ファーウェイは2014年夏モデルとして世界最薄、6.5ミリ厚のスマートフォン『Ascend P7』を発表しました。ファーウェイのPシリーズと言えばスタイリッシュなデザインが特徴で、昨年7月に発表した『Ascend P6』は全世界で400万台が売れたほど。その後継機となるAscend P7はどのような進化を遂げているのでしょうか?
↑今年の発表会はパリで開催。
昨年7月のAscend P6の発表会はロンドンで開催されました。2014年、今年5月7日のAscend P7の発表は場所を変えてパリで行われました。ファッションの街、パリでの発表ということもあり発表会にはデザイン部門の責任者も駆けつけました。Ascend P7を「エレガンスなスタイリッシュモデル」として印象付けたいファーウェイの意図が読み取れます。ですがAscend P7はもちろんスペックもパワフル。発売後の評判が今から期待されます。
↑Ascend P7を発表する、ユーCEO。
ファーウェイの端末部門の顔といえば同社のコンシューマー・ビジネス部門のCEOのリチャード・ユー氏。ユー氏はAscend P7について「今までのPシリーズを再設計し、新しい経験を与えることのできるモデル」と話しました。今やスマートフォンの販売台数で世界シェア3位になったファーウェイ。同社がさらに販売台数を増やしていくために求められるのは他社にはない製品です。Ascend Pシリーズはデザインに特化している点で十分差別化できる製品と言えそうです。サイズは高さ139.8×幅68.8×厚さ6.5ミリ。
↑1.8GHzクアッドコアCPU、デュアルLTE、150Mbps対応。
Ascend P7の主なスペックはSoCにハイシリコンKirin 910Tを搭載。同社はファーウェイの子会社ですので自社製チップセットを採用しているわけです。CPUは1.8GHzクアッドコア、RAM2GB、ROM16GB、マイクロSDカードは32GBまで対応します。ディスプレイは5インチ、1920x1080ピクセル(フルHD)、カメラはメインが1300万画素、フロントが800万画素とフロントも高画質なのが特徴です。通信方式はFDD-LTEとTD-LTEの両方式に対応、11バンドまで搭載可能とのことです。またLTEカテゴリ4に対応するので下りの最大通信速度はFDD-LTEで150Mbpsとなります。
↑ヨーロッパでの価格は449ユーロ。
Ascend P7の予定価格はヨーロッパで449ユーロ、約6万3500円です。高いように感じられますがこれはSIMフリーの単体販売価格。通信キャリアと2年契約などを結べばキャリアによっては無料などで販売されるでしょう。
↑Ascend P6を一回り大きくしたAscend P7。
Ascend P7のデザインは昨年モデルのAscend P6にそっくり。ですがディスプレイが5インチと大きくなっていることやスピーカー周りのデザインが若干異なっています。これは他社にはあまり見られないピンク色モデル。
↑LTEで最薄の6.5ミリ。
本体の厚みは6.5ミリとかなり薄さを感じます。LTEスマートフォンとしては世界最小サイズとのこと。本体の左側面は何もなくすっきりとしたデザイン。
↑マイクロSIMとマイクロSDカードスロットが並ぶ。
今度はホワイト色モデルの写真です。右側面にある2つのスロットは下がマイクロSIM、上がマイクロSDとなっています。この配置もAscend P6と同じです。
↑マイクロSDにナノSIMが入れられちゃう!?
こちらはブラックモデル。さてAscend P7にはデュアルSIMモデルも新興国向けに発売される予定なのですが、側面にはもうこれ以上SIMスロットを設けることができません。そこで考えられたのがマイクロSDのトレイをSIM兼用にしてしまうこと。Ascend P7のデュアルSIMモデルは、マイクロSDのトレイにナノSIMを横向きにして乗せるることが出来るそうです。このアイディアはなかなかの優れもの。iPhoneとSIMを共用したい人にも便利ですね。
↑手のひらにぴったり収まるサイズ。
5インチモデルですがディスプレイ周辺のベゼルの幅を薄くしていることもあってか、横幅は70ミリ以内に収まっています。なお本体の前面と背面はいずれもガラスで覆われています。素材はゴリラガラス3を採用、指紋が付きにくくなっています。
↑表面には細かい模様が。
背面側を見るとわかりやすいのですが、表面には細かい模様が見えます。これはガラス面の下にが施されており、光の反射具合によって表面の見栄えが変わって見えます。ファーウェイはこのAscend P7の所々に“職人芸”のような細かい仕上げを施しており、毎日使っていくうちに端末に愛着が湧いてくるような仕掛けをしているのです。
↑お約束、日本語ロケール入ってます!
言語環境はファーウェイの端末ではお約束ともいえる日本語ロケール入り。但しこれはデモ機のファームなので製品ではどうなるかは不明です。ちなみに発表会の後にリチャード・ユーCEOに突撃インタビューしたところ、日本市場についてはニヤリと笑顔を見せてくれただけ。果たして日本で発売されるのでしょうか?
↑カメラUIも日本語化。
しばし日本語メニューで中身をみていきましょう。こうしてみると今すぐにでも日本で発売されてもおかしくないように思えてしまいます。Ascend P7はカメラが特に強化されていますが、カメラ周りのUIもしっかり日本語化されています。
↑ちょっと楽しい“透かし”機能。
写真撮影時にはあらかじめ用意された透かしを入れることも可能です。透かしを選んだらあとは写真の自由な位置に配置が可能。撮影中に動かすことができるので透かしが背景に重なってしまうときなども好きな場所へ移動させることができます。
↑女子モバイラーには必須の手鏡機能。
フロントカメラを使う手鏡機能(マジックミラー)も装備。このUIもかなり日本語化されていますね。鏡の周りにフレームがついているあたりが女性を強く意識しているように思えます。
↑鏡を曇らすこともできるんです。
残念ながら展示端末のファームウェアが一つ古いため試すことが出来ませんでしたが、この手鏡を曇らすことができる機能もついているとのこと。やり方は簡単で、手鏡を表示中にマイクに向かって息を吹きかけるだけ。すると鏡が曇ります。あとは指先で文字を書きながら拭いていくなど、お風呂の鏡のようなことができます。実用性は無いようで、これでメモ書いたりとか面白い使い方ができそうですよ。
↑自分撮りが苦手な人ももう安心。
また自分撮りをするといつも目が下のや横を向いてしまう人も多いでしょう。Ascend P7のフロントカメラは起動すると右上のカメラの下に小さい窓が開きます。ここが実際に撮影される写真のプレビューなので、きちんと目が正面を向いた写真を撮ることが出来るわけです。
↑フロントカメラでも集合写真が撮れる。
そしてフロントカメラをずらしながらのパノラマ写真の撮影も可能。このようにフロントカメラであれこれできるようになっているのは、スマートフォンのカメラでソーシャルサービスに自分や友人たちとの写真を乗せる人が増えているからなんですね。
↑テーマを変えればイメージも変わる。
ファーウェイのスマートフォンは独自のユーザーインターフェースであるEMUIが搭載されています。このAscend P7は最新のEMUI 2.3を搭載。アイコンセットを変えられるテーマの数は100以上とのことで、メニューの雰囲気などを自在にカスタマイズすることが可能です。
↑再デザインされたアイコン。
ここまでメニュー画面を見てなんとなく気が付いた方もいるかもしれませんが、アイコンの形状は改めてデザインされた新しいものが採用されています。ナチュラルな色あいでシンプルな形状、このあたりはiOSの変化の影響を受けているのでしょうか。
↑アクセサリもいろいろ。カバーも多数登場予定。
この他にも端末の外観をカスタマイズしたり傷防止のためのカバー類も本体発売と同時に登場予定。フリップ式で窓のあるカバー、バンパータイプ、カラフルな標準タイプのカバーなど、これだけ出てくれれば安心ですね。
↑Bluetoothタグはリモコンシャッターにも。
また鍵などにつけておけば、置き忘れたときにスマートフォンに通知してくれるBluetoothタグも発売されます。このタグは写真撮影時にリモコンとしても使える優れもの。他の機種でも使えると便利そうです。
↑Ascend P6の正当進化、スペックアップでメイン機にも。
他社のハイエンド端末に迫るスペックを備え、デザインにもこだわりを見せたAscend P7。昨年のAscend P6の不満点をほぼすべて解消しただけではなく、豊富なカメラ機能などメインマシンとして使えるだけの製品に仕上がっています。日本での発売は不明ですが、これは結構期待できる製品だと思いますよ。
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