今回のテーマは12月後半の新作。「今年こそ本気出す」と誓ったはいいが、もうすっかり年末で本気が間に合わなかった人も多いんじゃないでしょうか? そんなあなたに送る吉田元編集長のチョイスは「俺はまだ本気出してないだけ」。……なんか嫌な汗がたっぷり出てきますね。三宅編集長代理は年末にふさわしい、どうせ終わっちゃうんだ死んじゃうんだ系の「ワールド・ウォー・Z」を選びました。
ワールド・ウォー・Z
この原作が映画になるって話を聞いてから、ホント公開日を楽しみにしてたんですよ。公開日にはネタバレしなように朝一で109CINEMAに行って『パシフィック・リム』と連続鑑賞したんだけれど、『パシフィック・リム』が圧倒的過ぎて記憶が飛んでしまいました。覚えているのは、ブラピ映画だから入場したであろう女性が、開演早々登場するゾンビでそれ系の映画と判明して、10分くらいで出ていってしまったこと。“Z”と言ったらZOMBIEなのになぁと思った次第。
しかし、この映画は相当の難産だったようで、脚本家は変わるし、エンディングも変わるしで、なんとなく当たり障りないゾンビ物になっているから、ハンバーガー食べながらでも鑑賞できるわけです。内臓もひっぱられないし、そもそも血があまり出ない。レーティングもしっかりしているので、ゾンビものが苦手な人に、ぜひ楽しんでもらいたい作品です。
何しろブラピが出ているわけだから、絶対に死なない。その代わり、まわりの人がすぐ死ぬ。大抵のゾンビ映画はヒーローの周辺にいると最後あたりまではカメラに映るものだが、この作品はそんなお約束が通用しないあたりも面白い。ブラピが行く世界中で、着いたとたんにエリア全滅、数千年の歴史もブラピの前には敵わない。一緒にウイルス株を探しに行く博士なんてすべったのが原因で死んじゃうんだから、どっちが危険だかわからないくらい。
さて、肝心のゾンビ側だが、群れをなして走るタイプなので『バイオハザードIV』あたりが好きな人には最高です。軍隊蟻のように折り重なって襲ってくる様は『スターシップ・トゥルーパーズ』のバグズ(昆虫)のようで、あそこにいたらチェーンソー持っていようが高枝切り挟みだろが、絶対死ぬ感があって心地いい絶望感はあります。
こんな機敏なゾンビたちは感染率が高くて、世界中がゾンビだらけになってしまうんだけど、こっから人類の反撃は始まるはず……だったのが本来の終盤です。もう痛快に倒しちゃったりしたシーンは制作にNGがかかって、事後のよくある終結なのが残念だけど、まぁ、ゾンビものは何も解決しないで放浪が始まる的な感じがお約束なので、それっぽくはありました。
ゾンビは怖いけど気になると言う人は、無茶苦茶すぎるブラピに圧倒されてゾンビどころではないので、まずは観てみることをお勧めしますよ。ゾンビをおびき寄せるのに、わざわざペプシの自販機ぶっ壊して、うまそうにCM飲みするシーンは吹いちゃうと思うので、そういうスポンサー絡みのシーンを楽しむのもアリです。なんだかんだ言ってるけど、何回も観ちゃったし、Tシャツまで買っているので実はかなり好きだったりしますので、ぜひ年末にどうぞ(三宅)。
ワールド・ウォー・Z
HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円
俺はまだ本気出してないだけ
タイトルからしてゆるーい感じの映画かなと思ったけど、やはり緩かった。主人公の年齢が自分と変わらないので変に感情移入して見てしまいました。
苦境に立たされたときに誰もが思う気持ち「俺、本気出してない」を、常に全面に出し続けられる主人公が魅力的です。自分に置き換えてみると、本誌の校了が終わらないときや原稿が進まないときに、「俺がいま本気出せば、たぶん明日には10ページ書けるとか、素晴らしいアイデアが浮かぶとか」……そういうことばっかり考えていることが多いかも。でも、そこで本気出しちゃうとそのあとが続かないからあんまり出さない。おっさんになってくると回復力も低下するので、本気を出す回数がどんどん減ってくる。そのうち、どれが本気がわからなくなってくる。たぶん、そういうことの繰り返しなんでしょうね、人生は(笑)。
主人公がいきなり事故って死にかけたときにはどう展開するのかドキドキしたけど、まあ結局はこれまでと変わらない生活が続くわけで。大人って、そうそうキャラ変えられるわけないじゃん。おっさん悲愁あり、喜びありの楽しめる映画でした。おっさんとその親父のやり取りが特に秀逸で、同居している娘役の橋本 愛ちゃんが、そこに敢えて割って入らないところが笑えました。で、主人公は最後まで本気を出しません(吉田)。
俺はまだ本気出してないだけ
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