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3DプリンターとACR技術…コンテンツ作りも変わる! DC EXPO 2013の注目セッション

2013年10月23日 17時30分更新

 2013年10月24日からお台場の日本科学未来館で開催される『DC EXPO 2013』に参加させてもらうことになった。24日(木)の“日本は3Dプリンターで巻き返せるか!?”と25日(金)の“世界初のスマホ連動映画『貞子3D2 スマ4D』はどのように作られたか!?”。2つも案内させてもらうのは、映画もテレビも小説さえもテクノロジーで進化する。そのたったいまのトピックを象徴するのが3Dプリンターであり、ACR(自動コンテンツ認識)技術だからだ。

3DプリンタとACR技術・・・コンテンツ作りも変る!DC EXPO 2013の注目セッション
↑ACR技術を使ったINTO_NOWではスマートフォンやタブレットをテレビにかざすと番組やエピソードを特定、さまざまなサービスに連携する。

 3Dプリンターのほうは、ビックカメラやヤマダ電機の店頭でも売られるほど低価格化して、形のあるものを作りたい人はすでに道具としてとても注目している。一方、産業面ではすでに試作作りをはじめさまざまな形で活用されているが、これからどんな分野に応用されてくるかが期待されている。そこでは技術というよりも、それを使う文化やしくみのほうがカギになるはずで、目下、何に使えるか? という議論が真っ最中だ。

 さまざまな意見があるが、個人的に、最初に3Dプリンターを見たときになんとなく連想したのが“土器”だった。それまで、木のカケラや動物の骨、あるいは石なんかを削って器としていた。それが、1万年くらい前に“無から形を作る”ことで土器というものが発生した。これがどれだけのインパクトを持っていたかは、新潟県長岡市の馬高遺跡から出土した火焔土器のおどろくほどのコンテンツ作品性を見れば一目瞭然だ。

3DプリンターとACR技術…コンテンツ作りも変わる! DC EXPO 2013の注目セッション
↑3Dプリンターがすべてにとって代わるわけではないが、モノが作られてから消費者の手に届くまでのプロセスを変えるという点に注目すべし。

 私も、工具箱からドリルやカッター、糸鋸なんかを取り出して何かちょっとした工作をやることがあるが、それと3Dプリンターのまるで翼を得たような自由さを比べてほしい。「工作する人そんなにいませんよ」という人は、これから10年ほどの間に、我々とモノの関係が大きく変化することを感知していないのだと思う(そのあたりはセッションで詳しく)。

 “日本は3Dプリンターで巻き返せるか!?”では、3Dプリンターの第一人者ことケイズデザインラボの原雄司さん、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター准教授の小林茂さん、そして、経済産業省製造産業局素形材産業室の木村隼斗さんという顔ぶれの組み合わせが、どんな化学反応的トークになるか? 原雄司さんには、映画での3Dプリンター利用など興味津々の最新トピックも紹介いただけるそうだ。

 25日(金)の『貞子3D2 スマ4D』のほうは、ACR技術を使った映画館でのはじめての作品が、どんなふうに作られたか? 監督の英勉さん、角川書店のプロデューサー今安玲子さん、アプリ製作を担当した面白法人カヤック デザイナーの佐藤ねじさん、ACR技術の提供元である日本エヴィクサー株式会社の鈴木久晴さんが登壇します。

 いちばん馴染まれているACR技術というと、iTunesなんかで曲をリッピングしたときにどんなアルバムや楽曲か自動的にデータを入れてくれる機能。あるいは、『Shazam』みたいに喫茶店などで流れている音楽を教えてくれるアプリの世界。もっとも、私が、とくに興味を持ったのは米国で『INTO_NOW』といういま見ているテレビがどの番組のどの回か教えてくれるアプリが登場したときだ。これの便利さは、米国の多チャンネル、再放送文化の中では絶大なはずなのだ。

 もっとも、いまではスマートフォン自体が十分に普及して、この技術の意味もどんどん変化してきている。フジテレビは、ヤマハのACR技術を使ってトリガーアプリを提供、今回登壇していただく日本エヴィクサーさんはTBSの世界陸上でアプリを提供した。どちらも、テレビ放送にスマートフォンが反応してさまざまな情報が得られる。いわゆる“セカンドスクリーン”とか、“コンパニオンデバイス”と呼ばれる世界で、これからのコンテンツ視聴を大きく変化させる可能性がある。

 このACR技術だが、その威力を十分すぎるほど体験させてくれたのが、2013年夏に公開された『貞子3D2 スマ4D』だった。2012年公開の前作『貞子3D』は、ジェームズ・キャメロン監督で世界的ヒットとなった『アバター』以降、いくらか話題性を欠いていた3D映画に新風を吹き込んだ。「飛び出すなら貞子だろう」という発想自体が、ちょっとしたアート活動とさえ思えるが、ふだん映画館には足を運ばない女子高生たちで映画館がパンク状態となった。

 次回作となる『貞子3D2 スマ4D』は、“前作よりインパクトがなければならない”というホラー映画というジャンルで、どうするのかな? と業界的にも思われていたところにもう一発かましてくれた。それが、ACR技術をフル活用して海外メディアでも紹介された“スマ4D”である。しかし、単純にアプリを入れて映画館に来てもらえれば盛り上がるのかというとそうではない。今回、関係者が一堂に会して、噴出した技術的問題、新しい演出のスタイルなど、アプリやコンテンツ製作者必見のセッションとなるはず。また、スマートフォンをお持ちの方は、会場でスマ4Dが体験できるそうです。

 さて、2つイベントのご案内をさせてもらったのでもう1つ。10月31日(木)、enchantMOONでも注目のUEI清水亮とトークライブします。[ハッカーズカフェ]アスキー総研遠藤諭xUEI清水亮「さらばアスキー!月刊アスキー元編集長とアスキーを愛した元パソコン少年がアスキーについて語る!」PODCAST アキバ系!電脳空間カウボーイズ公開収録。実は、未来の話満載になるかもしれません。

3DプリンタとACR技術・・・コンテンツ作りも変る!DC EXPO 2013の注目セッション
3DプリンタとACR技術・・・コンテンツ作りも変る!DC EXPO 2013の注目セッション

↑トーク会場には『月刊アスキー』創刊号など貴重な資料も持ち込み予定。1992年7月号の未来コンピューター特集とenchantMOONの関係とは?

【筆者近況】
遠藤諭(えんどう さとし)
株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員。元『月刊アスキー』編集長。元“東京おとなクラブ”主宰。コミケから出版社取締役まで経験。現在は、ネット時代のライフスタイルに関しての分析・コンサルティングを企業に提供し、高い評価を得ているほか、デジタルやメディアに関するトレンド解説や執筆・講演などで活動。関連する委員会やイベント等での委員・審査員なども務める。著書に『ソーシャルネイティブの時代』(アスキー新書)など多数。『週刊アスキー』巻末で“神は雲の中にあられる”を連載中。
■関連サイト
・Twitter:@hortense667
・Facebook:遠藤諭

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日本は3Dプリンターで巻き返せるか!?
世界初のスマホ連動映画『貞子3D2 スマ4D』はどのように作られたか!?
[ハッカーズカフェ]アスキー総研遠藤諭xUEI清水亮 PODCAST アキバ系!電脳空間カウボーイズ公開収録

(2013年10月23日18時8分追記)記事初出時、本来の記事の最後の部分が掲載されておりませんでした。お詫びして訂正いたします。

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