Xperia Z1(関連記事)は1/2.3型2000万画素の“Exmor RS for mobile”(裏面照射型CMOS)に27mm相当でF2.0の“Gレンズ”、“BIONZエンジン”という、普及クラスのサイバーショットと同等のカメラを搭載している。いろいろなお楽しみ機能(関連記事)は紹介ずみなので、カメラオタクとしてマジにカメラとして使ってみた。
↑マニュアルモード2000万画素で夕方のベルリンの夕景を撮影。従来のスマホ写真より明らかに階調豊かで色再現性も高い。ISO50、F2.0 1/125秒。
Z1のカメラアプリの撮影モードは“プレミアムおまかせオート”(以下オートモード)とマニュアルモードの2種類。オートモードにすると、カメラが状況を調べてシーンモードを自動判断する。右下に逆光、マクロ、夜景、ソフトスナップなど、判断結果が表示され、それに合った設定で写真を撮ってくれる。
オートモードでユーザーがいじれるのは、フラッシュの発光設定とセルフタイマー、スマイルシャッターくらいで、画面のアスペクトは16対9のみ、記録画素数は800万画素に固定となる。2000万画素がもったいないと思うのだが、出力を800万画素に固定することによって、3倍のデジタルズーム、ISO感度を上げることによる手ぶれ補正、高感度(ISO6400)を実現しているそうだ。
↑オートモードの撮影設定で指定できるのはこの5項目のみ。
動画撮影時には余った画素を使った、いわゆる電子式手ブレ補正を行うため、レンズの画角が狭くになる。オートモードで動画を撮ろうと画面右の赤丸を押すといきなり画角が変わるのでちょっと戸惑う。マニュアルモードでは静止画・動画の切替えアイコンがあるので、オートモードにも設置してほしいところだ。
マニュアルモードにすると、画面左上にSCNというシーンセレクションボタンが現れて、シーンOFFと美肌から花火まで18種類のシーンをユーザーが選択できるようになる。
↑ここでシーンOFFを選択すると、SCNの下にコントロールバーのようなボタンが現れ、+2から-2までの露出補正とホワイトバランスの方法が選べるようになる。
マニュアルモードでは左下の詳細設定で指定できる項目は豊富になる。解像度は200万画素16対9から2000万画素4対3まで、フォーカスはシングルから追尾まで5種類、ISOは自動と50から800まで、測光は中央、平均、スポット、指定が可能。ちなみに解像度を800万画素以下に落とすと、ISOは最高3200まで選べるようになる。
マニュアルでの解像度一覧
4対3 | 16対9 | |
200万画素 | 5248×3936ドット | × |
800万画素 | 3264×2448ドット | 3840×2160ドット |
300万画素 | 2048×1536ドット | × |
200万画素 | × | 1920×1080ドット |
ちなみに素子そのものが2000万画素あるので、800万画素では比率を4対3にしても16対9にしても800万画素で撮れる。上下カットによるワイドではなくなるわけで、16対9好きとしてはうれしい気分だ。
白トビや黒ツブレを防いでくれる、とっても便利なHDR(ハイダイナミックレンジ)は解像度が800万画素以下でないとONにできず、なおかつ手ブレ補正とは排他処理となる。これは手ブレ補正がISO感度をコントロールしてしまうことが原因のようで、Xperia Zから向上はしていない。
↑HDRのON/OFFの撮影例。上はOFFで、窓の外の風景は真っ白にとび、手前の人物はつぶれているが、ONにすると下の写真のように外の建物が現れ、人の表情もわかるようになる。
↑こちらもマニュアルモードでHDRをOFF(上)とON(下)で撮ってみた。夕暮れの雰囲気があるのはOFFだが、駅前の様子はONのほうがよくわかる。
つまるところHDRを使うなら、または16対9の写真を撮りたいならば、オートモードにしたほうが、カメラ任せで失敗なく撮れるということになる。もちろん、ISO感度を勝手に上げてほしくないとか、処理されすぎた写真が嫌いならマニュアルで撮っても問題はない。
夕暮れのブランデンブルグ門を完全な逆光であえて撮ってみたが、つぶれると思った門のディテールがきちんと写っている。マニュアルモード2000万画素なのでHDRはOFF。ISO50、F2.0、1/200。
右上にシャッターボタンが設置されたのも、本気でカメラしている証拠だろう。半押しでフォーカス、押し込めば写真が撮れるのはカメラの基本だし、画面タッチでの撮影はどうしても手ブレの原因だったから、気分だけではなく、実質的な効果も高い。
ちなみにスマホとしてスリープしているときでもシャッターを深押しすると、ホーム画面を飛び越していきなりカメラとして起動してくれる。ありがたいボタンなのだが、カメラ好きとしては、細長い棒状態なのがちょっと悲しい。電源ボタンのような立派な丸ボタンだと萌えると思う。いつもはボリュームとして使っているシーソーボタンは、従来とおりズームレバーとして働く。
↑Xperia ZとZ1のオートモードで夜景を撮ってみた。左のZでは全体にべったりとした写真だが、右のZ1では階調もメリハリもきれいに表現され、遠近感のあるリアルな写真が撮れた。
↑Xperia ZとZ1の晴天下での比較。上からZの最高1200万画素、Z1の2000万画素、Z1のオートモード。絵としてはZとZ1のマニュアルモードはほぼ同じ印象。Z1のオートモードはやや鮮やかでコントラストも高い写真になっている。
↑部分を拡大して比較してみた。左からZ,Z1の2000万画素、Z1オートモード。ここでもZ1のオートモードはコントラストが高く解像感が上がっているのがわかる。
Z1によってスマホカメラの残る課題は光学ズームと手ブレ補正となった。リッチなレンズをスマホに搭載しようとすると出っ張ってしまうのだが、携帯電話の末期のような光学ズーム付きのスマホを我々カメラオタクは待っている。
ソニーとしては、QXをどうぞということだろうが、サムスンのギャラカメのようなサイバーショットスマホもあっていいと思うのだ。
●おまけコーナー
QXシリーズ取り付けのための専用リアカバーがあるのもZ1の魅力。どうなっているのか紹介しておこう。
プラスチックのスマホ用リアカバーといったいでたちのアタッチメントカバー。
裏を見てみると、よりプラっぽくてちょっとなえる。
中央部にはマウントの穴を露出させないためにカバーがついている。
カバーをクルリと90度回すと穴が出現。
QX10を、ちょうど交換レンズをつけるように、はめて回せばおわり。
うーん、非常にカメラっぽい。
これはカメラだ。しかし、せっかくのZ1のシャッターボタンはQXでは効かない。っていうかシャッター押したら、本体カメラが起動する。内蔵カメラのアプリにカメラ切り替えでQXを選択できればいいんですよ。かんたんなので、きっとソニーはやってくれますよね。
●おまけコーナー2
ZとZ1を持ち歩いていて、気になったので晴天野外での液晶視認性を比較してみましたが、ほとんど違いませんでした。おテントウさまの下でもちゃんと写真とれます。
●おまけコーナー3
IFAで配布していたXperoia Z1のカタログは豪華100ページにわたるもので、雰囲気写真で流しているかと思いきや、操作方法が事細かに説明してあって、マニュアルのよう。っていうかマニュアルの10倍くらいお金かかってます。日本語版を配布してほしいですね。
さらに、アクセサリーカタログも豪華だなあと開いたら、あらあら、テレビもデジカメもVAIOまでXperia様から見れば周辺機器ってことでしょうか。でもつながるんだからいいじゃん。
で、後半はサードパーティーの専用ケースがずらりと掲載されていて、Z1といっしょに何買おうかなーー!と楽しめるのが素敵でした。
●関連サイト
・ソニーモバイル グローバル向けブログ(英文)
・ソニーモバイル 日本向け公式サイト
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