PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第13回目はヤギになって自由気ままに大暴れするヤギ・シミュレーター『Goat Simulator』を紹介する。みんなが待っていた期待のシミュレーターがついに出たぞ。
『Goat Simulator』
●Coffee Stain Studios
●Steam販売ページ(関連サイト)
Goat Simulatorは、タワーディフェンス&FPSなゲーム『Sanctum』シリーズを代表作にもつスウェーデンのゲーム・デベロッパー『Coffee Stain Studios』の最新作だ。難しいタワーディフェンス&FPSからいきなりのヤギ・シミュレーターである。……どうしてこんなになるまで放っておいたんだ。
まあ元々は社内の開発訓練用につくられただけで発売する予定はなかったそうだが、YouTubeにトレーラーをアップしたところ大評判となり、そのまま発売決定になってしまったとかなんとか。
とりあえずトレーラーを見たことがない人は今すぐ以下のムービーをチェックしてみよう。『Dead Island』公式トレーラーのインスパイアというかオマージュというか、そんな感動的?なムービーが楽しめるぞ。
■ ヤギだ!頭突きだ!大迷惑だ!
ゲームを始めると、プレイヤーはヤギを自由に操作できる。当たり前だ。これはヤギ・シミュレーターだぞ。ハンサムな王子様がヤギの姿になってるとか、そういうファンタジーな世界じゃない。あなたはただのヤギで、周りにはのどかな風景が広がっている。
とりあえず目の前にいるヤギにコミュニケーションを取ってみようと左クリックしてみたら、頭突きで相手のヤギが昇天した。しかもスコアが加算された。
なるほど、こういうゲームか。なるほど……。
一応、画面左にゲームの目的となりそうな実績が表示されている。試しに障害物を飛び越えてみたところ、画面中央にデカデカと達成の文字が飛び出した。
やることがないのでこの実績を達成していけば良さそうだが、ちょっと待って欲しい。これはヤギ・シミュレーターで、私はヤギである。ヤギは実績とか気にしないはずだ。だってヤギだもん。
というわけで、勝手に大暴れしようぜ!
基本的な動作は歩く、走る、ジャンプ、頭突き、鳴く、舐めると少ないが、人間様に迷惑をかけるには十分だ。パーティー会場を荒らすなんてお手のもの。逃げ出した人間を追いかけて頭突きを喰らわそう。
頭突きのコンボでハイスコア達成!よく分からないけど楽しいぞ!
■ ただし車には勝てない
逃げまどう人間どもを頭突きで昇天させていると、まるで自分が最強になったかのような感覚に陥った。この頭突きパワーがあれば敵はいない。そう思ってトラックに突っ込んでいったのが間違いだった。いや、ある意味では正解だった。
ヤギは見事にトラックにはねられ、そして飛んでいった。
おおヤギよ。死んでしまうとは情けない。
■ ヤギ、死にません
しかし、こんなことではヤギは死ななかった。と言うよりたぶんプレイヤーのヤギだけは死なない。どんなダメージを受けても自由に動き回ることができた。屋根に登ることだって余裕だ。
そもそも通常時でも描写に少しおかしなところがあり、壁に頭を突っ込むとこのようにクビが変な方向に向く。
なんだこのヤギ。気持ち悪いなぁ。
■ 荒らせ、この世の全ては壊すためにある
狭いながらもフィールド上にはさまざまなオブジェクトが存在し、そのどれもがヤギであるプレイヤーを楽しませてくれる。たとえばこういった車、普通のゲームであれば隠れたり屋根に登るだけだが……。
このゲームでは頭突き一発で爆発して廃車になる。
もちろんヤギは爆発に巻き込まれて吹っ飛ぶぞ。最初は何が起きたのかサッパリ分からなかった。
その後もロケット花火を背負って大空を飛んだり、
家に侵入して家族の団らんをぶち壊したりできる。
吹っ飛んだオブジェクトに巻き込まれないかぎり、身動きひとつしない人間がよりシュールさをかもし出していた。
■ ヤギです。いたずら大好きです。
基本的な動作を覚えたら、あとは好き勝手にいたずらしよう。ハシゴを登って建設用クレーンの上に登ってみたところ、端っこに座っている人がいた。
もうやるべきことはひとつである。
また、Eキーを押して舐めるとその舐めたものを引きずることができる。引きずるのはオブジェクトでもいいし、人間でもいい。というかだいたい人間を引きずる。ちょっと重くなったし、これで車に勝てるんじゃないか!?
と思ったがそんなことはなかったぜ!
なかなかいいシーンが撮れてると思われるだろうが、このゲーム、Fキーを押すとスローモーションにできるのだ。この機能のおかげでヤギがふっ飛ぶさまを思う存分楽しめるというワケ。
■ じつはファンタジー
ここまでの紹介だとのどかな風景で暴れるだけのようだが、じつはあちこち探索してみるとファンタジーな世界が広がってたりもする。
人間をもっとひどい目に遭わすことができる悪魔のヤギにだってなれちまうんだ。
とまあできることはだいたい紹介したが、実際にプレイして貰うのがGoat Simulatorの素晴らしさを味わうにはいちばんだろう。
プレイ中はいたるところで爆笑できること間違いナシ。「ちょwwwコーヒー吹いたwww」の有名コピペを確実に再現できる良いゲームだ。本当にこんなに大声で笑ったのは久しぶり。近所の人に聞かれてたらどうしよう?
笑いに飢えているなら今すぐプレイしよう。9.99ドルぶんの笑い声は十分に出させて貰えるぞ。
■ まだまだバグがいっぱい
ただし、発売されたばかりでまだまだバグがいっぱいであり、購入しても動作しない場合があることもあらかじめご了承願いたい。筆者はWindows7、64ビット環境なのだが、当初はゲームは起動はするものの画面がブラックアウトしたあとデスクトップ画面に戻るという謎の現象に悩まされた。
解決策としては、Steamがインストールされているフォルダーの「SteamAppscommonGoatSimulatorGoatGameConfig」にある「DefaultSystemSettings.ini」の「Fullscreen=True」を「Fullscreen=false」に修正することでプレイできるようになった。もしもGoat Simulatorを購入して、同じような問題に悩んでいる人がいたら試してみて欲しい。
『Goat Simulator』
●Coffee Stain Studios
●9.99ドル(2014年4月2日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル カジュアル、独立系開発会社、シミュレーション
●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン
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