3Dプリンターは、20万円以下の機種が多く登場し比較的安くなったとはいえ、まだまだ気軽に買うのは高価な製品だ。
買う前に3Dプリンターを体験したい、自分の3Dデータがプリントできるか試してみたい、数個造形できればいいので3Dプリンターを買うまでもない。そんなときに3Dプリンターを一時的に利用できるカフェを訪れてみてはどうだろうか。
■初心者向け〜3Dプリンターを気軽に体験したいなら〜
FabCafe Tokyo
●営業時間 平日:10時〜21時 土・日:11時〜21時
●休業日:祝日
●ホームページ(関連サイト)
渋谷駅から道玄坂を登ったところにある、オシャレなカフェ。一見すると、ごく普通のカフェだが、店内の奥には3Dプリンター2台とレーザーカッターが設置されている。
材料を熱射出して積層する『Cube』を2台設置
利用料:10分700円(STLデータの持ち込みはプラス1000円)
Fabcafe Tokyoのポイントは、3Dプリンター用のデータやデータ作成用のPCがなくても気軽に3Dプリンターが体験できる点。スタッフからiPadを借り、一筆書きの絵を3Dにできるアプリ『Cubify Draw』で好きな絵を描き、で造形できる。
↑編集部ナベコが挑戦してみたが、30分ほどで“アスキー”の文字を造形できた。
↑造形したものは、よく洗浄すればクッキーの型としても利用できるということ。
今流行の3Dプリンターがどんなモノか、とにかくまず体験してみたいという人にオススメ。
また、カフェの2Fにある、ケイズデザインラボとのコラボで、自分自身を3Dスキャンしてフィギュアにできる『3D Snap & Touch』も行っている。
『3D Snap & Touch』で全身スキャン&3D出力も
利用料:全身スキャン&出力 9800円、 スキャンのみ 3000円
『3D Snap & Touch』は土曜のみ不定期に行なわれるサービス。完全予約制。
なお、3Dスキャンだけを利用することもできる。スキャンして制作したSTLデータを持ち帰る場合には別途2万5000円となっている。
夫婦やカップルで記念に作ったり、子供の小さい頃の姿を3Dフィギュアで残しておくというのもいい記念になりそうだ。もちろん、企業で3Dデータを制作するのにも使えそう。
■中級者向け〜材料費だけで使える激安サービス〜
創造空間 ナノラボ
●営業時間 平日:11時〜20時 土、日、 祝:13時〜20時30分
●休業日:月曜
●ホームページ(関連サイト)
アキバのPCパーツ街にある工作スペース・カフェ『ナノラボ』。そこで使えるのが『Solidoodle 3D printer 3rd generation』だ。
高スペックの『Solidoodle 3D printer 3rd generation』
利用料:2時間500円+フィラメント代(延長30分毎に100円)
フィラメント代・1色15グラムまで100円、追加1グラムごと10円、途中で材料の色を変更した場合は10グラムまで100円
『Solidoodle 3D printer 3rd generation』は熱射出型の積層型3Dプリンターで、積層ピッチは0.1ミリまで対応。造形できる物体は20.3センチ立方まで。積層ピッチが細かく、造形できるサイズもやや大きいため、個人向けの3Dプリンターだが高スペック。
利用料はフィラメント代以外には、工作スペースの基本利用料である2時間500円だけ。他の3Dプリンター利用サービスと比べても激安だ。
とはいえ、3Dプリンターに読み込んで物体を造形するためのSTL形式のデータは予め作成して持ち込む必要がある。既に3Dプリンターに触ったことがあるユーザーや、3Dプリンター用モデリングの経験者向きの場所だ。もちろん、3Dプリンター本体に関しては使い方をスタッフに相談することもできる。
他にもローランド製の3Dプロッタ『モデラ(MODELA MDX-15)』や卓上ボール盤なども使える。またテスターや工具類も豊富に揃っているため、本格的な工作が楽しめる。
↑ローランド製の3Dプロッタ『モデラ(MODELA MDX-15)』。
↑卓上ボール盤。
↑豊富な電子工具。
本格的に工作をやりたい。こういった機械が欲しくても場所がなくて置けない、家族の理解がなくて買えない……。そんなときはナノラボに行ってみよう!
■上級者向け〜プロが使う超高精度3Dプリンター~
Cafe Labo
●営業時間 平日:10時〜19時
●休業日:土、日、祝日
●ホームページ(関連サイト)
Cafe Laboは小伝馬町から徒歩2分の場所にある、創作相談スペース。 500万円前後の企業向け3Dプリンター『Objet30 Pro』など、本格的な機材を使用できる。
企業向けマシン『Objet30 Pro』
利用料:基本料金4万円、サポート材除去1時間8000円
『Objet30 Pro』は、積層ピッチは28μmとコンシューマー向けの3Dプリンターとは桁違いの精度を誇る。企業が試作する製品のサンプルなど、正確さが求められる造形にも十分に対応できる。
使用料金はやや高価だが、従来、製品の試作サンプルを作るのには100万円近い費用が掛かかってしまう。なお、利用には事前予約が必要。
また、ハンディタイプの3Dスキャナーも利用できる。
ハンディタイプの3Dスキャナー
利用料:1時間5000円 (3Dデータ作成、修正:1時間1万円)
他にもダンボールや木材にフルカラープリントが可能なUVプリンターやレーザーカッターなど、ものづくりの為の大型マシンが整っている。
↑UVプリンターでダンボールにも鮮やかなカラープリントが可能。利用料はA3サイズ2000円~。
↑レーザーカッター。利用料は1時間4000円。
運営している会社がダンボールの製造や設計を行っているため、ダンボール素材を購入して工作することもできる。
■番外編〜高精度の3Dスキャナーが使えるワークショップ〜
しぶや図工室
●ホームページ(関連サイト)
しぶや図工室は、3Dデータをつくるワークショップを開催している。3Dプリンターの利用がメインではなく、3Dデータの作成を学ぶことで、3D造形がより身近になることが目的。
ワークショップではスキャンからデータの加工まで行い、3Dデータの作成に過程をひととおり体験することができる。
↑講師の指導のもと、『Artec Eva』をなどを使い3Dスキャンができる。
使用する3Dスキャナーは『Rexcan3』や『Artec Eva』と、個人では手に入れずらい1000万円クラスの高精度マシン。なお、『Rexcan3』は1回1万2000円で45分間レンタルすることもできる。
作成した3Dデータは個人で外部の出力サービスに依頼したり、しぶや図工室に設置してある積層タイプや石膏タイプの3Dプリンターで出力することができる。
↑『Cube』シリーズのミドルエンドモデル。
↑石膏タイプの3Dプリンター『ZPrinter310』。
以上、買わなくても3Dプリンターが使えるワーク・カフェはを4つ紹介した。3Dプリンターに興味がある人は訪れてみよう。
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