光造形方式は、材料を溶かして積層する一般的な熱溶解積層方式の3Dプリンターより複雑かつ積層の段差が少なくなめらかに造形できるのが最大のメリット。しかし、格安モデルで500万円台、普及モデルは2000万円台からと高額で、メーカーの高額な保守契約が必要など、コスト面で個人では導入しにくかった。
『SCOOVO M』シリーズは、下位モデル『MA10』は税込み181万4400円と、個人での導入も視野に入る価格を実現。わずか300cc程度の液体樹脂をタンクに注ぐだけで造形が行なえるため低ランニングコスト。さらに造形途中に液体樹脂が不足した場合でも、カンタンに補充して造形を再開できるのも◎。
SCOOVO MA30 |
SCOOVO MA10 |
光源にはレーザーとLEDのハイブリッド光源を採用し、光源寿命は約2万時間と水銀ランプが光源の機器のおよそ10倍の長寿命化を実現している。
造形前のキャリブレーション(校正)作業は不要で、半年~1年に1回の定期キャリブレーションのみで十分な精度を達成。1年の無償保証が付属し、さらにメーカーの保守契約が必須ではないため、ある程度工作機械に詳しいユーザーなら自分でメンテナンスを行なうことでさらにランニングコストを下げられる。
造形材(光硬化樹脂)は、耐候性の高いアクリル樹脂と弾性・柔軟性に優れるゴムライク樹脂の2つを用意。さらにバリエーションに富んだ着色料もオプションで用意され、目的に合わせて造形物の色調を自在に変更できる。
『MA30』の最小積層ピッチは0.025ミリ(25ミクロン)で最大造形サイズは96(W)×54(D)×150(H)ミリ、『MA10』の最小積層ピッチは0.05ミリ(50ミクロン)で最大造形サイズは100(W)×75(D)×150(H)ミリ。カラバリはブラックとシルバーの2色。
高精度かつ積層の段差がなめらか、半透過の造形が行なえるということで、ガレージキットの製作者にはまさにうってつけの個人向け光造形3Dプリンター。格安とはいえまだお高いですが、いよいよ光造形方式がコンシューマーにも来ましたよ!
SCOOVO MA30
・アビー
・9月1日発売
・直販価格 321万8400円(税抜298万円)
SCOOVO MA30スペック
・光源:LED&レーザーハイブリッド
・積層ピッチ:0.025mm/0.05mm(ソフト切り替え)
・XY解像度:0.05mm
・最大造形サイズ:96(W)×54(D)×150(H)mm
・造形マテリアル:アクリル樹脂/ゴムライク樹脂
・入力方式:.stl
・消費電力:約650W
・サイズ/重量:684(W)×554(D)×1042(H)mm/約65kg
SCOOVO MA10
・アビー
・9月1日発売
・直販価格 181万4400円(税抜168万円)
SCOOVO MA10スペック
・光源:LED&レーザーハイブリッド
・積層ピッチ:0.05mm
・XY解像度:0.1mm
・最大造形サイズ:100(W)×75(D)×150(H)mm
・造形マテリアル:アクリル樹脂/ゴムライク樹脂
・入力方式:.stl
・消費電力:約500W
・サイズ/重量:684(W)×554(D)×922(H)mm/約63kg
●関連サイト
・アビー(製品サイト)
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