国の若き天才がしゃべる姿を見てみては。

写真:シャオミー

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