Mac Proだけが「特別仕様」な理由
Mac ProとほかのMacの最大の違いは何か。それは、搭載しているプロセッサー(CPU)の種類です。iMacやMac mini、MacBookシリーズは、古くは「Core Duo」や「Core 2 Duo」、最近では「Core i」シリーズという、パソコン向けのプロセッサーを採用しています。
これに対しMac Proは、初代モデルから最新モデルに至るまで、エンタープライズ市場向けのプロセッサーである「Xeon」シリーズを一貫して採用してきました。
●Xeon 5100 |
初代Mac Proに搭載された「Xeon 5100」シリーズは、 65nmプロセスのCore 2 Duoをベースとした、 マルチ構成が可能なデュアルコアCPUだ |
●Xeon E5-2600 v2 |
新Mac Pro(Late 2013)が搭載する最新プロセッサーで、コードネームは「Ivy Bridge-EP」。4〜12コアまでの幅広いラインアップを用意している |
エンタープライズ市場とは、サーバーやワークステーションといった業務用のコンピューターを指します。個人レベルの情報処理を目的としたパソコンに比べ、より高い処理性能、扱えるデータ容量、拡張性などが求められる分野です。
つまり、Mac Proは「Pro」の名にふさわしい高性能なプロセッサーを搭載しているというわけです。この点だけでも、Mac Proが別格のマシンであることがわかります。速くて当たり前だし、価格がバカ高いのもある意味当然と言えますね。
●歴代Mac Proが採用してきたXeonプロセッサー |
上の表は、歴代のMac Proが採用してきたXeonプロセッサーの種類。同じ「Xeon」の名前は冠しているものの、Core MA→Nehalem MA(2009年)→Ivy BridgeMA(2013年)と、そのアーキテクチャー(ハードウェアの基本仕様)は大きく変わっています。当然ながら、CPU世代の違いによって、メインメモリーやインターフェースなどの周辺回路の仕様も異なります。
●現在リリースされているIvy Bridge-EPのラインアップ |
新Mac Proが採用するプロセッサーは、「Xeon 1600 v2」および「Xeon 2600 v2」シリーズ(Ivy Bridge-EP)一部の製品です。上の表は、現在リリースされているIvy Bridge-EPシリーズのバリエーションで、このうち製品名が赤いものがMac Proに標準(もしくはCTOオプション)で搭載するモデルです。
CTOで選べる12コアのモデルは、この中では最高の性能を持つことがわかります。一方、標準の4コアモデルは最もベーシックなモデルであることから、新Mac Proはミッドレンジクラスからハイエンドまで、さまざまなニーズに対応できることがわかります。
なお、次世代のXeonプロセッサー「E5-2600v3」(Haswell-EP)は、今年の秋以降に登場すると言われています。Mac Proもそのタイミングでマイナーアップデートことになるでしょう。
* * *
さて、本日(2月28日)発売のMacPeople 4月号では、Macintosh30周年特集第2弾として、Macintosh PortableやPowerBookなど、歴代ノート型Macをたっぷり紹介しています。第2特集では、本記事で取り上げたXeonプロセッサーのほか、ThunderboltインターフェースやSSDといった各種ハードウェアの最新テクノロジーを20ページにわたって解説。そのほかにも、Googleサービス使いこなし術、MacやiPhone/iOSのトラブル解決技など、じっくり楽しめる特集をラインアップしています。
|
また、好評発売中の3月号では、Macintosh 30周年記念の第1弾として、初代Macintoshから始まる各種デスクトップ型Macの歴史を紐解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上もありますよ! 4月号と併せて、保存版として持っておきたい1冊です。
|
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります