MacPeopleは、本日発売の3月号(関連サイト:Amazon)で通巻300号を迎えることができました。本誌は、スティーブ・ジョブズのアップル復帰前に創刊し、復帰後のiMac、iPod、そしてiPhoneの成功から現在に至るまで、アップル関連の情報をお伝えしてきました。
300号という節目を迎えられたのは、読者のみなさま、メーカー各社のご支援・ご協力のおかげです。今後も400号、500号と息の長い情報誌を目指して、アップル情報を凝縮してお届けしていきます。今後ともよろしくお願いいたします。
さて、本誌3月号は通巻300号記念特別号として、創刊号から最新号までの表紙や基調講演、People Watchingのアーカイブ、人気連載の特選集などを収録しています。320ページの特大ページで、そのまま立てられる分厚さです!!
また、300号に併せてNewsstandでの定期購読タイプの電子配信(関連サイト:App Store)もスタートしています。本文部分をタップすると、テキストのみが拡大表示されるインターフェースを採用していますので、iPadはもちろんiPhoneでもスムーズに読み進められます。試し読みも可能ですので、ぜひダウンロードしてチェックしてください。バックナンバーが気になるという方に向けて、単品販売も可能になっています。
なおMacPeopleでは、創刊当時から現在までのAppleを振り返る、記念企画を実施中。第2回はこちら→初代iMacの衝撃、そしてPowerBookへ――USBと無線LANはアップルが広めた
■いま出たら絶対欲しい!! コンセプトが素晴らしかったG4 Cube
吉田 さて、MacPeople 300号記念企画の3回目は、通巻101~150号について話したいと思います。時期でいうと'00年6月~'02年9月ですね。
伊藤 おぉ、G4 Cube! 結局、商業的には失敗しちゃいましたけど、いいマシンでしたよね。底面にある取っ手を引き抜けば、中身が全部取り出せるという設計はすごい。Macworld Expoでジョブスがドヤ顔で本体を抜き出しときはしびれました(118ページのG4 Cube/119ページの左下のジョブズを見て)。
吉田 やっぱり、この時代はG4 Cubeだよね。このコンセプトはとてもよかったんだけどなぁ。ボディーデザインはもちろんだけど、ファンレスの機構とか素晴らしかった。
Macworld Expo/NY 2000の基調講演で、G4 Cubeの中身を引っこ抜いてみせたジョブズ氏。 |
宮野 モールドラインとかボディーのキズがクローズアップされたてたよね。
吉田 はい、そこ結構突っ込まれてましたね。
伊藤 あと、静電気で突然電源が入るとかというトラブルもあったような。
吉田 はい、ありました。まあでも、このマシンが失敗した最大の理由は、性能と価格のバランスが少し悪かったことだと思います。Power Mac G4よりも性能が少し劣るけど、価格はそれほど安くなかったので販売が振るわなかったんじゃないかと。
伊藤 でも、今の時代でもウケますよね。
吉田 G4 Cubeって、ここからだいぶあとに出てくる初代MacBook Airと同じだと思うんだよね。Airは次のモデルチェンジで、MacBook Proよりも性能は低いけど価格はものすごく安くなった。しかも、Proとは違う使い方を提案していたから大ヒットになったと思う。G4 Cubeの時代はそこまでアップルに余裕がなかったのかなぁ。
『Power Mac G4 Cube』。CD-ROMが上に向かって排出されるのが斬新。 |
宮野 ところで、このマウスはどうだった?(118ページのApple Mouseを見て)
吉田 個人的にはアップルのマウスは、USBになってからはあんまり使ってないですね。
伊藤 iMac付属のマウスは丸いので、使っているうちにマウスの向きがわからなくなりますよね。
吉田 あれは、左右のボンダイブルーとかの色付きのパーツを外せば、使いやすくなるよ。いちおう当時のTips。
宮野 じゃあ、マックユーザーはマウスはどうしてたの?
吉田 いまでもなんですが、だいたいはマイクロソフトやロジクールのホイールマウスを使いますね。編集部でも純正マウスを使っている編集者は少ないです。
スケルトンボディーの『Apple Pro Mouse』。 |
宮野 iCloudの原型となるiToolsもこのころなんだね。
吉田 iTools→.Mac→MobileMe→iCloudと変化しますよね。当時は、@mac.comのアドレスが欲しくて無駄にたくさん取得していた人も多かったみたいです。ちなみにMacPeopleは取得できたんですが、当時の兄弟誌だったMACPOWERは確か先に誰かに取られた記憶があります。
アップルが提供するウェブサービスの『iTools』。 |
伊藤 あ、これは黒歴史の例のiMacですか。(120ページを見て)。
吉田 個人的には花柄大好きだからFlower Powerはいま見ると欲しい! と思うんだけど、当時はあまりの奇抜さにびっくりしたね。でもスペックとかはよかったんだよね。このマシンもG4 Cubeと一緒で短命に終わってしまったけど、後期のモノトーン路線のマックに比べると当時は信じられないぐらいカラフル路線だった。
伊藤 Blue Dalmatianとか、実際にはあんまり見かけなかったですね。マック系の編集部以外では。
吉田 当時は、Flower PowerやBlue Dalmetianを使っていると、とても仕事しているようには見えなかったな(笑)。
2001.4.1号(Vol.117)にてBlue Dalmatianをはじめとした花柄マックを特集。 |
Macworld Expo/Tokyo 2001にて花柄マックをアピールするジョブズ氏。ネクタイ姿の貴重なカットだ。 |
伊藤 この頃のPowerBookといえばチタンですよね。珍しい素材使うなぁと。
宮野 当時のウィンドウズノートはマグネシウムが多かったからね。
伊藤 個人的には、当時のPowerBook G4からユニボディーではない初期のMacBook Proまでに採用された光学式ドライブの位置が、いまでもベストだと思いますね。パームレストの下にあって、手前からメディアを入れられるのが使いやすかった。
宮野 左右にあると、そのぶん設置スペースを考慮しないといけないからね。
吉田 手前がベストなんですけど、パームレスト側から押す力で光学式ドライブのスペースが圧迫されて異音がすることもあったので、側面にしたんじゃないですかね。デザイン的に、正面から見ると何もないように見せたいという意図もあったと思いますけど。あと、この時代だとiBook G3ですよね。
チタンボディーの『PowerBook G4』。チタンはありふれた金属ながら加工が難しいため工業用途で用いられることは少ない。 |
宮野 このころからモノトーン路線に移行したよね。
吉田 当時は私はデスクだったのですが、編集長がPowerBook担当で私がiBook担当みたいなことになってましたね。最新機種が出たら、お互い半年~1年周期で買い換えてました。
宮野 そのあとこの団子型のiMac G4か。これもよかったよね。ウィンドウズマシンではなかなかない発想だし。
吉田 このモデルはいまでも高く評価している人が多いですね。指先で液晶の位置を自在に変えられたのが画期的でした。設置スペースもあまり取らなかったし。丸いロジックボードは衝撃でしたけど。
伊藤 15インチや17インチの液晶を載せてる時代でしたから、これでよかったんですよね。いまの27インチとかはさすがにこのデザインだと本体側を相当重くしないといけないし、そもそもバランスとれなさそうですもんね。
吉田 iMac G4は最終的には20インチモデルも登場したけど、使っているうちにアーム部分のバネとかバカになっちゃって微妙な位置決めができなかった。位置決めしても少しするとちょっと下がってるんだよね。そのときに、あぁ、このデザインはもう限界かなと。
団子型とも大福餅とも呼ばれた『iMac G4』。17インチモデルの解像度は標準で1440×900ピクセルだった。 |
宮野 iPodもこのころか。
吉田 ここで第2黄金期に入りますよね。初代iPodはマックオンリーだったのでそれほどメジャーにはならなかったですが、ウィンドウズに対応して一気に市場を占拠しましたね。
伊藤 iPodって初代モデルからいろいろ細部変わりましたよね。初代の動くホイールが使いやすかったんですけど。
マックのみに対応していた『初代iPod』。インターフェースは押しボタン部を備えたタッチホイールだ。 |
宮野 eMacってこんなのあったっけ?
吉田 iMac G4が出たあとは、アップルはこれからは液晶!! といってたのですが、安価なマシンが教育関係から切望されたみたいでeMacをリリースしましたね。これはiMac G5が出るまで販売されました。
初代iMacによく似たフォルムの『eMac』。コンボドライブモデルは10万円を切る9万4800円だった。 |
伊藤 あとは、Palmですか。この頃のマックでPIMといえばPalmでしたよね。CLIEとか懐かしいなぁ。(126ページを見て)
吉田 Newtonなき後、Palmを使い倒していた人ってマックユーザーに多かったです。専門誌とか出してましたし、熱かったですね。ということで、第3回の座談会はこれで終了です。次回はいよいよ、OS X時代に本格的に突入しますので、伊藤副編集長の出番ですよ!!
パームコンピューティングが'02年4月に発売した『m130』(右)と、ソニーが開発・販売していたパームOS機の『CLIE』。 |
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●関連サイト
マックピープル公式サイト(MacPeople Web)
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