週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

無限の可能性!両画面スマホYotaPhone2レビュー

2014年12月26日 15時30分更新

 いつも使っているスマートフォン、裏面を見るとメインカメラがあるだけであとは何もないのが当たり前ですね。ところがロシアのヨタ・デバイス(Yota Devices)の『YotaPhone2』は、その背面側が電子ペーパーディスプレーになっているという両画面スマートフォンなんです。まだロシアやヨーロッパでしか販売されていないこの謎の製品、果たしてどんな製品なのでしょう?

YotaPhone2
↑YotaPhoneはこれまで2機種出ていた。

 入手困難なYotaPhone2ですが、普段からスマートフォンを数十台持ち運んでいることでちょっと有名になった、八王子方面にお勤めの某Kさんが輸入したとの情報を得て、さっそく見せていただきました。なお製品に“2”という数字が入っていることからわかるように、初代のモデルは2013年に登場。2代目のYotaPhone2は2014年2月のMWC2014で発表されましたが、この冬ようやく発売となりました。

YotaPhone2
↑見た目はよくある5インチサイズのスマホ。

 YotaPhone2を正面から見ると、どこにでもある普通のスマートフォンにしか見えません。強いて言えば四隅の角がかなり丸みを帯びており持ちやすそうな感じです。スペックはSnapdragon800、5インチフルHDディスプレー、RAM2GB、ROM32GB、8メガピクセルカメラ搭載とハイエンドの部類に入る製品です。

YotaPhone2
↑背面側は丸みを帯びている。

 底面にはステレオスピーカーを搭載。そして背面側は左右の部分がゆるやな丸みを帯びており、持ちやすそうな形状をしています。

YotaPhone2
↑裏側は電子ペーパー、別メニューが表示されている。

 ではYotaPhone2を裏返してみましょう。するとそこにはAndroidとは別の画面が表示されています。この背面側はサイズが4.7インチ、解像度がqHD(960×540ピクセル)ピクセルで、独自OSで動作しているとのこと。画面下の鍵アイコン部分に指をあてて上側にスライドされるとロック解除されます。すなわち背面側もタッチパネルになっているのです。

YotaPhone2
↑専用アプリをタッチで起動可能。

 背面には電話やメッセージなどのアプリアイコンと、電池残量などシステム関連の情報が表示されます。電話アイコンをタップすれば電話アプリが起動し、数字をタップすればそのまま電話をかけることができます。

YotaPhone2
↑背面は2つの表示モードが切り替え可能。

 またソーシャルサービスのタイムラインを流しておくこともできるようです。但しそれだと情報が誰にでも見えてしまいますね。電子ペーパーの特性は電源を切っても画面は暗くならず、表示はそのまま残ります。そのため情報やアプリアイコンなどを表示しておける“YotaPanel”と、壁紙に最小限のアプリアイコンだけを表示する“YotaCover”を切り替えて表示できます。画面下のひし形アイコンをタップすると、その両モードを切り替え可能。なおそれぞれカスタマイズも可能で、“YotaCover”は壁紙を自分の好きなものに変更もできます。

YotaPhone2
↑王道の使い道は電子ブック。

 この電子ペーパーディスプレイ側の使い方としてもっともオーソドックスなのは電子ブックの利用でしょう。液晶と違ってちらつきもありませんから、明るい場所で書籍を読むなら電子ペーパーを利用するに限ります。なおデフォルトではロシア語の書籍がいくつかプリインストールされています(読めませんが)。

YotaPhone2
↑日本語入力はできない模様。

 メッセージやメールアプリではソフトキーボードを表示して文字入力も可能ですが、設定を見ると背面側の入力言語に日本語はなし。Androidとは別のシステムが動いているわけです。そのため、残念ながらメッセージを打とうにも西洋の言語しか入力できません。

YotaPhone2
↑だったらAndroidを動かせばいいじゃない。

 このように背面側は専用アプリが動くYotaPhone2。ところが実はAndroid OSをそのまま動かす方法あるんですよ。

YotaPhone2
↑液晶側でホームボタンを長押し。

 その方法は簡単。液晶側でホームボタンを長押しすると、ボタンの周りに3つのアイコンが現れます。その中から右側のアイコンを選んでタップします。

YotaPhone2
↑液晶側と同じ画面が背面にも表示された。

 これで電子ペーパー側が液晶側と同じ表示になり、Androidスマートフォンとしてそのまま使うことができます。なお戻るボタンでアプリを終了するとまた独自OSに戻ってしまいますが、その時は再び液晶側で同じ操作をすれば問題ありません。

YotaPhone2
↑電子ペーパー上で日本語を入力できる。

 解像度は若干粗くなるものの文字などは十分読むことができます。こちらの画面でメッセージを開いたところ、無事日本語FEPもそのまま利用できます。これなら背面側だけですべてをこなすこともできそう。

YotaPhone2
↑ブラウザは日本語入力できず。

 ところがブラウザーを開くと入力は再び独自OSのものだけとなってしまい、日本語はダメ。このあたりアプリによって挙動が異なるようです。まあ軽いウェブブラウジング程度なら十分使えますね。

YotaPhone2
↑電子ペーパーで動画も見れる。

 YouTubeアプリで動画を再生してみたところ、それなりに見ることもできます。モノクロの動画があればより見やすいかもしれません。電子ペーパーで動画を見るなんて無理だと思ったのですが、意外にも結構使えるものです。

YotaPhone2
↑セルフィーアプリもあり。

 YotaPhone2にはカメラアプリとは別にセルフィーアプリもあるのですが、これもそれなりにプレビュー画面を見ながら撮影することが可能です。なお撮影した写真は液晶側で見ればもちろんカラー表示されます。

YotaPhone2
↑通常のカメラを使うと背面がスマイル表示に。

 一方、普通にカメラを起動すると電子ペーパー側が相手に見えますよね。YotaPhone2はおちゃめにも“スマイル”という文字を表示、カメラに向かってにっこり笑ってね、というメッセージを表示します。なおこのスマイルの文字はいくつかのパターンがあってランダムに表示できます。個人的には右下の、初代YotaPhoneのカメラのように見える表示が好きなんですが、YotaPhone2ではこれはなくなってしまいました。

YotaPhone2
↑パネルのカスタマイズも自由自在。

 このように背面の電子ペーパー上でもAndroid OSが使えるYotaPhone2ですが、電話をかけたり天気予報を見たり、なんて簡単な作業はやはり専用画面で使ったほうがサクサクと操作できます。先ほど紹介したYotaPanelに表示できるウィジェットライクなアプリはかなり種類が多く、自分好みにパネル表示をカスタマイズすることも可能。またYotaPanelは複数を表示させ左右スクロールで切り替えることもできます。

YotaPhone2
↑2画面スマホ、使い方は無限大。

 液晶と電子ペーパーと言う異なるディスプレーを両面に備えたYotaPhone2、それぞれの利点を生かせば意外な使い道が見つかるかもしれませんよ。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります