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KDDI第1四半期決算は増収増益 ドコモiPhone参入の影響は少ない

2014年01月30日 20時15分更新

 KDDIは30日、2014年3月期の第3四半期決算を発表した。2013年4月から12月の連結業績は、営業収益は対前年比17.3%増となる3兆1799億円、営業利益は同34.8%増となる5332億円となり、大幅な増収増益。

 営業収益、営業利益、純利益、EBITDAといった主要指標はすべて過去最高を記録し、好調な結果だった。KDDIは、順調な決算を受けて通期予想を上方修正しており、さらなる拡大を目指していく考えだ。

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↑決算発表会場には田中孝司社長が登壇。好調な業績を報告した。
KDDIの業績ハイライト
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業績を牽引したのはパーソナルセグメント

 好調な決算を支えたのは携帯電話事業のauや固定回線のauひかりなどを含めたパーソナルセグメントで、4~12月の累計では営業収益が同18.1%増の2兆4896億円、営業利益が同38.9%増の4054億円と大幅な増収増益を達成した。

 バリュー、ビジネス、グローバルという3つのセグメントもすべて増収増益となった。

 携帯と固定の通信料収入の増加が増益の7割を稼ぎ出したことが大きく、特に携帯の通信料収入は対前年比で722億円の増加。
 JCNを子会社化したJ:COMの影響を除いた固定通信料収入も234億円増と拡大。連結化によるJ:COMの増益分502億円を上回った。

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↑携帯・固定ともに通信料収入が拡大。J:COMのJCN子会社化の影響を除いても大幅増となった。

 au事業の増益は“ARPU”(ユーザー一人あたりの平均収入)が改善した点が大きな要因。

 直近の第3四半期は音声が1890円、データが3230円、割引額が930円の計4190円となり、前年同期比で30円マイナス。しかし、前年同期比でのマイナス幅は0.7%まで減少し、当初目標だった第4四半期で前年同期比プラスに向けて順調に推移している。

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↑ARPUはまだ前年同期比でマイナスだが、減少幅が縮小しており、第4四半期はプラスに転じる見込み。

 ARPUの増加はスマートフォンの拡大によるもので、全契約者におけるスマートフォンの比率を表す浸透率は、第3四半期で44%に達し、同12ポイントのプラスとなった。

 全体の端末のうち、LTEに対応する端末は27%だが、スマートフォン販売におけるLTE対応端末の比率は同期に99.5%となり、ほとんどがLTEに対応する端末となった。

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↑スマートフォンが拡大し、LTE対応端末が普及したことで、データ通信利用が伸び、ARPUの増加につながった。

 さらに純増数も伸びており、4~12月累計では前年同期比11.7%増の190万8000契約。MNPも累計で18万4000の純増となり、27ヵ月連続1位をアピールする。

 純増数自体はソフトバンクのほうが多いが、スマートフォンやタブレットなどARPUが高い端末の比率が高く、M2M(通信)モジュールぶんを除くと純増数では1位になると強調している。解約率も業界最低水準の0.71%を維持した。

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↑純増数、MNP、解約率の3指標も好調で、フォトパネルなどのM2Mモジュールぶんを除くと純増数も1位になるとした。

サービスとコンテンツで世帯契約数を拡大

 携帯と固定を組み合わせた割引施策の“auスマートバリュー”は611万契約・321世帯に拡大。スマートバリュー利用世帯のau携帯契約数は1.9に上昇。田中社長は「世帯におけるモバイルの連鎖獲得が着実に進展した」とコメント。

 コンテンツサービスの“auスマートパス”は888万契約に達し、当初目標の期末1000万加入を射程圏内におさめた。

 スマートパスを含めた付加価値ARPUは全体平均で290円だが、スマートフォンユーザーの平均だと470円まで拡大。さらに、スマートパスユーザーは780円と高く、390円のスマートパスにプラスしてコンテンツを利用していることがうかがえた。

 スマートパスを含めたコンテンツサービスでは、契約時に加入を強制する抱き合わせ問題が発生していたが、店頭のPOPで「加入が強制ではない」ことを客に提示するなどの対策を進めたことで、「コールセンターにはほとんどクレームがきていない」(田中社長)という。

 その中でも付加価値ARPUの上昇には大きな影響はなく、「使っていただいている」(同)という認識だ。

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↑auスマートパス、auスマートバリューも順調に進捗している。

 KDDIは今期以降、ネットワーク、端末、料金、サービス、サポートの5点から独自性を打ち出してユーザーの拡大を目指していく。

 iPhoneをドコモも導入したことで、端末や料金プランで3社が横並びになったことから、プラチナバンドの800MHz帯を使ったLTEネットワーク、大型液晶のファブレットを含む端末ラインアップ、“auスマートバリュー”や“データシェア”といった料金プランに学生向け料金施策の強化、auスマートパスでのコンテンツ強化、“auスマートサポート”による利用者拡大の取り組みを拡充して独自性を打ち出していきたい考えだ。

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↑5つのポイントで独自性を打ち出し、さらなる成長を目指す。

ドコモのiPhone参入の影響は少ない

 ドコモがiPhoneを導入した影響について、田中社長は「相当影響があると思っていたが、予想よりもいい方に流れているのではないか」という認識。想定よりもユーザーの流出にはつながらなかったようだ。

 好調な決算を受けての通期予想修正では、連結営業収益を1400億円増の4兆2800億円に、営業利益を300億円増の6600億円に、au通信ARPUを70円増の4130円に、au純増数を40万増の270万に、それぞれ上方修正している。

各種指標を上方修正
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↑au通信ARPUでは、第4四半期に反転を見込む。

 田中社長は、来期に向けて「良いスタートが切れている」と強調。ARPUの反転など「着実な利益拡大フェーズに入っていく」という認識で、これをさらに拡大させるため、さまざまな施策を展開していく意向を示している。

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