サンフランシスコで開催されている“Google I/O 2012”は、2日目の基調講演を行なった。この日の講演でフォーカスされたのは『Chrome』と『Google ドライブ』、『Google Docs』などだ。
昨日の“Android 4.1(Jelly Bean)”の発表とともにAndroid版『Chrome』は正式版となり、Android 4.0以降で利用できる。Android 4.1ではChromeがデフォルトブラウザーだ。
↑初日に続いて基調講演の進行役を務めたVic Gundotra上級副社長。
↑Chromeブラウザーの成長の歴史。現在は3億1000万人のアクティブユーザーを抱え、1日600億の単語が入力されるという。
スマートフォンやタブレットに『Chrome』ブラウザーを搭載するメリットはタブブラウジングの導入をはじめ、PC、Mac、Linuxといったプラットフォームで利用するChromeブラウザーと、タブや参照履歴などを同期できる点にある。
先日アップルはWWDCで、Mac版のSafariとiOS 6のモバイル版Safariの間で、同じように同期ができるようになることを発表した。Googleはそれに先んじて、Android版にその機能を搭載して昨日正式リリースしたばかりだ。
そして2日目には、ChromeブラウザーのiOS対応版を発表。すでにApp Storeで無料ダウンロードできる。
↑iPhoneとiPadを使ったiOS版Chromeブラウザーのデモ。
↑同期機能を使って同じGoogleアカウントを利用するデバイス間で開いているタブを同期したり、参照履歴、検索履歴を同期することができる。アカウントやパスワードの保存、同期にも対応。
デモンストレーションでは、iOSへの対応をアナウンスしたあと、まずiPhoneを使ってスマートフォンサイズを紹介。そして当然のようにiPadを使ったデモへと進んだ。iOS版が登場したことで、Chromeブラウザーによる同期はPC、Mac、Linux、Chrome OSをはじめAndroid、iOSにまたがって対応する。Androidスマートフォンで見ていたサイトをタブの同期でiPadで見たり、PCでの参照履歴や検索履歴をiPhoneに同期して再び開いたりすることができるようになる。もちろんAndroidとiOS間での同期も可能になるので、スマホ複数台持ちのユーザーにとっても朗報だ。
↑さまざまなデバイスで表示するディスプレーのサイズを問わず、Chromeブラウザーが利用できる。
↑Chrome&Apps担当の上級副社長、Sundar Pichai氏。
↑Googel Appsは全米50州のうちの45州、トップ100の大学中66校、500万企業で導入されている。
さらに、およそ10週間前にローンチしたGoogle ドライブもiOSに対応する。当初はWindows、Mac OS XそしてAndroid向けにクライアントアプリケーションを提供してスタートしたが、この日の基調講演でiOS、Chrome OS用のクライアントアプリが発表された。こちらも、すでにApp Storeからダウンロード可能だ。
↑Google ドライブがローンチから10週間でiOSとChromeにも対応。クライアントアプリの提供が始まっている。
『Google ドライブ』のデモではクラウド上にあるドキュメントの検索機能が披露され、PDF書類として保存した画像ファイルの中から任意の文字列を探し出したり、Pyramidのキーワードでピラミッドの前で撮影した写真を見つけ出したりしてみせた。前者は書類をOCR処理してテキストを検索、後者は画像検索でピラミッド形状のオブジェクトが写った写真を見つけているものと推測される。
↑iPadを使ったGoogle ドライブ内での検索機能のデモ。PDF書類として保存してあるデータのなかからOCR処理して任意の文字列を含む書類をみつける。
↑画像も検索に使ったキーワードを元に画像一致検索を行なって目的の写真をみつける。これはPyramidをキーワードに探し出して見せた例。
↑『Google Docs』はオフラインでの編集、保存にも対応した。再びオンラインになった時点で編集結果が協調作業先にも反映される。最初は文書から対応し、今後、表計算、プレゼンテーション書類へも対応を進めていく。
↑『Chrome Book』、『Chrome Box』は米国の家電量販店BEST BUYでの取り扱いがはじまる。
↑こうしたクラウドアプリケーション、クラウドエンジンの基盤をつかって、“Google Compute Engine”の提供も始まる。これは仮想CPUを大規模演算に利用していくもの。
↑Chrome Appsの紹介では、シルク・ド・ソレイユのアプリケーションが登場した。
↑講演の最後には、初日に続いてセルゲイ・ブリン氏が登場。昨日デモンストレーションした『Project Glass』の舞台裏を見せるという趣向で、再びスカイダイバーによる飛行船から会場への降下が行なわれている。
↑初日に続いて、Google I/Oの参加者には開発用機材としてChrome Boxが提供される。
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