↑CES2013のインテルプレスカンファレンス会場。満員です。 |
2013年1月7日、International CES 2013開幕前日にインテルがプレスカンファレンスを開催し、第4世代Coreプロセッサーや最新Atomプラットフォームについての最新情報を発表しました。
●インテル製スマートフォンを新興市場に投入
インテルといえばPC用プロセッサーのイメージが強いですが、最近ではスマートフォン向けにAtomプロセッサーを供給しており、搭載端末も徐々に増えつつあります。
↑Atomプロセッサーを搭載したAndroidスマートフォン。 |
最初に壇上にあらわれたのは、インテルのモバイルコミュニケーション部門のバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるマイク・ベル氏。まずはインテルのスマートフォン向けAtomプロセッサーを搭載した『Droid RAZR i』が、性能面においてiPhone 5を含む最新スマートフォンを凌駕していることをアピールしました。
↑インテルのマイク・ベル氏。手に持っているのは新興市場向けのインテル製スマートフォン。 |
↑Snapdragon S4やTegra 3、さらにはiPhone 5をも上回る性能をアピール。 |
昨今、スマートフォンは先進国だけではなく、新興国でも急速に普及が始まっています。そこで、インテルは新興市場をターゲットとした新しいAtomプロセッサー『Atom Z2420』(コードネーム:Lexington)を開発。今後、新興市場に低価格スマートフォンを続々投入していきます。
↑新興市場向けのAtomプロセッサー『Atom Z2420』。 |
主に低価格端末を想定したと思われるAtom Z2420ですが、機能や性能の面で妥協したわけではないとインテルは主張します。ハイパースレッディング技術に対応、最大1.2GHzで駆動し、1080p・30fpsでの動画録画や、1.3メガピクセル+5メガピクセルのデュアルカメラによる毎秒7枚の連写、GPU『SGX540』により多くのゲームが快適に動作するとのこと。新興市場で人気の高い、デュアルSIMにも対応します。
↑低価格端末向けでも機能や性能面で妥協していない。 |
AcerやLava、SafaricomがAtom Z2420を採用したスマートフォンを開発。新興市場向けに投入されます。
↑Atom Z2420搭載スマートフォン。 |
さらに今後のロードマップについても簡単に紹介されました。現行のスマートフォン向けAtomプロセッサ『Atom Z2480』の後継として、性能が2倍に向上したAtom Z2580(コードネーム:Clover Trail+)が登場予定。詳細はまだ不明ですが、今年後半に明らかになるそうです。
↑ハイエンド向けとしてはAtom Z2580(Clover Trail+)が今年後半に登場予定。 |
●タブレット向けには『Bay Trail』
次に、タブレットについての話題に移ります。Windows8の発売以降、最新のAtomプロセッサー『Atom Z2760』(コードネーム:Clover Trail)を搭載したタブレットが続々と登場しています。
↑Clover Trail採用タブレットが続々登場。富士通の『ARROWS Tab Wi-Fi QH55/J』も。 |
Clover Trailの後継プロセッサーは、22nmプロセスで製造されるコードネーム『Bay Trail』が計画されています。クアッドコアで、パフォーマンスは現行製品の2倍に向上。2013年のホリデーシーズン(年末)に登場予定となっています。
↑タブレット向け次期Atomプロセッサー『Bay Trail』は2013年の年末。 |
●Ultrabook向けに低消費電力のIvy Bridgeが追加
ここでPCクライアント部門のバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるカーク・スカーゲン氏が登場。話題はUltrabookに移ります。
↑インテルのカーク・スカーゲン氏。 |
まずは、現在の最新Ultrabookが採用していることでおなじみの、第3世代Coreプロセッサー(コードネーム:Ivy Bridge)の話から。さらに低消費電力のモデルが追加されます。2012年秋のIDF時点では「10W以下」と説明されていましたが、7Wになるそうです(追加モデルはこちらの記事)。
↑現行のIvy Bridgeにさらに低消費電力のモデルが追加。 |
この7W版の第3世代Coreプロセッサーを搭載するUltrabookとして、AcerのAspireシリーズのUltrabookと、LenovoがCES Unveiledに出展したIdeaPad Yoga 11Sが紹介されます。
↑7WのCoreプロセッサーを搭載したAcerのUltrabook。今春発売予定。 |
↑同じく7WのCoreプロセッサーを搭載したLenovoのIdeaPad Yoga 11S。6月発売予定。 |
次にスカーゲン氏は、NECが2012年末に発表した15インチクラスで世界最薄のUltrabook『LaVie X』を紹介。厚さはわずか12.8ミリという数字に、会場からはどよめきが。ちなみにLaVie Xはカンファレンス終了後の撮影コーナーでも大人気でした。
↑15インチクラス世界最薄のUltrabookとして日本で注目を集めたLaVie Xが披露された。 |
そしていよいよ、次世代Ultrabookが搭載する、第4世代Coreプロセッサー(コードネーム:Haswell)の話です。Haswell世代のUltrabookでは、タッチ操作とワイヤレスディスプレイ(WiDi)が必須要件になります。さらにバッテリーライフは大幅に向上し、1日中(All day)の使用が可能に。これによりACアダプターを持ち歩くことが不要になるそうです。Haswellによるバッテリーライフの伸び幅は、歴代インテルプロセッサーの中でも最大のものになるとか。
↑Haswell世代のUltrabookの特徴。タッチが必須になり、バッテリー駆動時間が大幅に伸びる。 |
Haswell世代のUltrabookのデモも行なわれました。どこのメーカー製というわけではなく、インテルが開発したプロトタイプのUltrabookです。タブレットとキーボードが分離するセパレート型にもかかわらず、17ミリの薄さ。そして13時間のバッテリー駆動が可能とのこと。
↑インテルによるHaswell世代Ultrabookのプロトタイプ。 |
注目すべきはディスプレーのベゼルが可変サイズであることです。上の写真のように、ノートPC状態ではディスプレーいっぱいに画面が表示されています。一方、下の写真のように、タブレットとして使うときには黒い画面枠が表示されます。これによりWindows8の“チャーム”など、タブレットのタッチ操作にも対応できるようになるわけです。2つの画面の切り替えはボタンひとつで可能となっています。
↑キーボードと切り離してタブレットにした状態。黒い画面枠がタッチ操作用に太くなっている点に注目。 |
2013年の年末商戦期にはHaswell世代のUltrabookが登場。7~8万円で購入できるようになるとのことです。
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