GALAXY S IIIやOptimus Vuなど海外でも話題のスマートフォンがいち早く国内投入される韓国。でも街なかのショップで最新のスマートフォンを見かけても、単体で買うことはできません。
韓国の携帯電話市場は日本と類似した“キャリア販売”。なのでスマートフォンの購入には基本的に契約が必要なのです。ところが最近になってその事情が少し変わってきました。
韓国シェアNo.1キャリア“SKテレコム” |
韓国の携帯電話は現在、SIMロックフリーで販売されています。そのため韓国でスマートフォンを入手できれば、自分の好きなSIMカードを装着して海外で使うことができるのです。
韓国のキャリア3社中、SKテレコムとKTがW-CDMA2100MHzで3Gサービスを展開中。この2社の販売するスマートフォンなら海外で使うことができます。
ソウルのヨンサンに古くからある電脳ビル |
ソウルで携帯電話を見るならばITモールやらキャリアのお店、というのが常識でしたが、最近になって中古や新古のスマートフォンを扱うお店がいろいろなところにできているようです。
たとえばソウルの電脳関連ビルが集まるヨンサン。ここでスマートフォンを売るショップが増えているとのこと。
日曜のお昼すぎに入ってみました |
キャリアの代理店? 携帯を扱うお店も |
ヨンサンと言えばPC関係の怪しい製品が集まる秋葉系なところ、というのもいまとなっては昔の話。電脳ビルのなかにはたしかに自作PCやパーツを扱うお店が多いのですが、過去の熱気が感じられるほどではありません。
訪問したのは日曜の午後。地下鉄ヨンサン駅から長い連絡通路を渡ってビルのなかに入ってみると、人の数はまばら。また携帯電話を扱っている代理店らしきお店が以前より増えている印象です。
近寄ってみると“USED PHONE”、中古屋だ! |
ほかにもあるぞ! “iPhone USED”の案内も |
そのお店に近寄ってみると、あれ、ショーケースに並んでいるのはモックではなくメーカーもキャリアもばらばらなスマートフォンです。ショーケースの前をよく見るとハングルに混じって英語で“USED PHONE”とあります。ヨンサンの電脳ビルでこんなに大々的に中古携帯なんて売ってたっけ?
ビル内をよく見れば、外国人の姿が意外と目立ちます。その外国人が殺到しているお店のほうへ行ってみると、そこにも“USED PHONE”の表示が! しかも置いてあるのはiPhoneやGALAXYなどスマートフォンばかり。“USED GSM”とありますが、これは東南アジアなどからのお客さん向けに「GSMも対応しているよ」ってアピールしている意味で、売っているのは韓国のW-CDMA対応スマートフォンです。
やはり人気が高いのはiPhone |
タブレットは7インチも売れ筋 |
どのお店もやはりiPhoneの中古が大人気。しかもiPhone 3GSもまだ売られています。マイクロSIMカードではなく通常SIMカードのiPhone 3GSのほうが使い勝手がよく、また値段が安いってことでやはり東南アジアのお客さんがよく買っていくそうです。またタブレットはiPadも人気がありますが、7インチクラスのGALAXY Tabも結構出ているようです。
サムスン電子、LG、パンテックなどの新品同様品も |
さて並んでいるのは中古だけではありません。スマートフォンの値段を聞いてみると“新品同様”や“新古品”もあるよ、とのこと。どうやらキャリアの代理店が、店頭展示用にキャリアから入手した製品を販売しているようなのです。ちょっと前のモデルが意外と安い価格で売られていました。
いくつかのお店で店員さんと話をしてみたところ、相次ぐ新製品ラッシュにスマートフォンを買い換える韓国人が多く、そのため中古品も豊富に出回るようになってきたそうです。またSIMロックがないことから海外で使うために購入する外国人も増えているとのこと。最新モデルも値段は高いものの、新古品を販売する店もあるそうです。
カンビョンのテクノマートへ行ってみた |
中古や新古を売っているお店が増えています |
以前は携帯電話を売っていなかったヨンサンの電脳ビルがこんな状況ならば、ほかはどうなんでしょう? ということでソウル東部のカンビョンにあるITモール、テクノマートの6F携帯フロアに行ってみました。
ここも日曜日は外国人客の姿が以前より多いように思います。お店を回ってみると、やはり中古を売っているお店が増えています。また新品同様品を箱入りで並べているお店もちらほらとあります。
なお韓国キャリアはブランド名でサービスを展開しています。SKテレコムの端末には“T”のロゴが、KTの端末には“olleh”のロゴが入っています。この2社の製品は購入しても海外で利用可能です。一方CDMAキャリアであるLG U+の端末には“U+”のロゴが入っていますが、こちらはW-CDMA/GSM非対応なので注意しましょう。
新品同様スマートフォンを2台購入しちゃった |
以前ならスマートフォンはおろか、新品同様の端末を買うのはかなり難しかった韓国ですが、状況は大きく変わってきているようです。筆者もついつい2台の新品同様品を買ってしまいました。なにせどちらも日本円にして3万円以下。韓国のみですがLTE対応ってことで価格的には悪くありません。
NFCコントロールできるOptimus LTE Tag |
1台はLGエレクトロニクスのOptimus LTE Tag。ミッドレンジ端末ですが、NFCに対応しておりLG純正のNFCタグ“LG Tag+”で端末のコントロールも可能。日本で発売のOptimus itとスペックは類似しています。
VEGA LTEはモーションコントロール可能 |
もう1台はSKY(パンテック)のVEGA LTE。こちらはコストパフォーマンスのよさから韓国でヒットした製品。4.5インチの大型ディスプレーも魅力です。またモーションコントロールに対応していて、画面の上で手を動かすだけで各種操作が可能です。
だいぶ前に購入したHTC Desire HDの中古 |
韓国の中古端末は、以前は使い込んだボロボロの製品が多くて美品を探すのも一苦労でした。筆者も某ショップでHTC Desire HDを見つけましたが傷だらけで買うのをかなりためらったものです。でも最近はスマートフォンにカバーをかぶせて使う人が増えたこともあって、傷の少ない中古端末も増えています。
そして今回購入したような、新品同様の新古品が箱付きフルセットで入手できる店も増えてきました。韓国は日本同様、ハイエンドスマートフォンがメインなのでスペックの高い製品が入手できるのもうれしいところ。この夏ソウル旅行へ行く予定のある人は、スマートフォンの中古、新古品屋めぐりをしてみてはいかがでしょうか?
山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局
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