3月上旬、CeBITの取材のためドイツに滞在していました。昨年10月のWindows Phone 8の発表後、ドイツに行くのはこれが初めて。最近はヨーロッパで再びWindows Phoneが売れているという情報もあり、かなり期待できそうです。
さっそくドイツ国内におけるWindows Phone 8の状況を見てみましょう。
なおCeBIT2013会場でのWindows Phone 8についてはこちらの記事もご覧ください。
■ドイツはWindows Phone 8の看板だらけ
MWC2013が開催されたスペイン・バルセロナから、ドイツのLCC“germanwings”に乗ってケルン・ボン空港に移動しました。飛行機を降りて最初に目に付いたのは、あちこちに掲示されたWindows Phone 8の広告でした。
↑ドイツ西部にあるケルン・ボン空港に到着。 |
↑空港ターミナルビルの外に、さっそくWindows Phone 8の広告が。 |
↑こちらはケルン・ボン空港直結のドイツ国鉄駅のプラットホーム。 |
広告にはWindows Phone 8端末の画面が載っており、いくつかのテーマに沿ってデザインされたスタート画面が打ち出されています。ドイツではWindows Phone 8のテレビCMを放映しているのですが、内容的にはこれと連動しているようです。
また、この広告はケルンだけでなく、ドイツ国内で全国的に展開しているようです。ケルンから遠く離れたハノーバーでも、あちこちで目にしました。
↑ケルン・ボン空港駅からICEで移動。2等席だがテーブルや電源を使えて快適。 |
↑CeBITが開催されるハノーバーに到着。 |
↑ハノーバーの市街地でも発見。 |
↑こちらはトラムの駅。 |
↑ハノーバーメッセ東駅。 |
このように1日に何度も発見してしまうので、そのたびに電車を降りたり建物から出たりして撮影するという過酷な、そしてちょっと挙動不審な取材をするはめになりました。
ちなみに移動中はスペインで購入した『Yoigo』のプリペイドSIMをローミング使用。『HTC Windows Phone 8X』でテザリングも可能でした。
↑ハノーバーに到着するまでは、YoigoのプリペイドSIMをローミングしつつテザリングで使用。 |
■ハノーバーの携帯ショップでWindows Phone 8を探す
それではハノーバー市内の携帯ショップで、Windows Phone 8を探してみましょう。
最初に注意点。ドイツの大型家電量販店として有名な“SATURN”がハノーバー駅前にあるものの、日曜日は定休日でした。ヨーロッパではよくあることですが、CeBIT期間中の、駅前の大型家電量販店といっても例外ではないという点にやや驚きました。ちなみに駅前の大型ショッピングモールも日曜は全館休業と、徹底しています。
↑ドイツに限らず、ヨーロッパは日曜日にお休みの店が多い。 |
↑気を取り直して翌日。『ATIV S』や『Lumia 920』などが売られていた。 |
↑Lumia 620の本体価格は269ユーロとお買い得。 |
予想どおりLumia 920やATIV SはハイエンドのAndroidに匹敵する価格設定となっていますが、Lumia 620はかなりお手頃な値段です。
↑こちらはハノーバー中央駅のTelekomショップ。 |
↑もっとも目立つところにあったのは『HTC Windows Phone 8S』。 |
ヨーロッパではWindows Phone 8が売れているという情報は聞いていたものの、さすがにWindows Phone 8の発表から時間が経っていることもあり、扱いとしては小さくなっているのでは……と予想していましたが、意外にも店内のおいしいポジションをキープしていました。
↑ハノーバー中央駅のVodafoneショップ。大きなWindows Phone 8のポスターが目立つ。 |
↑Windows Phone 8端末がおいしいポジションをキープ。 |
↑こちらは駅前ショッピングモール内のお店。プリペイドSIMカードのCeBIT来場者向けキャンペーンをやっていた。 |
↑Lumia 920、HTC Windows Phone 8Sなどを販売。Vodafone独自のタイル風POPも。 |
■“Windows Phone 8を扱わない”という選択肢はない
このように家電量販店や各キャリアのショップを数件見て回るだけで、ほとんどのWindows Phone 8端末の実機に触れることができました。
その背景として、ヨーロッパの携帯電話の販売では、端末が中心にあることがあげられます。ユーザーは、気に入った端末を選んでから、対応キャリアの料金プランを見比べて契約するという段取りです。
↑ヨーロッパのあちこちで見かけるPhone House。 |
↑Lumia 820。キャリアはT-Mobile、Vodafone、BASE、O2の4種類から選ぶ。 |
そのため、キャリア側としても“Windows Phone 8を扱わない”という選択肢はあまり意味がありません。少しでも多くの端末に対応することで、契約者を増やすのが合理的と言えます。
一方、日本やアメリカでは、キャリアが独自機能や独自サービスを付加したうえで、キャリアブランドで携帯電話を売ることが主流となっています。このような場合、キャリアならではの機能やサービスを使えるというメリットがある反面、Windows Phone 8を扱うかどうかはキャリアの判断に委ねるしかありません。
もちろん、LTEのカバレッジや独自サービス、サポートなど、日本が先行している面はたくさんあるものの、キャリアや端末を選ぶ権利がユーザーにあるという点では、ヨーロッパがうらやましいとも感じます。
山口健太さんのオフィシャルサイト
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