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秋葉原で開催中の初音ミクコンサート”夏祭初音鑑”の見どころをPと関係者に聞いた!!

2013年08月21日 19時30分更新

 夏といえばコンサート! コンサートといえば……初音ミク!? 2013年8月21日~29日には、東京の秋葉原にあるベルサール秋葉原にて、“ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑”が公演中。20日に実施したプレス・関係者向け内覧会を目撃してきたので、その魅力をがっつりお伝えしていくぞっ。

ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑

↑満月の夜にひとりの少女が月から落ちてくる。それが初音ミクで、最初はぎこちない動きだが徐々に人に近づいていき、近づきすぎたがために月に戻されてしまうという……というストーリーだ。

■ニコ動屈指のクリエイターが数多く参加!
 初音ミクのコンサートというと、彼女の姿を透明ボードにプロジェクターで投影し、まるでステージに立っているように見えるコンサートを思い浮かべる人が多いはず。実は同じようにみえる彼女のコンサートでも、“ミクの日大感謝祭”や“ミクパ♪”などいくつかあって、CGや演出が異なってくる。

 この“HATSUNE Appearance”もミクのコンサートブランドのひとつになる。主催は、弊社、クリプトン・フューチャー・メディア、ムービック、角川書店で構成される“はつあぴ夏製作委員会”。昨年は、横浜市にある八景島シーパラダイスで試験的要素も兼ねたプレビュー公演を行なった。今回は、その経験を生かして今年の旗揚げに臨み、約90分の内容を9日間に渡って38回上演する予定だ。

ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑

↑前面のミクと背景の映像というレイヤー構造になっている。今年は照明もパワーアップしていて、観客のほうにもバンバンレーザーが飛んできます。

 一番の特徴は、ネットへの投稿で頭角を現わした在野のクリエイターを起用していること。ミクのCGやその動きは、ニコニコ動画で人気の高い『MikuMikuDance』(MMD)というフリーソフトを利用してつくられている。

 ミクの造型もこの公演のために用意された“ままま式あぴミク”(通称、あぴミク)で、まままさん、アラン・スミシーさんが手掛けた。映像制作はまさたかPさん、わかむらPさん、三重の人さん、音楽制作は小林オニキスさん、キャプテンミライさんがそれぞれ担当している。会場にいた方々に見所を聞いてみると……。

──映像製作のポイントはどこになります?

わかむらP 僕の担当したパートは後半部分に固まっていたので、いやがおうにも盛り上げなければいけない。なので周囲との連携を無視しして、盛り上げることに徹しました。例えば、みんなで歌えるように歌詞を出してます。

三重の人 でも、あれは盛り上がりますよー。後ろの席から観ていても、文字がきちんと読めましたし。実は自分のパートしか知らなくて、この内覧会で初めて他の人の映像を観たんですが、ムカつきますね(笑)。スゴいもん、わかむらP。

わかむらP (笑)

三重の人 あと昨年の八景島と決定的に違うのが、ミクさんのフレームレートが30から60に上がってること。去年は出ていた残像が今年はなくなってます。ここは「おっスゲェ」と思った。ただ60フレームにしたことで書き出しに時間がかかるんですが(笑)。

──音楽で力を入れたところは?

キャプテンミライ 音は6チャンネルサラウンドになってるんですよ。会場を見ると、後ろに2系統、客席後列の下に2系統、正面に2系統という感じでスピーカーが置かれてるんです。効果音が出てくるシーンでサラウンドが実感できると思います。

小林オニキス 僕とキャプミラさんと制作会社の大島さん、PAの武井さんでがっつり組んで、武井さんの事務所に効果音を持ちよって調整しました。オケも使い回しではなく、いちからつくり直しています。原曲のイメージと遠くならないけど、ちょっと違ったアレンジを加えているので楽しんでもらえるかと思います。

ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑

↑ミクさんのコンサートが観たい! あぴミクかわいい! そんな衝動で会場に来ていただければ、楽しめます。

■ミクが歌う空間にも注目
 投影システムも見どころだ。昨年のプレビュー公演同様、ステージの上には透明ボードはいっさい置かれていない。にも関わらず、ミクがふわっと空間に現われてかわいい踊りを見せ、その背景につくり込まれた映像が流れる。

 夏祭初音鑑という、文楽や歌舞伎の題目である“夏祭浪速鑑”をもじったタイトルもおもしろい。ANGEL Projectの中心人物になる福岡は、内覧会に先立つ挨拶で、「人ならざるものに魂を吹き込むのは、(文楽と)共通するものがある。われわれは現代の人形使いと自負している」と自信を見せていた。さらに詳しく聞いてみると……。

──昨年のプレビュー公演から約1年。ようやくここまで来たという感じでしょうか?

福岡 いや、ここまでは想定内なんですよ。去年の八景島の前に考えたロードマップどおりに進められています。

──公演を観て、今回のミクさんは動きがヌルヌルで滑らかになったと感じました。

福岡 フレームレートを上げたのは、去年の反省点なんです。30フレームでも、背景は別レイヤーになっているので立体的に見えるからいいかなと思っていたんですが、観ていただいたファンの方々が思いのほか滑らかさを大切にされていたので、じゃあ60フレームにしようと。やってみたら、思いのほかヌルヌルしてて驚いた。

──あぴミクさんのモデルも変わっていたり?

福岡 毎回変わってますよ。八景島バージョンとも、MMDのモデルを配布したものとも違います。夏祭初音鑑バージョンです。微妙にまままさんが変えてきて、口が小さくなってます。

──それはなぜ(笑)

福岡 わからない(笑)。まままさんの美学によって支配されてるので、誰も文句言えないんです。

──90分というと曲数も多いですよね。

福岡 曲だけじゃなく、キャラクターも増えてて、リン・レンとあともうひとり出てきますので。……って、大阪でやってますから、ご存知かと思いますが。ただ、この内覧会でも出していないサプライズが本公演にいっぱい残してます。

ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑

↑昨年、出演者はミクだけだったが、今年は鏡音リン・レンと、あとひとりがシークレットで登場する予定だ。

──映像と音の演出もパワーアップしましたね。

福岡 ムービングライトがぶりぶり動いてますよね。サラウンドも頼んでないのに、PAの武井さんが「サラウンドやりましょう福岡さん!」、「えっ、お金は」、「いやお金はいいんです」、「えええー」って。サラウンドが入ったことで、効果音の使われ方がおもしろいですよ。

──お気に入りの演目は?

福岡 月がテーマなんです。で、モロに月をテーマにした楽曲が入ってます。『MOON』じゃないですよ。その楽曲のタイトルがそのまま今回のテーマにつながってます。

 Twitterでも言いましたけど、大阪だと演目に『秘密警察』があって、その後に初音ミクが失神して倒れて寝ちゃうんです。寝たあとの夢が次の2曲。起きて、もう一度自分を取り戻す過程で、人に近づいていくというふうにしてるんですが、まぁ、そんなことはよくて、普通に楽しんでほしいです。あとは最後の演目はご批判も受けるかもしれませんが、それなりに考えた答えなんです。

──しかし全部で38公演って、ミクのコンサートにしては多いですね。

福岡 気軽に観に来れるようにしたかったんです。とにかく初音ミクのコンサートはチケットが取れなかったり転売が出たりするので、そういうのじゃなくていつでも観られるようにしたいなって。昔の芝居小屋と一緒です。何日もやって誰でも空いた時間に来て、パッと観られるようにしたかった。

──まだ当日券とかで買える感じなんでしょうか?

福岡 ばんばん買えます。普通にご家族とか、おじいちゃんおばあちゃんが孫を連れてくる感じで遊びにきてもらえればいいなと思っています。

ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑

↑チケット価格は4410円。8月25日の10時30分の回に限り、小中学生優先で、同伴の保護者も含めて特別価格に3150円で購入が可能だ。

●ANGEL Project 旗揚げ公演 HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑
開催期間:2013年8月21日(水)~8月29日(木) 10:30開演~21:00終了、25日(土)、26日(日)は22:00終了
チケット価格:4410円(税込/全席指定)
開催場所:ベルサール秋葉原 B1F (東京都千代田区外神田3-12-8)
出演:初音ミクほか
主催:はつあぴ夏製作委員会/ANGEL Project
特別協賛:株式会社ドミノ・ピザ ジャパン
協賛:エイベックス・エンタテインメント株式会社 ほか
協力:NOTTV(株式会社mmbi)

 詳細な講演日程や、チケットの購入方法は下記、公式サイトをご確認ください。

■関連サイト
VenusLaser公式サイト
ANGEL Project公式サイト
HATSUNE Appearance 夏祭初音鑑チケット購入(チケットぴあ)
週アス×初音ミク Twitter

イベント会場で販売しております『夏祭初音鑑』パンフレットに誤記がありました。ご購入者の皆さま、ならびに関係者の皆さまにお詫びして訂正いたします。 (2013年8月21日)

p.1
 [誤]福岡俊之 ⇒ [正]福岡俊弘
p.19 四の切 4曲目タイトル
 [誤]1/6 out of gravity ⇒ [正]1/6 -out of the gravity-
p.20 SOUND ARRANGE
 [誤]OM Factory ⇒ [正]大島 su-kei (OMFACTORY)
 [追加]GUITAR 森本隆寛
p.20 MOVIE CREATOR
 [誤]ひなたP ⇒ [正]hinataP

「シュガービッツ」 作詞・作曲:すこっぷ
3D modeled by ままま (C)ANGEL Project  (C) Crypton Future Media, INC.  www.piapro.net

「学園×∀ssassinatioИ」 作詞・作曲・編曲:やいり
3D modeled by ままま (C)ANGEL Project  (C) Crypton Future Media, INC.  www.piapro.net

「Tell Your World」 作詞・作曲・編曲:kz
3D modeled by ままま (C)ANGEL Project  (C) Crypton Future Media, INC.  www.piapro.net

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