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MacPeople創刊300号記念企画(第7回)

Performa、Mac互換機、PowerPC G3――90年代中盤のMac史

2013年02月02日 20時30分更新

 MacPeopleは、1月29日発売の3月号(関連サイト:Amazon)で通巻300号を迎えることができました。この300号では通巻300号記念特別号として、創刊号から最新号までの表紙や基調講演、People Watchingのアーカイブ、人気連載の特選集などを収録しています。320ページの特大ページで、そのまま立てられる分厚さです!!

 また、300号に併せてNewsstandでの定期購読タイプの電子配信(関連サイト:App Store)もスタートしています。本文部分をタップすると、テキストのみが拡大表示されるインターフェースを採用していますので、iPadはもちろんiPhoneでもスムーズに読み進められます。試し読みも可能ですので、ぜひダウンロードしてチェックしてください。バックナンバーが気になるという方に向けて、単品販売も可能になっています。

 なおMacPeopleでは、創刊当時から現在までのAppleを振り返る、記念企画を実施中。第6回はこちらです→新しいiPad、iPad mini、Mountain Lion――Appleは次の世代へ

■特集企画で振り返るAppleの歴史

 300号記念特別企画の7回目は、座談会の1回目と同様に創刊号から50号までの特集企画を振り返っていきます。期間としては、'95年10月~'98年4月です。OS Xがマックにプリインストールされたのは、'01年の6月以降なので、特集記事のほとんどは、マック本体や旧Mac OSを取り扱っています。

創刊号「どんどん楽しくなる格安マック購入術」

 '95年10月発売の創刊号は『Performa』の大特集でした。当時のマックの売り上げランキングの上位は、米モトローラ社のCPU(MPU)である『MC68040』やその廉価版でFPU(浮動小数点演算ユニット)がない『MC68LC040』を搭載する機種だった。しかし、PowerPCを搭載するエントリー向けラインである『Performa』シリーズが登場したことで、その後は本格的なPowerPC時代に移行。

 当時の人気は15インチのCRTモニター一体型の『Performa 5200』シリーズ。後期には、ブラックボディーの『Performa 5420』なども登場した。特集のタイトルどおり、安価な新しい機種が数多く登場したことで購入時の選択肢が増え、自分の予算や用途に合うマシンを探し当てるのがマックユーザーの楽しみの1つになった。

MacPeople300号記念企画07
創刊号は『Performa』の大特集。Performa 5210は約24万円だった。

通巻7号「一日でわかるマックのキホン」

 '96年4月発売号の特集は、マックの基礎をきっちり学べる内容。新生活がスタートする4月に合わせて、文章を書くならどのワープロアプリがいいのか、住所録やグラフを作るにはどういったアプリがあるのかなどを解説。当時の各種文書の作成アプリとしては『Microsoft Excel』などがリリースされていたが、統合アプリの『クラリスワークス』が人気だった。

 また、メンテナンスアプリといえば『Norton Utilities』。特に、その中に含まれるハードディスクのデフラグ(断片化解消)アプリ“Speed Disk”が重宝された。当時はハードディスクの容量が数百MBのうえ、読み書き速度も遅かったことから、断片化を解消するだけでマシンの処理速度が目に見えて向上した。

MacPeople300号記念企画07
マックユーザーには定番だった『クラリスワークス』。その後『アップルワークス』に発展した。

通巻12号「最新・漢字トーク7.5.3使いこなし一番乗り」

 '96年10月発売号では、当時の最新Mac OS『漢字Talk 7.5.3』を特集。初代Power Macシリーズに搭載された漢字Talk 7.5.2(System 7.5.2)からのマイナーバージョンアップだが、さまざまな不具合が解消された。ネットワーク環境をOSの再起動なしで切り替え可能な“Open Transport”は画期的だったものの、当初はネットワークの切り替え時に爆弾マークが出るなどの不具合があった。

 ちなみに、Open Transport登場前は“MacTCP”というインターネットに接続できる環境(TCP/IPプロトコルの実装)を用意していたが、サードパーティー製のコンロトールパネルだった“FreePPP”を使ってインターネットにダイアルアップ接続するマックユーザーが多かった。

MacPeople300号記念企画07
『漢字Talk 7.5.3』を特集した'96年10-15号(通巻12号)。

マック互換機の隆盛で低価格マックが普及

通巻14号「どっちがいいの迷ったときのベストチョイス35」

 '96年10月に発売された通巻14号では、選択肢の多かったマック本体、ソフトウェア、ハードウェアから自分に合ったものをチョイスするという内容。当時は、さまざまな特徴を備えたマック互換機が登場しており、新機種を選ぶのもひと苦労だった。

MacPeople300号記念企画07
「どっちがいいの?」という特集で互換機と純正機を比較。「気軽に楽しみたいならピピンだ」という結論に時代を感じる。

通巻29号「2000年、PCはすべてマックになる」

 '97年6月発売号は、Mac OS 8の登場を間近に控えていた時期だが、'96年末に買収した米ネクスト・ソフトウェア社のOSである『OPENSTEP』をベースにした新OS『Rhapsody』の開発計画が発表された。Yellow Boxと呼ばれるモダンOS用のAPIと、Blue Boxと呼ばれる旧Mac OSのAPI/Java VMを扱えた。

 OPENSTEPはウィンドウズマシン(DOS/V)マシン上でも動作していたことから、当時のYellow Boxにはウィンドウズ用の実行環境や開発環境も用意されていた。ただしこの開発計画も頓挫することになる。Rhapsodyはその後、『Mac OS X Server 1.0』として現在のOS X Serverとは別のサーバーOSとしてリリースされた。

MacPeople300号記念企画07
新OSとして『Rhapsody』を紹介した特集。結果として日の目を見なかった。

通巻30号「300メガヘルツ時代のパワーユーザーの条件」

 '97年7月発売号は、マック本体の大特集。低価格のPerforma、ハイエンドのPower Macだけでなく、互換機も数多く登場していた。ユーマックスジャパンのタワー型互換機『UMAX Pulsar』/デスクトップ型の『UMAX Apus』、アキアの『MicroBook Power』、モトローラの『StarMax』、パイオニアの『MPC』シリーズなどが市場を賑わせていた。

 ただし、同年9月に経営のトップに返り咲いたスティーブ・ジョブズによって互換機戦略が見直され、互換機メーカーへのMac OS 8のライセンス供与が中止され、互換機時代は終焉する。

MacPeople300号記念企画07
マック互換機『Apus 2000』(UMAX)の内部構造を紹介した特集。

MacPeople300号記念企画07
WWDC'97の最終日にジョブズ氏が登壇し、1時間にわたって開発者からの質問に答えたことを報じる記事。

『Kaleidoscope』の登場でカスタマイズ天国に!!

通巻42号「カスタマイズが生きがいだ」

 '97年12月発売号は、カスタマイズの特集。マックでは古くから、デスクトップピクチャ(壁紙)や、ファイル/フォルダーのアイコンを自分好みのものに差し替えたりできたが、“Kaleidoscope”の登場によりカスタマイズブームが到来。アイコンやデスクトップピクチャはもちろん、メニューバーやFinderの各種インターフェースまでも好きなようにカスタマイズできた。

MacPeople300号記念企画07
カスタマイズの特集で“一度使うとやめられない”とKaleidoscopeを紹介。

通巻45号「見よ、これがG3マックだ!」

 '98年2月発売号は、PowerPC G3搭載マックの特集。PowerPC G3のG3は、「Generation 3」=第3世代を意味するが、実際のCPU名は『PowerPC 750』だった。主にローエンドのマック(Performaシリーズ)に採用されていたPowerPC 603eの後継で、「バックサイド・キャッシュ」と呼ばれる機構の採用で高速化を図った。

 PowerPC 750は当初、マック互換機メーカー向けに供給されたCPUだったが、アップルがPowerPC G3と名付けてマックの主力CPUとした。また、デスクトップ/ノート(モバイル)用に区分されている現在のCPUとは異なり消費電力(発熱量)が少ないという特徴があり、同じCPUをデスクトップ/ノート型にそのまま搭載できた。

MacPeople300号記念企画07
G3マックの感想をユーザーに聞いてみた特集。「野望がすべて手に入る」という感想も。

MacPeople300号記念企画07
PowerPC G3を搭載した『Power Macintosh G3 DT』。ボディーがベージュ色のままで、外見上のインパクトはなかったが、中身は大きく変わった。

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●関連サイト
マックピープル公式サイト(MacPeople Web)

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