IFA2013に先駆けてプレス向けに開催されるプレイベントShowStoppersでは、オーディオ関連の小物の出展が目白押し。新製品から変り種のプロダクトまで注目製品が集まりました。
ヘッドホンの名門ブランド・ゼンハイザーは新モデルをずらりと発表。特に注目したいのは『MOMENTUM In-Ear』というインナー型ヘッドホン。発売中のオーバーヘッド型『MOMENTUM On-Ear』と混同しそうですが、MOMENTUMの“ON”に続く“IN”、つまりシリーズ初の“イヤホン”モデルです。
↑ゼンハイザーのアンドレアス・ゼンハイザーCEO(左)、ダニエル・ゼンハイザーCEO(右)、によるキーノートにて。イヤホン型MOMENTUMは、新たなチャレンジとして投入する。 |
↑ゼンハイザーの『MOMENTUM In-Ear』はIFA会場で世界初披露された。 |
もともとデザイン性に優れたシリーズだけに、赤黒2色のフラットケーブルがオシャレ。価格レンジは、エントリーラインよりも上の高音質ライン。日本での発売価格は1万円台前半になる見込みで、まさに売れ筋ど真ん中のラインに投入されます。
気になる音質ですが、ハイレゾ狙いではないダイナミックドライバーを採用した周波数特性15Hz~22kHzのスタンダードモデル。私のiPhoneで簡単に視聴したところ、パワフルな低音が心地よく、ボーカルの帯域もカラリと明瞭に鳴らすといった、中域をバランスよく両立させたタイプ。同社のオーバーヘッド型の『MOMENTUM』に近く、幅広い音楽にマッチしそうです。同じ価格帯では、こちらもファッション性の高さから人気があるBeats『urbeats』などと競合しそうですね。
ゼンハイザーからは、そのほかにもインナーイヤー型のエントリーラインとして『CX 5.00』のシリーズも新登場。上位機種から『CX 5.00』(79ユーロ/約1万950円)、『CX 3.00』(49ユーロ/約7000円)、『CX 2.00』(49ユーロ、マイク付モデル)『CX 1.00』(39ユーロ/約5500円)の全4モデル。
↑ゼンハイザーのイヤホン新製品4機種より最上位の『CX 5.00』。 |
ヘッドホンにも新ブランドが登場。『URBANITE』とドライバーがひとまわり大きい『URBANITE XL』の2モデルです。
↑『URBANITE XL』(179ユーロ/約2万4800円)。ゆったりした装着感と品のある都会的なデザインが特徴。 |
↑『URBANITE』(229ユーロ/約3万1700円)。オンイヤーでよりポータブル指向なモデルとなる。 |
海外ブランドで“都会的”と名のる製品のは、基本的にクラブで踊る層を狙ったもの。とはいえ再生可能周波数帯域は16~22kHzと、欲張らない仕様です。音質は、大型ドライバーらしくズンズンと響くような豊かな低音で、耳の外側からも響く余裕のある空間表現を実現していました。より重低音を求める層に向いていますね。
そのほか、会場で見かけたオーディオメーカー製品としてユニークだったのが、スカルキャンディの『CRUSHER』。こちらはオーバーヘッド型のヘッドホンに、重低音をドライブするためのアンプを内蔵。音楽の重低音に連動して振動するバイブ機能を内蔵し、空気の震えるような低音を文字通り振動として体感できます!!
↑『CRUSHER』。重低音と振動効果を“体感”できる、という意味で、かなり冒険的な製品。 |
耳元のダイヤルでは、バイブ効果の大きさを調整できます。おもちゃ的なギミックと思いきや、これがどんな音でも徹底的に腹に響くような低音に突っ走ったサウンドになり、クラブハウスの振動体験に近く、思った以上にエキサイティングでした。スカルキャンディーはほかにもティーン向けのパンキッシュなヘッドホンを出しているブランドなので、遊び心があっていいですね。価格は99ユーロ(約1万3700円)と、単純にアンプ内蔵型ヘッドホンとして安めの値付けなのもポイントです。
ReSoundというデンマークの補聴器メーカーの発売している超小型のイヤホンは、オーディオ用というよりも片耳で取り付けられるマイク付の超小型ヘッドセット。iPhone接続に対応したハイエンド補聴器とも呼ぶべき製品です。
↑小指の先ほどのサイズしかないReSoundのヘッドセット。 |
2.4GHz通信によりiPhoneと接続し専用アプリとの組み合わせで音質カスタマイズができるというだけでなく、なんとスマホアプリの位置情報に連動して位置情報をプリセットとして保存、その場所に適した音質で聴ける機能を搭載しています。
↑専用アプリによる音質カスタマイズと位置情報と連動した保存に対応。 |
価格はリテールプライスで25000ユーロ(約346万円)。思わず聞き間違いかと思ってしまいましたが、補聴器用として作られた製品だけに、それだけコストがかかるのも仕方ないかもしれませんね。
個人的に大ヒットだったのが、STELLE AUDIO社による『MINI-CLUTCH BAG』という製品。女性が持ち歩く小型ポーチのようで、なんと中身はBluetoothスピーカー。6ワットのアンプを内蔵し、ステレオの再生に対応しています。
↑ポーチ型のデザインのBluetoothスピーカーです。価格は99ユーロ(約1万3700円)。 |
ちなみに内部の半分はBluetoothスピーカー部に占有されていますが、残りの半分は空いているので、キチンとポーチとしても利用できます。ド派手なデザインからして男性読者向けではないのですが、こういう突き抜けた提案はいいですね。ギークな女性はぜひとも使ってみてほしい逸品です。
↑ド派手なデザインのなかに再生ボタンが……! |
↑内部の鏡面側がスピーカー部で反対側はポーチとして使用可。 |
STELLE AUDIOは、『THE PILLAR』というタワー型デザインのBletoothスピーカーも販売しています。アルミニウム製の柄入りで美しい外観に2.1のスピーカーを内蔵し、同社としては比較的ハイエンドの位置づけ。天面にボタンを配置し、タワーの下部にダクトを設けたデザインもさりげなくてオシャレですね。
↑よりハイエンドの位置づけの『THE PILLAR』。単体でもオシャレな上に専用キャリングバッグも発売。価格は『THE PILLAR』の本体がデザイン別に299ユーロ(約4万1400円)/349ユーロ(約4万8300円)にバッグが125(約1万7300円)/150(約2万800円)ユーロで発売。 |
もちろん、バッグ入りで持ち運んだ状態でもBluetoothスピーカーとして機能し、音楽を聴けるように設計されています。私は使う勇気は出ませんが、外で突然音楽を鳴らせば注目間違いなしです。
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