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MacPeople創刊300号記念企画(第6回)

新しいiPad、iPad mini、Mountain Lion――Appleは次の世代へ

2013年02月01日 16時30分更新

 MacPeopleは、1月29日発売の3月号(関連サイト:Amazon)で通巻300号を迎えることができました。この300号では通巻300号記念特別号として、創刊号から最新号までの表紙や基調講演、People Watchingのアーカイブ、人気連載の特選集などを収録しています。320ページの特大ページで、そのまま立てられる分厚さです!!

 また、300号に併せてNewsstandでの定期購読タイプの電子配信(関連サイト:App Store)もスタートしています。本文部分をタップすると、テキストのみが拡大表示されるインターフェースを採用していますので、iPadはもちろんiPhoneでもスムーズに読み進められます。試し読みも可能ですので、ぜひダウンロードしてチェックしてください。バックナンバーが気になるという方に向けて、単品販売も可能になっています。

 なおMacPeopleでは、創刊当時から現在までのAppleを振り返る、記念企画を実施中。第5回はこちらです→インテルマック、iPhone上陸――PCメーカーから脱却するApple


■iPadはイノベーションの塊

吉田 週アスPLUS上でのMacPeople 通巻300号記念企画はまだ続きますが、関係者を交えての座談会は、6回目となる今回が最後になります。通巻251号~300号、期間でいうと'09年11月~'13年1月について、引き続き倉西編集人と熱く語りたいと思います。まずは、なんといっても'10年2月に発売されたiPadですね。

倉西 俺さ、いまiPad Retinaディスプレイモデル(第4世代iPad)とiPad mini、Nexus7を使ってるんだけど、iPadは初代から全機種使ってるな。会議などで持ち込む機材はだいたいiPadだね。社内では、マイクロソフトのBluetoothキーボード(Microsoft Wedge Mobile Keyboard)と一緒に持ち歩いている。

吉田 初代から全部ですか!? というか第3世代(新しいiPad)から第4世代に買い換える、強い動機ってありますっけ?

倉西 やはり君はなにもわかっていないね。初代ではそのコンセプトに感激して、第2世代(iPad 2)で薄く軽くなって、第3世代でRetinaになって、第4世代でLightningコネクターになってApple A6Xプロセッサーを搭載した。買い換える理由、思い切りあるだろ。

吉田 そーですかね。

MacPeople300号記念座談会06
iPadを手にするジョブズ氏を表紙に据えた、'10年4月号。

倉西 前回の座談会ではiPhoneは革命的だと言ってたけど、俺iPadに比べるとiPhoneはたいしたことないと思ってるんだ。ホントに革命的なのはiPadだと。

吉田 iPhoneは、当時小さかった市場で、携帯電話(スマートフォン)を再定義してシェアを伸ばしましたが、iPadは再定義ではなくて市場作りましたもんね。革命的といえば、iPadのほうが上ですね。

倉西 俺、'10年1月の初代iPad、'11年3月のiPad 2、'12年3月の新しいiPad、'12年10月のiPad miniとiPad Retinaディスプレイモデル、この4つの基調講演は暇さえあれば何回も見てるんだ。それぐらい素晴らしい(このあと、スティーブ・ジョブズやティム・クックが発言した内容を、数分間、倉西編集人が即興で再現。各基調講演は、iTunes Storeの「Podcast」で無償公開されている)。

MacPeople300号記念座談会06
'11年3月にはApple Special Event 2011にてジョブズ氏がiPad 2を披露した。
MacPeople300号記念座談会06
iPad 2。初代からのおもな進化点はCPUがA4からA5になったことと、前背面にカメラを搭載したことだった。

吉田 '12年後半になってNexus7やKindle Fire HDが出てきたことで、Androidタブレット市場もようやく盛り上がりましたが、ティム・クックCEOが'12年9月のiPhone5の発表会のときに「ほかのタブレットは、一体なにをしているんだ」と言ってたのが印象的です。普通、そんな上から目線で言われるとカチンとくるもんですが、初代iPadの登場からたった2年半で累計1億台を突破してますからね。iPodの5年半よりもさらに短いというのは驚愕です。

倉西 国内ではまだiPadがiPhoneほどの人気を得られてないけど、そんなの時間の問題かもね。

吉田 たしかに初代iPadは、なにに使っていいのかわからない人でも購入してましたが、「iPadがあれば何かできそう」という感覚がありました。iPad 2から法人への導入も盛んになってますから。

倉西 だから君も俺に書類を送るときは、PDFにしてね。どうしてもExcelファイル送りたいときはxlsで。xlsxは禁止。基本的にiPadでの閲覧を考えているからね。

吉田 2月5日からは容量128GBのiPadも出ますから、これまでクラウド連携が基本だったのが、今後はiPadにファイルをため込んで閲覧というのもかなり現実的ですよね。

MacPeople300号記念座談会06
'12年10月に登場したiPad mini。同時に第4世代iPadもリリースされた。

倉西 話は変わるけど、確かiOSは4.0からiOSだよね、その前はiPhone OSだったか。

吉田 iPhone OSのさらにその前は、OS X iPhoneでしたね。

倉西 3.0で待望のコピー/カット&ペースト機能が搭載されて、そのあとは順当進化してるよね。そうそう思い出した、2.0とか3.0とかのアップグレードのときは、iPod touchだけ有料だったじゃん。あれは困った。アップデートできなくて。

吉田 なにがありました?

倉西 当時、iOSアプリはクレジットカードじゃなくて、iTunes Card(プリペイドカード)で決済してたんだよ。でもiOSのアップグレードにはiTunes Cardが使えなかったんだ。最終的にはクレジットカードで決済したんだけど、ちょっとひと悶着あってさ(笑)。

吉田 そこはあんまり突っ込みませんが、2.0や3.0へのアップグレードは1200円でしたよね。でも、4.0からタダになりました。アップルにしてみれば、ユーザーにはできるだけ最新バージョンを使ってもらって、セキュリティーやアプリの互換性の向上を図る狙いで無償化したんでしょうね。

倉西 だな。アプリ開発者に話を聞くと、複数バージョンでの動作チェックは手間だし、キチンとやろうとすると旧バージョンで動いている端末も確保しなきゃいけないんで大変みたいよ。

吉田 この調子でいくと、なんだかOS Xも近い将来、無償アップグレートとかやりそうですよね。

MacPeople300号記念座談会06
初めて『iOS』の名称になったiOS 4は、'10年6月のWWDC 2010で発表された。

倉西 ところで、MacBook AirにCore iが載ったのはいつだっけ?

吉田 '11年7月ですね、Lionと一緒にリリースされました。私はこのマシンを即買いしましたね。もちろん、大正解でしたけど。

倉西 前の座談会でも言ったけど、俺が購入したAirはこの前のCore 2 Duoモデルで、Lionにアップグレードするとすこし動作がもっさりしたなぁ。

吉田 '11年7月のモデルは、Core i5シリーズのCPUとThunderboltポートを搭載したことで、メインマシンとしても使えましたね。'12年モデルではUSBも3.0になってるのでさらに死角がない完成度の高いマシンだと思います。

MacPeople300号記念座談会06
CPUにCore i5を採用したMacBook Air。'11年7月発売で、現在もメインマシンに使っている人は多い。

■円熟期を迎えたOS X、iOS

倉西 ところで、Snow Leopard以降のOS Xって、これだ!! と思う機能は思いあたらないね。

吉田 Mountain Lionの通知センターはすごいと思ったんですが、わざわざ右側から呼び出すかと言われたら、あんまりやらないですよね。警告ダイアログやバナーの表示は助かってますが。

倉西 仕事柄、メールやTwitter、Facebookなどの通知がものすごく多いから、通知センターを開いたところでどれが重要がわかりにくい、というのもあるけどね。

吉田 私の場合、OS Xについてずっと言い続けている不満があります。編集部では、30インチのCinema HD Displayを使ってまして、自宅では21.5インチなんですよ。ちなみに、自宅マシンは近々最新の27インチに置き換わる予定です。こういう環境だと、通知センターやLaunchpad、Mission Control、Exposeすら恩恵をあまり感じられないんです。

倉西 そりゃそうだろうな。

吉田 Magic Trackpadの操作に慣れたら、また違う世界が開けるかもしれないですが、やはり据え置きで使うときはマウスのお世話になりますからね。トラックパッドだと、画面の端から端へ移動するのにもひと苦労なんですよね。最近のOS Xはノートマシンに最適化されすぎているのが気になります。では、そろそろ座談会は終了の方向で……。

MacPeople300号記念座談会06
'12年9月号では、現行の最新OS、Montain Lionを第1特集で紹介。

倉西 ちょっと待って!! 最後はやっぱ総括しようぜ。これまでのアップルの歴史の中でいちばん楽しかったのはいつ頃?

吉田 興味が尽きなかったのは、ジョブズ復帰前の漢字Talk時代ですね。もともとソフトウェア技術に興味がありまして、QuickDraw GXとかOpen Docとか、Open Transportとかにしびれました。時期尚早でしたが、漢字Talk 7.5.x時代のPowerTalkも面白かったですね。

倉西 俺もジョブズ復帰前というのは一緒だけど、Newton。あれは凄かった。どうしても欲しくて、休日にわざわざアキバに立ち寄って中古のMessage Padを購入したなぁ。相方には呆れられたけど。

吉田 Newtonは、'93~'98年に販売されていて、互換機と同様にジョブズの復帰後に取りやめになりましたよね。どこに興味を惹かれたんですか?

倉西 さっき革新的といったiPadと同じように凄いと思ったよ。日本語対応の正式OSは出なかったけど、手書き認識システムには驚嘆したよ。Palmが、「Graffiti」という手書き入力システムを開発したけど、こっちはルールに則った記述が必要だったから、技術的にはNewton OSのほうが素晴らしかった。

吉田 当時、私はまだ学生だったのでさすがに買えなかったのですが、確かにいまでもNewtonは語り継がれてますね。

倉西 当時、俺はニフティのNewtonフォーラムで活動していて、いつだったかもう忘れちゃったけど、Macworld Expo/Tokyoでブースにいたこともあるよ。確か、最初のフォーラムの名簿を作ろうというときに俺が担当になった記憶がある。

吉田 エヌフォーがNewton OSを独自に日本語化したのには頭が下がりました。「泳げる頃にはNewtonの日本語版がみられるでしょう。」といわれて、結局アップルからは出てこなかったですからね。

倉西 いまではすっかりiPadユーザーだけど、あのときのNewtonの衝撃はいまでも忘れられないね。

吉田 最後は、MacPeopleの創刊前までさかのぼってしまいましたが、300号記念企画の座談会は今回で終了です。次回以降は、創刊から最新号までの特集企画や、人気連載について振り返っていきます。

MacPeople300号記念座談会06
2011年10月5日、巨星墜つ。弊社が発行した追悼号の表紙はiPhone 4を手にするジョブズ氏の姿だった。

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●関連サイト
マックピープル公式サイト(MacPeople Web)

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