近年、日本でもスマートフォンでタクシーを呼べるサービスが普及しつつあります。3月3日に東京でハイヤー配車サービスを正式スタートした「Uber」は、2013年11月から東京・六本木を中心に試験運用をスタート。試験サービス中から口コミが広がり、話題になっています
MacPeopleの連載ページ「神楽坂iPhoneクラブ」の覆面軍団がUberさんを訪ね、社長に根掘り葉掘り聞いてみました!
Uber
●Uber Technologies, Inc.
●無料
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GPSを利用して現在値や指定の場所にハイヤー呼び、登録済みのクレジットカードで決済。現金不要でスマートに降車できる。呼んで、乗って、支払いまでが、すべてアプリ上で完結します。
ハイヤーを手配すると、クルマの現在位置や所要時間をリアルタイムに表示。ドライバーの顔写真や名前、車種やナンバーもわかります。待っている間にドライバーに連絡を取ったり、Uberユーザー同士で支払いを割り勘にしたりも可能。近くまで来るとアプリから通知が!(17分前と表示されているのは、あとからスクリーンショットを取ったためです。実際にはリアルタイムでした)
渋谷駅近くで呼び出し、10分以内でハイヤーが到着! 迎えに来たドライバーは降りて出迎え、ドアを開けてくれるので上質な気分が味わえます。高級車と高い運転技術で乗り心地も抜群!
ここからは、Uber Japan代表取締役社長 塩濱剛治さんへのインタビューを対談形式でお送りします。取材に派遣された覆面軍団4人組は、いつも通りのゆるゆるトークで平常運転です。
CURRY(以下:C)緑のマスク。某ニュースサイトライターで、当クラブのリーダー。カレーが大好き。iPhoneは3G/3GS/4/5/5sを所有
TOSHIRO(以下:T)青のマスク。某書籍編集部に所属。スパッと言い切るが、興味のないことには無関心。iPhone 5cのグリーンを所有
HIROMING(以下:H)赤のキャットマスク。某パソコン週刊誌から異動してきた女子編集者。Xperia Z UltraとiPad mini Retinaを所有
NISSHI(以下:N)黒のマスク。某デジタル関連部署に所属。覆面とお気に入りのケースに合わせてiPhone 5sはスペースグレイを選択
手が届く「ちょっと上の」贅沢が人気の秘訣
H:Uber 知ってます? ハイヤーの。
C:なんスかいきなり……。
N:なんか話題になってたよね。スマホでタクシー呼べるやつ。
H:タクシーじゃなくてハイヤーです。
C:そのふたつって何が違うんですか?
H:一般的なのがタクシー、車両やサービスのグレードが高いのがハイヤーでしょうか。深夜にタクシーで帰るとき、当たり外れが大きくて困ってるんです。運転が荒いと酔っちゃって……。ハイヤーの乗り心地がどんなものか知りたい!
T:アップルの「CarPlay」も発表されたし、最近なんだかクルマ関連の話題が多いね。
H:せっかくなので、乗るだけじゃなくてUber Japanさんを取材しましょう。
一同:賛成ー!
――後日
塩濱社長(以降塩):こんにちは。
H:本日はよろしくお願いします。
C:えっ、いきなり社長!? てっきりサービス担当の方がお相手かと……。
塩:日本オフィスは全部で4人ですから。
C:超少数精鋭じゃないですか! ……ってことは、あれっ、ハイヤーのドライバーさんは?
塩:Uber は本社が米国にあり、32カ国80都市以上で展開していますが、各地のハイヤー企業と提携しているんです。自社ではクルマもドライバーも抱えていません。
(注)社長が手に持っているのはUberのクルマのミニカー。
N:それはスゴイ! いまはどのあたりでの利用が多いんでしょうか?
塩:東京の六本木や渋谷、青山、表参道、恵比寿、新宿周辺のほか、新橋や霞ヶ関、丸の内で展開しているので、その近辺が多いです。Uberは基本的に「点」で展開しているサービスなんです。だから東京も都内全域をカバーするわけじゃない。「点」同士が重なって面や線になる地域もありますが、積極的に面で押さえようとはしてません。
C:他国と日本のサービスは同じ?
塩:アプリは同じです。日本では選べるのがセダンとバンの2 種類ですが、米国では安価な「UberX」、普通のタクシー、標準的なハイヤーの「UberBLACK」、6人乗りの「UberSUV」、ハイクラスの「UberLUX」の5種類です。法規制もあって日本では安価なタイプは展開していません。
T:ゴルフ帰りとか、大きいのがいいね。
現在の展開エリアは、東京の六本木や渋谷、青山、表参道、恵比寿、新宿周辺のほか、新橋や霞ヶ関、丸の内。順次広がっているので、最新情報はUberの公式Facebook(外部サイト)をチェック。現在、東京でのUber正式スタートを記念し、初回乗車のみ3000円まで無料で利用できるプロモーションコード(有効期限は4月2日まで)を配布中。
C:世界に比べ、日本のタクシーはもともと安全で高品質な気がしますが……。
塩:正式スタート前、われわれが表立って説明しなくても、乗った方たちが「これはすごくいいね」って広めてくださっていた。ちょっと手を伸ばせば届く価格で、普通のタクシーより上の気持ちいい体験を提供しているので、「特別な日にちょっと」というかたちで使っていただけてます。
T:出た、日本人の好きな「プチ贅沢」。
N:喫茶店よりスターバックス的な。
塩:「なんだか偉くなった気がした」というお声もありました。
H:正直な感想ですね(笑)。
T:確かに友達が同窓会にUberで来たら「えっ!?」って思うね。
一同:(笑)。
H:見栄っ張り(笑)。でもデートのとき、お店で会計してる間に呼んでおいてくれて、高級車が来てたら感激しますよね。
塩:ドライバーも外で立って待ってるんですよ。雨の日は傘をさしながら。
H:わあ! 執事さんみたいですね。
塩:Uber のコンセプトは「Everyone'sPrivate Driver.」。皆さまのお抱え運転手ですから。クリスマスにはドライバーがサンタ帽をかぶったり、バレンタインデーにはお客様全員に一輪のバラを差し上げたりもしました。
N:複数人で割り勘とか、ゲストのお迎え用に呼んで自分で支払うことはできますか?
塩:できますよ。割り勘のほうは全員がUberに登録していればOK。現在地だけでなく、地図上の任意の場所に呼べますから、ゲストのお迎えにも利用できます。
T:遠隔操作できるアッシー君だな。
一同:(笑)。
N:やっぱ気になるのは値段だよね。
塩:われわれの料金は、時間と距離で両方同時に加算します。通常のタクシーにプラス2、3割という感じでしょうか。ユーザー登録時に紹介コードを入力すれば、初回は2000円割引で使えます。深夜割増も特にありません。夜はニーズが高くて取り合い状態になってしまうこともあります。
Uberシステムを活用したサービスの妄想が広がる
C:それにしてもこのアプリはよくできてますよね。ハイヤーに限らず「Uberバイク便」とかもできそう。
塩:去年の夏、Uberでアイスクリームトラックを呼べるプロモーションを世界で展開しました。シンガポールでは旧正月に「ライオンダンス」(獅子舞)を呼べたり。Uberは、需要と供給を結んでオンデマンドで何でも届けられるんです。本社の名前は「Uber Technologies」ですし、技術のプラットフォームなんです。
H:母の日にお花を届けるとかどうかな? 執事みたいな方に渡されたら感激するかも。
塩:イケメンのモデルが配達するとか。
T:それはアリかも。先にイケメンとかアイドルが乗ってて到着まで一緒に過ごせる。
C:Uber 芸能人!?
T:「『こじはる』乗ってます」なんてことになったらガンガン呼ばれますよ。
C:うちらも「Uber覆面」を目指そう。
塩:何か出会い系になってませんか(笑)。
一同:申し訳ありません(笑)。
H:じゃあそろそろUberでハイヤーを呼んで、おいとましましょうか。
C、T、N:はーい。
H:こうやってピンを立てて呼ぶ、と。
N:画面上でハイヤーが動いてこっちに来るのがわかりますね。
——数分後
C:本当に来た! しかも黒塗り!
一同:それでは、本日はお世話になりました〜!!
高すぎるテンションでハイヤーに乗り込み、セレブまたは皇室の方を気取りながらUber Japanさんを後にする覆面軍団でありました。向かう先は、神楽坂iPhoneクラブだけに神楽坂……だったらかっこいいのですが、飯田橋の編集部です、ハイ。
——車内にて
N:後部座席にはテレビ付きだ。
C:シートもゆったり、音も静かだからみんなで話しやすい。
H:すでにリピーターも多いそうですが、呼ぶのが楽で乗り心地もいいから納得。皆さんも都心に来たらぜひお試しあれ!
細部は提携先のハイヤー会社によって異なりますが、いずれもハイヤーなので高級感アリです。
ドライバーさんは、UberのシステムがインストールされたiPad mini Retinaを見ています。画面下部に、呼び出したお客さんの名前とケータイ番号が表示されていました。
「偉くなった気がした」というお客さんの感想と同じく、ベンチャー社長を気取るCURRYとTOSHIRO。ドライバーさんによると、六本木周辺からサービススタートしたこともあり、ベンチャー企業らしきお客さんも多いとのこと。
目的地についてしばらくすると、領収書メールが届きました。きっちり区間や料金が記載され、会社に提出する経費精算の添付書類としても問題なさそうですね。プチ贅沢でハイヤーに乗ったことが許されるかは知りませんよ(笑)。
●Uber(外部リンク)
公式サイト
公式Facebook
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