ソニーは本日2月6日に行なわれた『2013年度 第3四半期 業績説明会』に先駆け、VAIO含むPC事業売却を公表した。2月に入り、“海外PC事業でレノボと提携”、“JIPとPC事業の新会社設立”という報道が続いたものの明言を避けていたが、既報通りJIPにPC事業を譲渡することとなった。
VAIOブランドとPC事業運営に関する要点は、以下のとおり(今後の契約締結内容次第で変更になる可能性がある)。
・VAIOブランドはPC事業ごと新会社へ。また企画開発から製造販売まで、PC事業に関するすべてが新会社の運営。
・新会社では商品構成を見直す。扱う分野はコンシューマーと法人PCで、日本での販売が中心。
・新会社は、長野県安曇野市にある現ソニーの長野テクノロジーサイトが拠点になる。PC事業にかかわるソニーと国内関連会社の社員250〜300名規模で操業を開始する。
・新会社設立当初はソニーから5%の出資を行う。
・新会社の譲渡に伴い、ソニー側のPC製品の企画開発は終了。ソニーとして最後のVAIOシリーズは、各国の2014年春モデル。
・ソニー側の販売済み製品(=現時点のVAIO製品)についてのサポートは、ソニー側で行う
本日夕方からの決算発表については詳細が判明次第、続報をお届けします。
リリース文の抜粋は以下のとおり。
2013年度 第3四半期 業績説明会(関連サイト)
以下リリース『PC事業及びテレビ事業の変革について』より一部抜粋
本日、日本産業パートナーズ株式会社(JIP)との間で、ソニーがVAIOブランドを付して運営しているPC事業を、同社に譲渡することに関する意向確認書を締結しました。
グローバルなPC業界全体の大幅な構造の変化、ソニー全体の事業ポートフォリオ戦略、「VAIO」をご愛顧頂いているお客さまへの継続的なサポートの必要性、社員の雇用機会などを総合的に検討した結果、ソニーとしては、モバイル領域ではスマートフォン及びタブレットに集中し、PC事業をJIPが設立する新会社へ事業譲渡することが最適であるとの判断に到りました。今後、ソニーとJIPは、デューデリジェンス(当該PC事業の精査)及び更なる協議を経て、2014年3月末までに事業譲渡に関する正式契約を締結することを目指します。なお、当該新会社は、設立当初は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンスーマー及び法人向けPCを適切な販路を通じて販売することに注力し、適切な事業規模による運営を行う予定です。
新会社への事業譲渡にともない、ソニーでは、PC製品の企画、設計、開発を終了し、製造、販売についても各国で発売する2014年春モデルを最後として事業を収束する予定です。ソニーの事業収束後も販売済み商品のお客さまへのアフターサービスは継続します。ソニー株式会社及びソニーイーエムシーエス株式会社などでPCの企画、設計、開発、製造、販売などの業務に携わってきた社員のうち約250~300名は、JIPが設立する新会社で雇用される予定です。加えて、ソニーグループ内の他の事業部門への配置転換などを検討します。また、新会社での雇用やグループ内への異動が困難な人員を対象として社外への転進を支援するための早期退職支援プログラムを実施する予定です。
また、報道資料『PC事業の譲渡に関する意向確認書の締結について』において、VAIOブランドを擁するPC事業譲渡の想定方針について以下のようにまとめられています。
PC事業の譲渡に関する意向確認書の締結について
ソニー株式会社
日本産業パートナーズ株式会社
本日、ソニー株式会社(以下、ソニー)と日本産業パートナーズ株式会社(以下、JIP)は、ソニーがVAIOブランドを付して運営するPC事業を、ソニーからJIPに譲渡すること(以下、本件取引)に関する意向確認書を締結しましたのでお知らせいたします。今後ソニーとJIPは、デューデリジェンス(当該PC事業の精査)および更なる協議を経て、2014年3月末までに本件取引に関して法的拘束力を有する正式契約を締結することを目指します。
本件取引はJIPが設立する新会社にソニーのPC事業とPC事業にかかる一部の資産などを承継させる形で行うことを想定しており、両社は2014年7月1日を目途に本件取引を実行することを目指します。本件取引の諸条件および新会社の概要は、正式契約に向けた精査と併せて協議していきますが、現時点で想定している内容は以下の通りです。
・新会社は、独立した事業会社としてVAIOブランドを付するPC事業の企画、設計、開発から製造、販売などに至る事業全体を運営する。
・設立当初は、商品構成を見直した上で日本を中心にコンスーマーおよび法人向けPCを適切な販路を通じて販売することに注力する等、適切な事業規模による運営で早期の収益安定化を目指す。
・新会社は、現在ソニーのPC事業の拠点である長野テクノロジーサイト(長野県安曇野市)をオペレーションの拠点として、ソニーと国内関連会社でPCの企画、設計、開発、製造、販売などに従事している社員を中心に250~300名程度で操業を開始する。
・新会社はJIPの出資および経営支援のもと設立・運営されるが、立ち上げと円滑な事業移行をサポートするため、設立当初はソニーから5%の出資を行う。
・本件取引の対価については、正式契約にて確定される譲渡資産に応じて今後協議する。
ソニーは、グローバルなPC業界全体の大幅な構造変化、ソニー全体の事業ポートフォリオ戦略、VAIOをご愛顧いただいているお客さまへの継続的なサポートの必要性、社員の雇用機会などを総合的に検討した結果、ソニーとしては、モバイル領域ではスマートフォン及びタブレットに集中し、PC事業をJIPが設立する新会社へ事業譲渡することにより新会社のもとでVAIOブランドPC事業を存続させることが最適であるとの判断に到りました。なお、新会社への事業譲渡に伴い、ソニーでは、PC製品の企画、設計、開発を終了し、製造、販売についても各国で発売する2014年春モデルを最後とし、PC事業を収束します。また、ソニーの事業収束後も、販売済みソニー商品のお客さまへのアフターサービスは継続します。
JIPは、事業の選択と集中に取り組む企業が事業部門や子会社の外部への切り出し(カーブアウト)を行う際に投資を行い、その事業が持つ潜在成長力を独立事業体として発揮できるよう支援する『戦略的カーブアウト』の豊富な実績を有しています。JIPは、ソニーのPC事業がこれまで培ってきた特徴ある商品創りとオペレーションのノウハウを活用し、VAIOブランドPC事業を継承する独立事業体として、将来的な成長と収益力強化を目指す新会社を支援することによりVAIOファンの皆さまのご期待に応えられるものと考えております。
(2014/2/6 16:10追記 速報の内容をアップデートし、今回のリリースの要点を追加)
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