今週のテーマは、iTunes Storeの新着、注目作品。藤村編集者は「ライフ・オブ・パイ」、山口編集者は「黄金を抱いて跳べ」をチョイスしました。
ライフ・オブ・パイ |
MacBook Airのウェブサイトでも紹介されている本作。「トラと227日間漂流する」という設定を見て、安易にペットなど仲のいいトラと助け合って生還した感動物語かと思っていたら大間違い。太平洋に投げ出された少年パイは、ただでさえ少ない食料で生き延びなければならないところを、さらにどう猛でお腹をすかせたトラから身を守り、狭いボートで共存しなければならないという過酷な物語でした。
浮き輪やオールで作った簡易ボートに乗って離れた場所にいなければトラに襲われてしまうし、ご飯を与えなければ自分がエサになってしまう――そんな前代未聞の展開にハラハラドキドキ。でも、227日間という長い日数をひとりで細々と耐え続けるよりも、トラから身を守るという大きな目的があることで生き延びることができたのです!
ひとりと一匹だけで海の上を漂っていると、トラも本能でパイを殺しては生き残れないと考えるのか、敵でも友情でもない不思議な関係性が芽生えてくるのがわかります。ときには威嚇して自分を優位に見せ、ときにはトラのために魚を捕るなど、すべては自分の身を助けるためですが、極限の状況で賢く強くなっていくパイの成長は感動ものです。
ストーリーだけでなく、トラの軽やかな動きや、晴れ渡った壮大な海、夜になると蛍光に浮かびあがる深海の魚、漂着した島の自然など、美しい映像も見どころのひとつです。お子さんと一緒でも楽しめると思いますよ(藤村)。
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 Life of Pi (日本語字幕版)」をiTunesで見る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)
黄金を抱いて跳べ |
乱暴に言ってしまうと、舞台が日本でちょっと間抜けなミッション・インポッシブルです。出ている俳優陣が自分的にとても豪華だったので選びました。ミッション・インポッシブルのように全員が特別な訓練を受けた超人的な能力を持つわけではなく、強靱な精神を持つわけでもないので、観ていてちょっと危なっかしかったりするんですが、もし自分が強盗団だったらこんな感じでしょうね。
俳優陣はみんなすごくいいです。浅野忠信はトラック運転手をしながらチームのリーダーをやっているんですが、角刈りのオッサン姿がハマりすぎて途中まで誰か気づきませんでした。妻夫木くんは最近クルマのCMののび太くんばかり観ているので、けだるい感じで底知れない雰囲気がまたよかったです。テンションの高い桐谷健太もいいですね。大阪弁が流ちょうだなーと思って観てましたが大阪出身なんですね。西田敏行はいわずもがなです。東京の人間としては、舞台が大阪なのも画が新鮮でよかったです。犯罪モノだと、だいたい新宿歌舞伎町とかが出てきて見慣れてるので……。
くもり空のような薄暗い雰囲気がずっと続く作品ですが、ちょいちょい静かにギャグも入りますし、もしかすると俳優のアドリブなのかもしれないセリフの端々がちょっとおもしろかったりするのは、日本語ならではです(山口)
「黄金を抱いて翔べ」をiTunesで見る
(HD版レンタル:500円、SD版レンタル:400円)
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