ヨーロッパはプリペイドSIMカードやプリペイド携帯が比較的容易に入手しやいモバイラー天国。現地でスマートフォンを買ってデータ定額で活用、なんてことも手軽にできちゃいます。
今回はフランスの首都、パリに渡り、現地のモバイル事情を見てきました。
まずはしっかり観光だ |
パリの旅行ガイドブックを読んでみると、市内には観光地やショップやレストランが山のように存在することがわかります。日本人の観光先としてもパリの人気はトップクラス。
でもガイドブックを見てもSIMカードやスマートフォンのことは全然書かれていないんですよね。だったらこの目で見て確かめてくるしかないじゃないですか。
ヨーロッパのITチェーン店“fnac” |
フランスにも通信キャリアが複数あり、各社がもちろんスマートフォンも販売しています。大手キャリアはOrange、SFR、Bouyguesの3社です。
またヨーロッパにチェーン店を持つIT系ストアのfnacもパリに複数店舗を構えています。fnacは各キャリア製品の取り扱いもしているので、まずはそちらに行ってみました。
アクセサリーの品揃えはまぁまぁ |
うーんスマホはちょい高い |
fnacはハードウェアだけではなくDVDやゲームなどソフトウェアも取り扱う総合的なITショップ。でも目指すは店内の携帯電話コーナーです。
まずケースやカバーなどのアクセサリー類はiPhoneを中心にSamsung、HTC、BlackBerryなど各社のメジャー製品のものが売られています。品揃えはそこそこですが、価格は日本と同等くらい。ここでは日本未発売機種のカバーを買うのがよいかも。
またスマートフォンも最新製品が販売されていますが、フランスはキャリアで契約販売、端末はSIMロックありが基本。そのため単体で買えるお値段を見ると、日本の買い増し価格のように結構お高めです。しかもSIMロックがあるのにあんまり安くないようです。
タブレットは各社のものが充実 |
噂のキッチンタブレット『QOOQ』も |
一方タブレットはかなり豊富に売られています。Galaxy TabやXoom、そしてAppleコーナーにはiPad 2も。またArchosの製品が充実しているのは地元フランスならでは。
ほかにもQOOQなどアジアでは見かけないタブレットが売られています。fnacで買い物するならスマートフォンよりタブレットのほうがよさそうです。
パリの秋葉原“モンガレ”へ行ってみよう! |
この通りにPC系ショップが多数並んでいます |
そこで次に目指したのが「パリの秋葉原」と言われるモンガレ地区。最近は世界各国で電脳/PC系のお店やモールでもスマートフォンの取り扱いが増えています。
インドネシアのジャカルタにあったITCモールも携帯関連ショップで埋め尽くされていました。パリの秋葉原もそんなウハウハな状況かもしれません。
パリ地下鉄8号線に乗って“Montgallet”駅で下車し、パリ・リヨン駅方面へ向かうRu Montgallet/モンガレ通りに足を運んでみましょう。フツーの道路に見えますが、ここにPC関係のお店が立ち並んでいるのです。
お店発見! さっそく近寄ってみる |
ノートPCが売ってるなぁ |
住宅街っぽい道ですが、PC系のお店が道沿いに点在しています。さっそくいくつかのお店に立ち寄ってみると、ショーケースにあるのはノートPCばかり。店内を見てもノートPCや周辺機器だらけ。スマートフォンの“ス”の字もありません。
周辺機器も多いなぁ |
たまに見つかるスマホケース |
気を取り直してほかのお店に移動してみても、やっぱり売っているのはPC関係ばっかりなんですね。そのまた別のお店も品揃えは似たようなもの。
そうやってお店を回ってみても、携帯関係はたまーにプリペイドの安物を売っているお店があるくらい。スマートフォンのケースを並べている店も少しはありましたが、本体を売っているお店は結局見当たりませんでした。
パリの秋葉原ではスマートフォンの扱いはまだまだないんですね。残念無念。
量販店のSurcoufも近くにあります |
さて失意のままにモンガレ通りを抜けると、付近には家電量販店のSurcoufがあります。ここはハードウェア専門店で規模が大きいだけに、なにか期待できるかも! てか量販店に行けばスマートフォンのひとつくらい買えるよねきっと……。
スマホコーナー発見 |
AZERTYキーボードの罠! |
店内に入るとさすがは量販店で、広い店内にはオーディオからゲーム機までがずらりと陳列されています。携帯電話も専用コーナーがあってスマートフォンもたくさんディスプレイされています!
でも価格はfnac同様に高めで、お買い得と言えるものは見当たりません。
しかもフランス最大の罠とも言えるのがキーボード配列。「メインにiPhoneを使っているから、現地用には手軽なQWERTYキーボード付き端末でも買おうかな」と思って端末を物色していると思わず衝撃を受けることになります。
そう、キーボードをよく見るとAZERTY配列なんですよ。フリック使いには関係ないでしょうけど、お安いスマートフォンって画面が狭いから物理キーがあったほうが入力しやすいんですよね。でもAZERTY配列ではお手上げだわ……。
やっぱり充実しているタブレット |
タブレットのワゴンセールも |
一方、Surcoufでもやっぱりタブレットコーナーは充実していました。fnacより品揃えは多く、中華系ながらメーカーブランドの正規製品も安価に売られています。
ワゴンに山積みされてタイムセール品が売られるなど、こちらでも買うならタブレットなんですね。でもそうなるとスマートフォンはどこで買えばいいんだー?
最後は基本に戻ってキャリアへGo! |
スマホたくさん並んでるぞー |
やはり基本はキャリアのお店ですよね。てなことでフランス最大のキャリア、Orangeのお店に行ってみたところスマートフォンがずらりと並べられています。なんだよ最初っからこっちに来ていればよかったのかっ!
Alcatelのお手軽Facebookスマホも2万円くらい |
やっぱりお前もAZERTY(涙) |
でもやはり価格が高めなんですよ。他国ならロックつきで1万円を切りそうな製品が見当たりません。
意外と多いのが地元フランスのAlcatelのスマートフォンで値段も安めなんですが、それでも200ユーロ前後と他国の倍くらい。契約すれば無料だったりするのですが、プリペイドでは価格割引がほとんどないようなんです。
そしてここでも見つけたフルキーボードスマートフォン。モトローラのFireでも買っちゃおうと思ったら、もちろんAZERTYキー配列でした(涙)。
もうね、「外国人にスマートフォンを売りたくないのか?」と八つ当たりしたくなっちゃうような踏んだり蹴ったりな状況に、マジ涙が出そうになりましたよ……。
唯一の収穫はこれかな |
iPhone用Angry Birdsスピーカー |
各国へ行くと必ず現地でスマートフォンを買ってきた筆者ですが、パリでは結局なにも買いませんでした。
「惨敗」……そう、完全な敗北です。人生においてここまでの失意を味わったのは何回目でしょう。
またプリペイドSIMカードもデータ定額の敷居がやや高く、パリはモバイラーがあまり楽しめる場所ではないのかも。Angry Birds関連グッズは充実してはいましたけど、その程度ではもちろん心は満たされません。時間があったらユーロスターに乗って海峡渡ってロンドンに出たかったくらいです。
でもまぁパリは食事が美味しいし観光するところもたくさんあるので、モバイルのことは最初っからあきらめて、純粋に観光旅行するのがよさそうです。
だけどこの状況もきっと数年後には変わっているだろうと信じたいもの。またいつかパリを再訪して、そのときこそパリならではのスマートフォンを買いたいと思っています。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
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