Googleは“YouTube新サービスに関する記者説明会”を11月27日に開催した。テレビ局や芸能プロダクションなど13のコンテンツパートナーを集め、YouTubeに独自の番組を配信するオリジナルチャンネルを開設すると発表した。今までもあったようなテレビで放送した番組の一部や宣伝動画ではなく、プロの映像製作がYouTubeでしか観られない“オリジナル動画”を作成し配信する。
13のパートナーにより17の公式チャンネルが設けられる。動画は不定期更新のものと、テレビの番組表のように毎週、毎日決まった時間帯に公開されるものがある。すでにTBSとフジテレビ、ビコムはチャンネルを開設しており、ほかも11月末より順次チャンネルを開設する。
TBS『女子アナの罰』(関連サイト)
↑ふだん観られない女子アナの素顔を紹介する放送中のテレビ番組と連動した企画。テレビでは放送しなかったオリジナルコンテンツを配信する。すでに4週間で200万再生を超えた。
フジテレビ『COOLTV』(関連サイト)
↑月曜から金曜まで23時台で放送中の番組と連動し、各番組のオリジナル動画を毎日配信する5チャンネルを解説。月曜日の『ヌメロン』のチャンネルでは、番組中のゲームのルールを説明する解説動画を作成。
ビコム『鉄道動画専門チャンネルビコムステーション』(関連サイト)
↑全国各地の列車ニュースや走行シーンなどを配信。発表会にはビコムキャラクターのけん太くんもいっしょに登場。けん太くんは列車を紹介するキッズシリーズを担当する。
2013年2月上旬には、クリプトン・フューチャー・メディアが初音ミクのクリエーターとファンをつなぐチャンネルを解説。世界各国の創作ムーブメントを日本へ、日本の文化を世界へと発信する。
そのほかにも8社がオリジナルの番組をYouTubeで配信する。
ASOBISYSTEM『HARAJUKU KAWAii!! TV』
コミックス・ウェーブ・フィルム『アニメバンチョー』
サンミュージックプロダクション『【OHW Plus】SunMusic COMEDY&ENTERTAINMENT』
テレビ朝日『未定』
ニフティ『エクストリームチャンネル』
VICE Media Japan『vice.com日本版』
ホリプロ『Den of Horror ~ホラーの巣窟~』
電通『日本のメジャーコンテンツを予定』
発表会に登壇したYouTubeプロダクトアジア太平洋統括のアダム・スミス本部長は、「我々はいまマルチスクリーンの世界に生きている。テレビを観ていながら、スマホを使う、タブレットで情報を探す。映画を観るにしても、通勤で最初を観て、会社で続きを観て、就寝前に最後をタブレットで観ることもあるかもしれない。自分の所有しているどのデバイスでも動画を楽しみたい」と、現在の動画コンテンツの楽しみ方の変化を語った。
そのうえで「YouTubeを個々の動画を観る場所からチャンネルを観る場所に変える取り組みを積極的に行なった。チャンネルがYouTubeの体験の中心になるようにした」と、昨年チャンネルを中心にリニューアルしたYouTubについて説明した。YouTubeは個々のクリエーターに対してもチャンネルを中心にしたインターフェースに生まれ変わっているが、今回のチャンネルは映像製作のプロによるサービスの拡充になるだろう。
グーグルのYouTubeパートナーシップ日本代表である水野有平執行役員は、ユーザーが動画を視聴し、広告収入の一部をコンテンツホルダーが得る従来のYouTubeのビジネスモデルを説明した。ただ今回のチャンネルに対しての報酬は今までとは異なり、将来上げるであろう収益を先にグーグルが支払うシステムとのこと。
発表会には右からTBSの加藤シルビアアナウンサー、サンミュージックのダイアモンド・ユカイ、フジテレビの宮澤智アナウンサーが出席。それぞれ番組のアピールと、ふだん視聴している動画について語った。3人ともアーティストの音楽PVなどを楽しんでいるという。
全日本全日本スイーツ研究会の部長を務めるダイアモンド☆ユカイは、全国のゆるきゃらとともにおすすめのスイーツを食べ審査する番組を配信するとのこと。
また各コンテンツホルダーの代表も集まった。
■関連サイト
YouTube がテレビ局、芸能プロ、映像・ソフト会社らによる「オリジナル動画」を独占配信開始(YouTube日本版公式ブログ)
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