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アドビ製デジタルペンInkと定規Slideの書き心地を試す(動画あり)

2014年06月22日 17時00分更新

 アドビ システムズが19日、米国で3月にチラ見せしていたiPad専用のデジタルペン『Adobe Ink(インク)』と、デジタル定規『Adobe Slide(スライド)』を正式発表しました。まずは先行してアメリカで販売され、価格はセットで199.99ドル(約2万400円前後)。日本でも年内販売を予定しています。

Adobe InkとSlide
↑日本では年末ごろに発売される予定。セット販売のみ。iPad (第4世代以降)、iPad Air、iPad Mini、iPad Mini (Retina)で利用できる。

 さらにPen & Inkとセットで使うアドビ製iPadアプリ『Adobe Line』、『Adobe Sketch』も新登場。こちらは既にダウンロード(無料)して試すことが可能です。

 さて、アドビ初となるガジェットがどんなものかすごく気になっていたので、実際に本物を触って使い勝手を試してきました。以下、動画をごらんください。

 「iPad用のペンなんて、もう山ほどあるじゃなーい」って思ってたんですが、このペンは筆圧を感知します。そもそもiPad/iPhoneの画面は、タッチの強弱までは感知できないので、指やペンの押し付ける強さを変えても、線の強弱や色の濃淡をコントロールできないんです(そもそも強弱がわからないわけだから)。そこで、ペン側に筆圧を感知するセンサーを内蔵して、そのデータをBluetoothでiPadに送ることで、筆圧表現を実現したのが、この新製品なわけです。

Adobe InkとSlide
↑Adonit社のPixelpointテクノロジーを使って開発されたデジタルペン。軽量で握りやすい。

 デジタルペン『Adobe Ink』の軸は太めの三角形で、軸の途中にねじれが入っています。バッテリーを内蔵しながらも、手にもった感じは適度に軽くて、メカメカしいものをもっている、という感じはしませんでした。また、iPadへはBluetoothでデータを送っているのですが、タイムラグは全然感じません。

 で、対応アプリ上で実際にフリーハンドで線を描いてみたのですが、グッと力強く引くと太くて濃い線が、軽くササッと描けば細くて薄い線が気持ちいいくらいに描けます。

Adobe InkとSlide
↑鉛筆線の、この繊細な色味の違い、わかりますでしょうか?

 ちなみにペンにはボタンがひとつだけあって、対応アプリを使っているときにそれを押すと、iPadの画面にコントロール用のメニューが表示されます(ペンのお尻は消しゴムではありません)。

Adobe InkとSlide
↑画面に3本指を置くと上部に赤いバーが出現。そのまま左方向にスライドさせると、最も新しい筆跡から順番に消えていく。これだけでもちょっと楽しい。
Adobe InkとSlide
↑ペンのボタンを押した際に出現するメニュー。設定変更やSNSへの投稿などもここからできる。
Adobe InkとSlide
↑ペンのお尻に充電用コネクターをキャップのようにはめ(収納もできる)、マイクロUSB経由で充電する。

 ペンとセットになっている定規『Adobe Slide』は、どこにどういった角度で線を引くかの指示に使います。iPad上に置くと、iPadの画面に細いガイドラインが表示されるので(これも対応アプリのみ)、その上をサッとInkペンでなぞると、適当に描いても、きれいなラインが引けます。

Adobe InkとSlide
↑ラインに沿ってペンを動かすだけで、まっすぐな線がスイスイ描ける。
Adobe InkとSlide
↑雲形定規を出現させ、ラインに沿って描けば、誰でもきれいなカーブが描ける。

 Slideの裏側には左右に白い台座があり、そこが画面に振れることでiPadが認識します。なので実はSlideの代わりに、指を2本使ってコントロールすることも可能。単純に直線を引くだけだったら、普通のプラスチック定規をiPadの画面に置いてペンでなぞってもいいんですが(笑)、そこはデジタル。美しい直線だけでなく、円、楕円、雲形、と、いろんな形の定規が使えるのがいいですね。

Adobe InkとSlide
↑白い台座がついたSilde。上面のボタンを押すとガイドラインの形状を変更できる。
Adobe InkとSlide
↑写真などをバックに敷けば(濃度変更も調節可)、トレース作業も簡単だ。

 Adobe Inkの発売が待ちきれないという人は、Adonit社製で同じPixelpointテクノロジーを搭載した、ペン先わずか3.18ミリのAdobe Line&Sketch対応ペン『Jot Touch with Pixelpoint』(実売価格1万3800円)を手に入れるというのも手ですね。こちらは7月上旬発売予定です。

Jot Touch with Pixelpoint
↑2048レベルの筆圧感知機能を搭載したデジタルペン(Bluetooth 4.0搭載)。

 iPad用の筆圧感知ペンといえば、すでに先行発売しているワコムの『Intuos Creative Stylus』もあります(2013年8月発売時は、価格9800円だったのが、なんと5月末に値下げして直販価格5800円!)。

Intuos Creative Stylus

 あと、もうひとつすごく気になる製品として、米FiftyThree社の『Pencil』(実売価格60~75ドル)というのがあるんですが、こちらは見た目が太芯のコンテ鉛筆みたい。筆圧感知に加え、iOS 8専用機能として、スタイラスの傾きも対応するそうです。つまり本物の鉛筆とか木炭みたいに、広い面積を塗りたいときは、紙の面に対してペンを寝かせれば、広い範囲をゴシゴシ塗れるし、細い線を描きたいときにはペンを垂直に立てればいいってことみたい。これもぜひ使ってみて、Adobe Ink & Slideと対決させてみたいわ!

Pencil

 それにしても、iPad用の本格的筆圧感知ペンが続々登場していると、値段が高くてもいいから、今よりもっと大きな画面のiPadが欲しくなりません? 細部を描くときに、いちいち拡大するのがめんどうなんですよね。

 あーでも、アップルが、iPadの筆圧感知機能の特許出願中、なんてニュース(『International Business Times』より)もあるしね。

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