気が付けばどんどん増えていくモバイル関連アクセサリ。モバイルバッテリーはもちろんのこと、Wi-Fiルーターやら各種ケーブルやらを毎日持ち運ぶのも大変なものです。カバンの中もぐっちゃぐちゃ、なんて状態になっちゃいますよね。最近は複合機能を持った製品も出てきてはいるものの、せいぜい機能は2つ程度。それくらいではカバンの中身を減らすには役不足でしょう。
↑1台で4つの機能!これがあればもう完璧。
そんな悩みを持つあなたに、中国から謎なデバイスが出てきました。3Gのルーター、モバイルバッテリー、Wi-FiカードリーダーそしてWi-Fiのリピーター。この4つの機能を1台にまとめちゃった製品がWudoumiから出てきました。名前を聞いたことのないこのメーカー、本来はODM/OEM製品などを手掛けているようです。様々な製品を作っているうちに「だったら全部まとめちゃえ」って思いついたんでしょうね。本体サイズは約114x77x15ミリ、片手で持てる小型サイズです。
↑まずは6000mAhのモバイルバッテリーとして使える。
この4in1ルーター、本体に6000mAhのバッテリーを内蔵しています。これは3Gルーターとして使うためのバッテリーですが、本体のUSBポートからの電力出力にも対応。このように他のスマートフォンを充電することが可能です。最近のルーターは同じように充電機能を持った製品が増えていますが、中国でもいまやこの機能はあって当たり前のものになりつつあるようです。
↑3Gルーターとして使ってみよう。
続いては本来の機能である3Gルーターとして使ってみましょう。本体のUSBポートの間には『SIM』と書かれたスロットがあります。ここにSIMカードをそのまま差し込みます。
↑SIMはノーマルサイズ、背面にバーコードあり。
SIMカードはマイクロではなくノーマルのミニSIMサイズ。このあたりデュアルスロットにしてくれる、なんて工夫が欲しかったところです。SIMの方向は背面に向きが書かれていますが、その下に大きくある2次元バーコードはスマートフォンでこれを読み込むと自動的にブラウザのホーム画面(192.168.168.1)を開いてくれます。
↑ブルーのランプが付けば接続準備完了。
SIMカードを入れるとスロット横のブルーのランプが点灯。これでSIMスロットに電力が供給開始され3Gルーターとして使う準備が完了します。なお隙間から青い光が見えちゃうのは、まぁ中国製ってことで大目に見てやってください。
↑ブラウザから本体にアクセス。
ではルーターとスマートフォンをWi-Fiで接続しましょう。SSIDは“Cloud WiFi”に個別の数字。パスワードはというとあれれ本体にもマニュアルにも記載されていません。もしやパスワードなしかと思ったら何か入れないとつながりません。パッケージの中には紙も入っていないしどうしたらいいんだと思ったら、内箱の隅に12345678とラベルが貼ってありました……こんな簡単なパスワードだったらシールで本体の裏に貼っておいてくれればいいのに。
↑よく使う機能は2つかな。
接続が完了したらブラウザのURL欄に192.168.168.1を入力、またはルーター裏の2次元バーコードを読み取ればホーム画面を開きます。普段使うのは上にある『3G』と『Multimedia Browse』くらいでしょうか。さっそく『3G』をタップして3Gルーターとして使ってみます。
↑若干癖のあるルーター機能。
ルーターの接続画面には、まず『USB 3G modem』の項目があります。これはUSBモデムを接続してルーター化する製品にもみられるもの。どうやら元々はそのような製品で、その内部にどこかのメーカーのUSBモデムの基盤を内蔵しちゃっているのかもしれません。通常は設定はいじることなくそのままでネットにつながるのですが、SIMカードを入れてから数分は放置して電波を拾うのを待つ必要があります。この画面にもアンテナマークの表示が無いのでわかりにくいところ。ま、デフォルトの設定が“自動接続”なので、Connect Statusが“On Line”になるまでしばらく待っているのがいいかもしれません。どうしてもつながらないときは手動でAPNなどの設定を変えればいけるでしょう。
↑ネットにつながれば快適快適。
ルーターが3G回線につながってしまえば、あとは普通のルーター同様他の端末からネットアクセスが可能です。今やLTEルーターが全盛になりつつありますが、3Gルーターのほうが電池の持ちはいいでしょうし、普段はモバイルバッテリーにしておいて緊急時はルーターとして使う、なんて用途にもいいかも。海外に行く際などはこれ1台持っていけば荷物を減らすことも可能でしょう。
↑続けてワイヤレスカードリーダーを試してみる。
さてお次の機能はWi-Fi経由のカードリーダー機能です。2枚目の写真にもちらっと見えましたが、本体側面にはSDカードとマイクロSDカード(中国では今でも“TF”=トランスフラッシュと書くのが通例)スロットを備えます。さらには本体のUSBポートに接続したUSBメモリの内容も読み取れるとのこと。
↑デジカメから抜いたSDカードを装着。
試しにデジカメで撮影した写真を転送してみましょう。SDカードスロットはどちらが上か下かの向きが書いておらず、またスロットの幅も若干きつめなので使い始めたころはSDカードをどの向きに入れればいいか毎回悩んでしまいます。SIMカードはしっかりと向きが明記されていたのに、このあたりの適当さはやはり中国製。
↑ホーム画面から画像のブラウジングが可能。
ルーターのホーム画面から“Multimedia Browse”を選択、SDカードを選びフォルダを開いていけばカード内の画像が表示されます。但しサムネイルは表示されずファイル名のみ。ファイル名をタップすれば1枚ずつですがサムネイル表示されます。この画像を保存すれば本体にコピーできるわけです。
↑大量のファイルのコピーはES Fileエクスプローラーで。
これでは1枚1枚開いていかねばならないので、Wi-Fi接続されたドライブでも中を表示できるファイラー、ES Fileエクスプローラーなどを使えば複数ファイルの選択もできて快適に操作が行えます。なお今回は試していませんがiOS用にはアプリが提供されており、それを使えば同様な操作ができるようです。
↑詰めは甘いが悪くない製品かも。
4つめの機能、WiFiリピーター機能は出先でWiFiの信号が弱いときなどに使えそうです。ということでこれ1台で4つの機能が集約したこの中国製のルーター、機能はそれぞれ実用性があり製品としては悪くないと思います。
透明な電源ボタンが押されやすくてすぐONになってしまったり、本体の作りがまだ若干甘いなどの問題はあるものの、今後他社が追従してくれればよりよい製品が登場しそうです。今後はさらに機能を搭載した“1台5役”、“1台6役”なんてルーターも出てくるかもしれませんね。
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