国内メーカーがグローバルシェア上位に入っている韓国。最新モデルも海外より先に国内投入されるうれしい状況になっています。その韓国の最新スマートフォン製品をいくつかピックアップしてみました。
最新スマホの広告が並ぶ韓国キャリアLG U+の店舗 |
韓国も日本同様にスマートフォンは通信キャリアでの契約販売が一般的。ですが製品はメーカーモデルをキャリアが販売するため、SKテレコム、KT、LG U+の3大キャリアのお店の店頭に貼られている端末広告はいずれもメーカーブランドのもの。各メーカーは基本性能とデザインが同じモデルを各キャリア向けに仕様変更して投入しており、韓国の消費者はメーカーブランドで製品を選ぶわけです。
そのためたとえばLGエレクトロニクスのLG G2はSK向けがLG-F320S、KT向けがLG-F320K、LG U+向けがLG-F320Lのように、キャリアの頭文字をモデル名の最後に付与して区別しています。
韓国で最初に販売が始まったLG G2 |
海外でも頻繁に行なわれるようになった韓国メーカーの新製品発表会ですが、発表会と同時に韓国国内でその新製品がすぐに発売されるケースが増えています。LGエレクトロニクスのフラッグシップモデルも2013年8月に世界に先がけ韓国での販売が始まりました。
バッテリー交換が可能な韓国版のLG G2 |
快適な背面ボタン操作が何といっても特徴のG2ですが、韓国版はグローバル版や日本版にはない仕様があります。それはバッテリーが交換可能なこと。背面の電池カバーは取り外しが可能で、2610mAhのバッテリーを交換できます。製品には充電器や予備バッテリーも付属しているため、外出中にバッテリー切れが起きてもいつでも交換可能。うらやましい仕様です。
4:3画面のVuシリーズの最新機種が登場 |
LGエレクトロニクスは韓国でこの秋もうひとつの新製品を発売しています。それがLG Vu:3。画面のアスペクト比が4:3という扁平なデザインは電子ブックの閲覧にも最適。横に広い画面で写真なども見やすく、日本でも初代製品の日本仕様版が発売されました。3代目となるVu:3はスタイラスペンが本体に内蔵可能になり、メモも取りやすくなっています。
手のひらサイズの大画面が心地よい |
ディスプレーサイズは5.2インチ、1280×960ドットと拡大され使い勝手も向上。本体デザインもこれまでのVuシリーズが角ばっていたのに対して角が取れ、女性向きのデザインになっています。専用フリップカバーは閉じたままメール着信や時刻確認も可能。ミッドレンジモデルと思いきや、Snapdragon 800や1300万画素カメラを搭載するなどフルスペックの製品になっています。
パンテックからノートタイプの製品が登場 |
韓国国内3番手のパンテックからは、専用ペンで書き込みが可能なノートタイプのスマートフォンが発売になっています。VEGA Secret Noteは5.9インチフルHDディスプレーを搭載し、画面サイズはサムスンのGALAXY Note3よりも大きくなっています。背面はメタリックな仕上げで指紋センサーも搭載。Snapdragon 800搭載でファブレットのなかでも最上位に位置する製品です。
Vペンで楽々操作が可能 |
本体にはペンが収納可能で、パンテックのスマートフォンは“VEGA”ブランドで展開しているため、このペンも“Vペン”と呼ばれます。Vペンでは画面上に自由な書き込みが可能なほか、ペンを折り曲げて本体にはめるとスタンドにもなるとのこと。最近海外で流行のフリップカバーも純正品が用意されるなど、韓国ではNote3のライバルとして注目が集まっています。
曲面ディスプレーは様子見かな |
さて韓国といえばサムスンとLGエレクトロニクスによる“世界初”の競争も目立っています。この11月には両者から相次いで曲面ディスプレー搭載のスマートフォンが韓国市場に登場します。利用シーンがまだ思い浮かばないのですが、ディスプレー市場でも世界シェアを争う両者だけに、技術力のアピールという意味合いも強いのでしょう。
縦か横か、どちらの曲面が使いやすい? |
GALAXY Roundは横に湾曲、LG G Flexは縦に湾曲と、曲がっている方向が両者で異なるのも面白いところ。GALAXY Roundは持ちやすく、G Flexは顔にフィットしやすいようですが、どちらが使いやすいのでしょう? そのうち韓国でのレポートが上がってくるでしょうから、それを楽しみにしたいところです。
韓国でもSIMフリースマホの動きが始まる |
日本でも最近はMVNOキャリアが急増していますが、韓国でも同じ動きが始まっています。特に大手キャリアにはない低料金を打ち出し、着々とユーザー数を増やしているMVNOキャリアもあるそうです。
以前であれば“MVNOキャリア”を使うには親回線の“MNOキャリア”の中古端末を使うくらいしか方法はなかったのですが、最近はMVNOキャリアそのものが親回線で利用できる端末を販売するケースが増えています。たとえば業界最大手のHello Mobileは、親回線のKTが販売するスマートフォンをそのまま販売しています。LG G2やGALAXY S4など最新製品ももちろん購入できるのです。
サムスンからは3機種が登場 |
MVNO利用者増加の動きに応え、サムスンはどのキャリアでも自由に使える自社ブランドのSIMフリースマホを韓国で販売開始しています。同社も製品型番にはキャリアごとに“S/K/L”が付くのですが、SIMフリー機は“D”となり、現在はGALAXY S4 mini/SHV-E370D、GALAXY M Style/SHW-M340D、GALAXY Ace Plus/SHW-M460Dの3機種がラインナップされています。
これらの機種はキャリア契約不要なので海外からの旅行者でも単体での購入が可能。ただし韓国でのSIMフリーの動きはまだ始まったばかりのためか販売先が少ないのが難点です。
オンラインで低価格スマホを販売するアイリバー |
音楽プレーヤーや電子辞書を販売するアイリバーもSIMフリーのスマホを販売しています。製品は同社のオンラインストアで販売しており、たまに空港の免税店でも外国人向けに販売されているようです。同社は以前スマートフォンを韓国キャリア向けに開発したことがありますが、現在販売されているものはMTKチップセットを採用したOEM品のようです。
5インチと3.5インチの2モデルを投入 |
MVNOキャリアのスマートフォンは契約割引が少なく割高で、サムスンのSIMフリー機も入手しにくい状況のなか、アイリバーの製品は5インチのULALA 5が約2万7000円、3.5インチのULALAは約1万4000円と低価格なのが魅力。
韓国もNFC決済などスマートフォンを使った便利な生活サービスに様々なものがキャリアから提供されていますが、スマートフォンでソーシャルサービスだけ使えればいいという人には、アイリバーのULALAシリーズとMVNOキャリアのSIMの組み合わせで十分でしょう。アイリバーは韓国では有名なブランドなので、ULALAとMVNOキャリアのSIMを組み合わせて使う一般消費者の数も増えているそうです。
契約なしの単体で最新スマホを買ったけど高かった |
SIMフリー製品以外、韓国キャリアの販売するスマートフォンも最近では家電ショップ、キャリアなどで契約なしで売ってくれるケースも増えています。ただし価格はメーカー希望小売価格相当。日本でもスマートフォンのメーカー希望小売価格は高額で、2年契約を結ぶと大幅な割引が受けられますが、韓国でもその状況は同様です。
韓国の最新スマートフォンは単体購入だと日本円で7~10万円ほど。SIMフリーにしてもらえるので海外のSIMを使えるのはうれしいものの、残念ながら気軽に買える価格ではありません。今回筆者も衝動買いで端末を買ってしまいましたが、韓国でも日本のように中古スマートフォンショップが増えてくれれば、いずれは安い価格で新しい機種を入手できるようになるかもしれません。
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