いまから約2年前、auユーザー待望のAndroidスマホ登場と思いきやメガネケース型誰得端末だった事件などあったころ、ドコモからXperia X10が出て大ヒットに至りました。これぞiPhoneキラーとユーザーに支持され、週刊アスキー2010年度ベスト・オブ・ベストバイ最優秀製品に選ばれたのも記憶に新しいところです。
むろん、iPhoneのほうが洗練されていた部分は多々ありますが、iPhone=ソフトバンクだった当時、早い時期の対抗馬として十分な競争力を備えていましたし、実際の健闘をたたえての表彰でした。とはいえ、繰り返し提供されたアップデートを適用しても操作性や安定感などiPhoneをしのぐユーザービリティーは提供されず(“近づいた”という意味では大いに評価したい、とくにハードで対応してなかった2本指タッチをソフトで対応させたのは賞賛モノかと)、その使命は次期モデルに託されました。
Xperiaシリーズに続々新モデルが投入され、acroではついにおサイフ、ワンセグといった日本独自機能まで搭載。ドコモだけでなくauからも発売されました。しかしながら、iPhoneキラーの名を引き継いだという印象が薄いのはナゼでしょう。すでにauにもiPhoneがあり、ドコモのラインアップもいよいよ充実しましたからねー、印象が薄くなってしまったのはやむを得ませんが、ちょうどX10ユーザーが2年縛りから解放されるいま、acroの後継『Xperia acro HD』は多くの方が気になっている機種なのではないでしょうか。
Xperia acro HDの詳細なスペックは過去のエントリーをご覧ください。acroの後継ですから、おサイフ、ワンセグはもちろん、さらにHD解像度+BRAVIAによる超美麗な画面、そしてついに防水にまで対応した最強仕様となっています。ただ、仕様上最強でもiPhoneの使い勝手に及んでいない機種はたくさんあり、繰り返しになりますが過去のXperiaにもそういう部分はあったように思います。iPhoneに機能が足らなければ、こんなことする強者まで現われる世界です……って、まぁこんなリスキーな話はいいのですが、アップルがAndroid陣営に1社で対抗できる理由はどこか? サービス面も入れればたくさん考えられますけど、スマートフォンの“つくり”に主眼を置くと、大きく3つ挙げられます。あえて付加機能ではなく、これらの視点から新acroを評価してみたいと思います。
一,外観がよくないと、よくない
アップルのデザインがダサイ! という声もあるでしょうが、極めて少数派でしょう。少なくとも私の周りにそういったことを唱える人は少ない。ってか超いない。ソニーのデザインも負けじと定評あります。実際、PC界においてデザイン面でMacに対抗できるのはVAIOくらいではないでしょうか?(近年、ASUSTekなども好評ですが)。こと個人向けモバイル端末はデザインが非常に重視されるわけで、スマホに関しては最重要選択基準といっても過言でありません。acro HDの細部をよ~く見てみしょう。
いい感じのサイズ |
↑フラットで角張ったデザインに見えますが、実際に持つと裸のiPhone 4を持ったときの、あの“手に痛い感触”がまったくありません。幅66ミリも4インチクラスの液晶を搭載する端末としてはスリムな部類。まさに手のひらで大画面を体現できます。 |
洗練されたフォルム |
↑背面。非常にスッキリしております。カラバリが豊富であるという点も忘れてはいけません。ビビッドなカラーを好む層も多いですからね。ソニエリのロゴマークは最後になるのかしらねぇ(好きだった……)。右側面下側の金具は充電スタンド用の接点です。防水端末ですからね! |
全“フタ”をオープン |
↑Twitterでこの写真をアップしたら、みなさんガンダム〜とかおっしゃってはりましたが、なんのことやら……。私的にはハウルね。ハタチなのでね。 |
そしてクローズ |
↑完璧にしっかりと閉まる。防水端末に限らず“フタ”はあまり好きじゃなかったですが、ここまでデザインに融合しているとモンク言えない。芸術の域。 |
SIMカードは通常サイズ |
↑トレイが完全に引き出せるので、アダプター経由でマイクロも行けます。ドコモ版では、b-mobileのSIMも(ロック解除することなく)使えましたよ♪ |
二,基本操作にストレスあると、ポイされる
AndroidとiPhoneは設計思想が異なりますから、どうしてもハードとソフト(ことUI)の融合という面ではiPhone(iOS)が秀でた印象です。スクロールの追従性、文字入力の快適さなど(変換効率はまぁさておき^^;)、iPhoneは非常に優れており、Android端末にある付加機能の魅力を消し飛ばすほどの魅力となっています。余談ですが、Windows Phone 7 OSはiOSとAndroid OSの中間的な思想でつくられ(ハードのスペックをある程度固定=シャーシ構想)、快適な操作性を実現しています。Android端末に関してはCPUでぶん回す(もちろんウェイトかけたり微調整あるでしょうが)という、これまたPC的な手法で快適さを追求している部分もあると言えます。まぁユーザーにとって使いやすければ、それはどちらでもかまわないこと。新acroはどうでしょうか。
静電パネルの感触が超いい |
↑ホームに置いたアイコンの位置を変える、ページを移動するといった基本カスタマイズさえ、iPhoneとくらべるとイラっとすることありませんでしたか? 新acroでは寸分違わず狙った位置へ行きます。ページ移動もストレス皆無です! |
三,カメラがよくないと、価値が下がる
さすがCMOSメーカーだけあって、カメラ機能は常に他をリードし続けてきましたXperiaシリーズ。新acroはスリープからわずか1.5秒で撮影開始、0.5秒間隔で連写できる機能がソーシャルツールとしてのスマホの使い勝手をさらに向上させています。
iPhone 4Sと画質を比べてみましょう。明るく映っているほうがiPhone 4Sですが、これはHDRをオンにしているため。表現力は同等かそれ以上。大画面なので撮影時にディテールを確認できるのもacro HDのメリットです。
Xperia acro HD |
iPhone 4S |
さて、あまり褒めすぎるとスグ「どーせタイアップだろ?」とか言われるので(ホント違うから)、個人的に残念な点も挙げてきます。まず、惜しむらくはLTE非搭載。auには関係ありません(まだ、ね)がドコモはXiを押しに押しているので、これは際立ってしまう。ただ、実測では現状、3Gとさほど違いが出ていない点と、なによりXi端末はバッテリーのもちがよくないという実情もありますので、これはポジティブにメリットととることもできます。
それから超個人的意見ですが、SDカードスロットはいらなかった……。NXのように大容量の内蔵オンリーで統一しちゃってよかったと思うんですよね。だって、ストレージが複数あるとメンテが生じるでしょう。PCでもよくメーカーが余計なお世話でHDDのパーティション切ってたりしてますが(むろんシステム保護の意味合いがあるのですが)、CドライブがいっぱいになっちゃってDドライブが空っぽなのに容量が足りなくなったって騒いでる人、それすら気付かずPCが不調になったって訴えてくる人が私の周りには多いんです。iPhoneにSDカードスロットがないのは、実にアップルらしい。iPodの出始めのころは、まだメモリーが高価だったので外部スロットくらいありやがれって風潮でしたが、決してやらなかった。ブレなかった。実にアップルらしい。別になんでもアップルに習えってわけではないのですが、多くの“フツーの人”にとって複数ストレージが存在するのは、猥雑でしかないと思うのです。こと広い層に使われるデバイスに関しては。
いじょ。Xperia acro HDとしばらく戯れて抱いた感想でございました。タイアップじゃありませんよ←しつこい。蛇足ですが、バッテリーが1840mAhと大容量なので、もちが非常によろしい、あと、触れられませんでしたがBRAVIAとの連携や音楽機能、PlayStationといったソニーならではの機能も充実しているんですね。iPhoneにないメリットとは言いませんが。
X10からの乗り換え組はもちろん、ドコモからiPhoneが出るのをまだ諦めきれないという方も、是非Xperia acro HDを検討されてみてはいかがでしょうか、とアックン・オッペンハイマーABは述べています。
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