制作陣によるメイキングセミナーを直撃!
今年の6月15日、スマホ連動と連動した視聴者参加型の画期的なライブ番組が放映された。テレビ東京系のBSジャパンによる『BLOODY TUBE』がそれだ。簡単に言えば、スマホを使って視聴者が参加できるレースゲームがメインなのだが、実験的な試みが盛り込まれた極めてエキサイティングなコンテンツだった。
特筆すべきは、女優・壇蜜の肉体をプロジェクションマッピングの投影面として用いた点。壇蜜の肉体の内部にある「血管」をレースコースに見立て、その中をナノサイズのメカが疾走するという設定だ。視聴者がスマホから入力した情報がレースの成績を左右し、その状況が壇蜜の肉体にリアルタイムに投影されていく……。しかも、この離れ業を生放送でやってのけたのだから、これを画期的と言わずして何と言おう!
●デジハリ主催のメイキングセミナー |
去る8月3日、クリエイターを育てる専門スクールのデジタルハリウッドにて『BLOODY TUBE』のメイキングセミナーが開催された。番組企画やアニメ制作、プロジェクションマッピング制作を手掛けた制作陣の生の声を聞ける貴重な機会だ。
ここでは主に、プロジェクションマッピングを手掛けた加島貴彦氏(P.I.C.S.所属)が語った、制作過程について紹介したい。それ以外にも面白い話がたくさんあったのだが、壇蜜の肉体をどうやってアレしたのか、やはり一番気になるところであるし。
人体プロジェクションマッピングの制作過程
人間の肉体という、極めて複雑な形状の物体に対し、どうやって映像をマッピングしていくのか? まずは、投影面となる人体を3Dスキャナーで取り込む。限りなくスッポンポンに近い壇蜜の体を、360度からねっとりとスキャンするわけだ。ゴクリ。
そのスキャンデータを基に、樹脂製のマネキンを作る。これを使ってプロジェクションマッピングのテストをしていくのだ。
続いて、3D CGソフトを使って映像を作成する。作成した映像をプロジェクターを使ってマネキンに投影し、微調整を重ねていく。本番ではマネキンではなく壇蜜本人に映像を投影するため、どうしても投影面(=肉体)が動いてしまう。現場でそれに合わせて微調整できるような映像作りが求められる。
制作現場はこんな陣容
●プロジェクションマッピング機材構成 |
現場の機材構成はこんな感じ。2種類の映像ソースを切り替えつつ、Flashによるリアルタイム生成の映像を重ねていく。世間一般ではオワコン扱いされがちなFlashだが、柔軟性のあるオリジナルコンテンツを素早く作成するツールとしては最適なのだとか。Flashはこうしたプロの現場で生き残っていくのかもしれない。
●プロジェクター配置図 |
そしてこちらがプロジェクターのセッティング。前面と背面から30度の角度で映像を投射する。ちなみに、この時使用したプロジェクターは、NEC製の「ViewLight NP PA500UJL」。輝度5000ルーメンで、WUXGA(1920×1200)解像度に対応した製品だ。
●そしていよいよ本番 |
これが実際のプロジェクションマッピングの様子。こうして壇蜜の肉体がサイバーなレース空間へと変貌する。第2弾はぜひとも地上放送でやってほしいところだ。
●コンテンツ制作体制 |
こちらは『BLOODY TUBE』の制作体制。このようにたくさんの会社が連携することで、この画期的なコンテンツが生まれたのだ。いやあ、プロジェクションマッピングって素晴らしい。そしてビバ壇蜜。
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