スマートフォンやタブレットがどんなに普及し、スタイラスペンを併用しても、紙にペンで書くより手軽なメモの手段はない。ファストフードの紙ナプキンからモレスキンのメモパッドまで、「紙に書かれたメモ」が絶滅する気配は見受けられない。その一方で、紙に書かれた内容をデジタル化して取り込む手段も日々進歩を続けている。今回、ソースネクストから発売された「Livescribe wifi スマートペン」を1週間ほど試用してみた。
Livescrbe wifiスマートペンは、スウェーデンのAnoto社が開発した「アノト方式」と呼ばれる技術を採用したデジタルペンだ。価格は、販売元サイトの「eSHOP」で1万8800円。紙に印刷された微細なドットパターンをペンの内蔵カメラで読み取り、ペンの軌跡をベクターデータとして記録する。アノト方式では専用のペンとノートの組み合わせが必要で、wifiスマートペンの場合、1冊400円~の専用ノートが用意されている。
ペン先にカメラを内蔵しており、アノト方式に共通する独特な形状のペン。一般的なボールペンと比べるとだいぶ太いので、手の小さい人には少々持ちにくいかもしれない。
ペンには96×18ドットのLEDディスプレー、マイク、スピーカーが内蔵されている。駆動時間はWi-Fi環境下で4時間、接続していない状態で11時間で、micro USBケーブル接続で充電する。
一般的なアノト方式のデジタルペンはUSBやBluetoothでパソコンと接続してデータを受け渡すが、wifiスマートペンは名前のとおり無線LANでデータを直接Evernoteにアップロード可能だ。登録した無線LANエリアに入ると、書いた内容が自動的にEvernoteにアップロードされる。いちいち自分でデータを取り込まなくても、機器を問わずにデータを確認できるわけだ。
ユニークなのが、アノト方式の特徴を生かしてノート上に印刷されたボタンをペンでタップすることでさまざまな機能を起動できる点。専用ノートにはQWERTY配列のキーボードや録音/停止といったボタンが印刷されており、ペン先でタップして無線LANアクセスポイントのパスワードを入力したり、ペンの録音機能をスタート/ストップさせるといったコマンドを実行できる。
専用ノートには、ペンでタップすると音声の録音や再生などが可能な機能呼び出しボタンが用意されている。
Wi-Fiネットワークもノート上のキーボードをタップして設定する。とてもユニークな機能だが、ペン先でタップするとインクが残ってしまうので、パスワードのフレーズに使われている文字が特定できてしまう恐れがある。タップして使用する際には、キャップを付けられるとうれしい。
マイクも内蔵しており、手書きデータに加えて音声も録音できる。手書きのストロークに加える形で音声を録音できるので、打ち合わせ中の音声を録音しながら重要な部分のみをメモする、図を描きながら注意点を音声で記録する、といった使い方ができる。
筆跡データをEvernoteへアップロードすると、書いた順番どおりに再生できる。音声が添付されたストロークには色が付いており、タップすると再生される。ただし、せっかくストロークをベクトルデータで保存しているのにEvernote上では画像としては扱えない。ノートに描いた図や絵をグラフィックアプリに下書きとして取り込むといった二次活用ができないのだ。Evernote側の特性だと言ってしまえばそれまでだが、なんとか活用させたいところ。
Evernote上で、記録したストロークを再生中。ストロークの再現性はかなり高い。また、EvernoteにはOCR機能があるため、手書きの文字を検索することもできる。
●関連サイト
・Livescribe wifi スマートペン
・ソースネクスト
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