PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第19回目は美しいBGMに浸りながらゲーム本編も楽しむアドベンチャーゲーム『スキタイのムスメ:音響的冒剣劇(原題:Superbrothers: Sword & Sworcery EP)』を紹介する。
『スキタイのムスメ:音響的冒剣劇』
●Capybara Games
●Steam販売ページ(関連サイト)
スキタイのムスメ:音響的冒剣劇は、放浪の騎士であるスキタイ人のムスメとなって不思議な世界を冒険するアドベンチャーゲームだ。元々スマホ向けに作られており、マウスのクリックとドラッグ、長押しのお手軽操作でプレイできる。
■ 音を楽しみながらゲームも楽しむ
このゲームを遊ぶなら、まずはスピーカーの調子を確認しておこう。大丈夫、忘れてしまわないようゲーム開始直後に案内してくれる。
ステレオでちゃんと鳴ることを確認できたら冒険の始まりだ。ありがたいことに日本語に対応しているぞ。
まずは犬に案内されるがままに前へと進もう。ダブルクリックで移動したい地点へとムスメを動かせる。普通のアドベンチャーゲームと操作は変わらない。
先へ進んでいくと、ほかの登場人物も現れる。彼らは仲間にはならないが、ストーリーを進めていくうえで親しみを感じるようになるだろう。
なお、見た目がドット絵でショボいと感じる人もいるかもしれないが、遊んでいくうちに惚れ惚れするグラフィックにどんどん引き込まれていくことは間違いナシだ。
あ、ドット絵好きの人はすでに遊んでると思うんで大丈夫です。
■ 登場人物の思考を読んで謎を解け
スキタイのムスメは、さまざまな謎解き要素がステージのあちらこちらに仕掛けられている。
その謎解きも“スイッチを押す”といった単純なものだけではなく、“隠れている精霊を見つけ出して召喚する”など、独創性のあるものばかりだ。
とくに精霊を解放するための音をクリックで発生させていくときは気持ち良いぞ。
また、とあるアイテムを手に入れてからは登場人物の思考が読めるようになる。彼らの思考を読めば詰まっているところもすぐに解けるので、スイスイとゲームを進められるぞ。
さらに、これは謎解きではなくただのステージ間の移動ではあるけれど、レコードが裏返って“A面の現実”と“B面の夢”が切り替わるといった憎い仕掛けもプレイヤーを楽しませてくれる。
■ 流れでなぜかバトルに突入
スキタイのムスメはアドベンチャーゲームではあるものの、まれにバトルが発生する。
こちらとしてはべつに戦いたくないのだが、登場人物が「あっ、どうぞどうぞ」みたいな感じで押しつけてくるので避けては通れない。
バトルでは、画面右下の剣をクリックして攻撃し、盾をクリックして相手の攻撃をガードする。基本的にはカウンターか、敵の攻撃を一度防いでからの反撃で戦っていく戦法が有効だ。
というかただ攻撃ボタンを連打してもまったく当たらず、逆に敵に食べられてしまうことになるから気をつけろ!
対戦によっては相手の攻撃を跳ね返して戦う、といったバトルもある。なんというかとても神々しいトライなフォースの光の弾を弾き返していると、「これ虫取り網で戦ったほうが効率良いんじゃないの?」という気もちになる。
そして戦った相手を倒すか倒さないか、その判断もプレイヤーであるあなた自身に委ねられている。
■ ローカライズ最高
ただ、このゲームでいちばん面白いのはじつは文章だと思っている。ローカライズによる書き味がナチュラルすぎておかしいのだ。
像を見つける。普通なら何かしたいところだが、シカトである。無視ではない。シカトするのだ。
「ナルハヤで帰りたい!」
ゲーム中はいろんなところで身勝手なことをプレイヤーに主張してくる丸太さんだが、「はよざいまーす」「あ、どもども」といった日本語音声が親しみやすすぎてどこか憎めない。
なお、音声は株式会社グラスホッパー・マニファクチュアのCEO、須田剛一さんが担当しているらしい。
ナレーションも日本のゲーマーに対して語りかけてくるから最高だぞ。
そうだ!おつかいクエストなんてうんざりだ!
ちなみにTwitterとも連携しているので、Twitterユーザーならツイートの方も楽しんでみよう。
ゲームはiPhone、Androidでもリリースされているので、手軽に遊んでみたい人はそちらからどうぞ。音もじっくり楽しみたい、という人はSteamでプレイだ!
『スキタイのムスメ:音響的冒剣劇』
●Capybara Games
●7.99ドル(2012年4月17日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac、Linux
ジャンル アドベンチャー、独立系開発会社
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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