コンピューターおばあちゃんの会代表 大川加世子さんに「大切にしている自分ルール」や「ルールについての考え方」をお聞きしました。
60代まで無我夢中で仕事してきて、この先どうしたら元気で生きていけるかと考えたとき、ひしひしと不安を感じました。高齢化社会が来ることはわかっていましたから、「高齢者同士で横につながっていなかったら大変!」と思って、18年前に高齢者のためのパソコンのメール交流会『コンピューターおばあちゃんの会』を立ち上げました。
ルールを変えようとか大げさなことではなくて、本当に我が事ですから、みんなでつながろうと思っただけです。すでにあるものに入ろうとしても、当時はどこにもそんな交流会はなかったんですもの(笑)
どこに相談にいっても「おばあちゃんがパソコンをやるわけないでしょ!」と門前払いでした。
最近はコンピューターおばあちゃんの会の会員の方でiPadを使う人も増えてきました。文字を大きくして読むこともできるし、こうしてテレビ電話まで簡単にできますから(編注※このお話はiPadの『FaceTime』機能を使って取材しました)。iPad miniなら軽くて外にも持っていけるし、高齢者にはありがたい変わり方ですね。
いまは高齢者がどうやったら楽しく生きていけるかということを考えています。2年前から、一人暮らしの高齢者が元日に集まって新年を祝う『お独りさまの元日会』という催しを始めました。
今年は10月24日に『元祖壽七五三』という催しを開きました。還暦で人生一回りですから、だったらそこからみんなと一緒に新しい人生を始めて73歳、75歳、77歳、それから83歳、85歳、87歳という風に、七五三の区切りでお祝いをしようということなんですよ。
おばあちゃんというのはほんとにつつましやかで、自分のお金を自分のために使ったら罪悪感を覚える人もいるんです。だから、そのときくらいは美容院に行って着飾って、自分のためにお金を使ってもいいじゃないと。
千歳あめも小さく切って食べやすくして配って。そういったことが楽しみで毎日を過ごしています。
10月24日に開催された『元祖壽七五三』のときの集合写真(上)。引き出物は「笊(ザル)を被った犬」の置物。竹冠+犬=「笑」で高齢者が笑顔で過ごせますようにとの願いを込めて |
大川加世子(おおかわかよこ)
『コンピューターおばあちゃんの会』代表。
1930年東京生まれ。保険会社に勤めていた20代の頃に習得した英文タイプの経験を活かし、パソコンを始める。1997年に高齢者を対象にした『コンピューターおばあちゃんの会』を発足し、パソコンのメールを使った交流を広める。最近は外出時に持ち歩くiPadがお気に入り。自身の半生を振り返った電子書籍『アッと爺婆ドッと混む』も刊行した。
■関連サイト
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