週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ノキアの逆襲はじまたー! 初のWindows Phone×2モデル発表!!

2011年10月26日 21時54分更新

 ノキアはロンドンで開催中のプライベートイベント『Nokia World 2011』で、待望となるWindows Phone 7.5 Mangoを搭載した新スマートフォンを発表しました。

 今年2月にマイクロソフトとスマートフォン分野で提携を開始したノキアは、従来の主力OSだったSymbianの分離や、その後継OSとして開発を進めてきたMeeGoも1機種のみでフェードアウトさせるなどの荒治療を行ない、今後スマートフォンはWindows Phoneに一本化させるとアナウンスしてきました。

 しかしMango搭載端末は日本でauが発売したIS12Tや9月に製品を投入したHTCに先を越され、はたして年内にノキアから製品が出るかと危ぶむ声も聞かれたほどです。しかし今回のイベントではそれらの懸念を一気に払拭、2つの新機種の年内発売も発表されました。

ロンドンで開催されたNokia World 2011
ノキアの逆襲が始まる! 初のWindows Phone新端末2製品を発表

 ノキアが今回発表したMango製品は『Nokia Lumia 800』と『Nokia Lumia 710』の2機種。もちろんノキア初のWindows Phone端末となります。

 ノキアはアルファベットと数字の組み合わせというわかりにくい製品番号を今年から改め、新しく3桁の数字による製品区分を始めています。数字が大きいこの2機種はどちらもスマートフォンで、800が上位機種、710が買いやすい価格に抑えた普及モデルとなります。

 またどちらの製品にも“Lumia”の愛称がついていますが、ノキアはWindows Phone端末に今後この名前をつけていくようです。サムスン電子の“Galaxy”、LG電子の“Optimus”のように製品にニックネームを付与することがここ数年の流行ですが、スマートフォンで存在感を失いつつあるノキアとしてはこの“Lumia”を新しいブランドとして育てていくのでしょう。

 なお合わせてフィーチャーフォンの“Asha”シリーズも4機種発表されましたが、世界中のメディアが注目しているのはやはりLumiaシリーズのほうでしょう。

ハイエンド製品となるNokia Lumina 800
ノキアの逆襲が始まる! 初のWindows Phone新端末2製品を発表

 さてLumia 800とLumina 700はCPUに1.4GHzのSnapdragon、3.7インチ/480x800ピクセルのWVGAディスプレーを搭載。Lumina 800はディスプレーが有機EL、HSDPA850/900/1900/2100MHzの4バンド対応で、カメラはカールツアイスの8メガピクセルで価格は420ユーロ。

 一方Lumina 710はTFT液晶、HSDPA900/1900/2100MHz対応で、5メガピクセルカメラで価格は270ユーロ。

 Lumina 800は上位モデルとは言え価格は抑えられ、Lumina 710は他社の同スペックスマートフォンと比較するとコストパフォーマンスに優れています。特に他社のWindows Phoneは低価格モデルが少ないため、このLumia 710はノキアにとってもマイクロソフトにとっても多くの販売数が期待できる戦略的なモデルとなりそうです。

カジュアルなNokia Lumina 710はカラバリが豊富
ノキアの逆襲が始まる! 初のWindows Phone新端末2製品を発表

 本体の外見もノキアらしい北欧デザインを採り入れた特徴的なものになっています。Lumina 800は先に発売されたMeeGo端末、Nokia N9と同じボディーデザイン。ボタン類を極力目立たないようにし側面には緩やかなカーブをつけたソフトで上品なスタイルです。またLumia 710はビビットなカラーバリエーションと丸みを帯びた本体形状がWindows Phoneのこれまでの印象を大きく変えそうです。

 各社のスマートフォンはどれもが横並びのデザインになりがちになっていますが、Luminaシリーズは外見だけでも十分差別化できる製品になっていると言えそうです。ちなみに噂では最上位のモデルとなるNokia Lumia 900の登場も予定されています。

 一方でUIはWindows Phoneの標準。他社のMango端末と一見すると同等に見えます。ノキアによればタイルUIにはより多くの情報が表示できるとのこと。一方ナビゲーション関係のNokia MapsやNokia Drive、また世界450都市の乗り換え案内をプリインストールし、そして音楽やネットラジオを利用できるNokia Musicなどはノキアのこれまでの豊富な資産をWindows Phoneへうまく移植しています。

 ほかにはゲームメーカーのEAやセサミストリート、スポーツのESPNとも提携。もちろんFacebookやTwitterなどソーシャルサービスも対応しており、「購入してすぐに楽しめるスマートフォン」がLuminaシリーズの最大の特徴と言えるかもしれません。

 Nokia Lumina 800は11月にヨーロッパの主要国で発売開始予定。アジアでは香港、インド、ロシア、シンガポール、台湾で12月には発売されます。そしてNokia Lumia 710は上記アジア各国でやはり12月に販売が始まります。

 ヨーロッパにはハイエンドで、アジアでは2モデルを……という戦略で拡販を図る考えなのでしょう。またCDMA2000バージョンやLTE対応モデルも追って投入されるとのこと。日本での販売は現時点ではないでしょうが、今後ラインナップが拡充しWindows PhoneがiPhoneやAndroidと肩を並べる存在になったころにはノキアも日本へカムバックする可能性は十分あるでしょう。

 まずはこのクリスマスシーズン、どれだけこの2機種が市場をにぎわしてくれるのか、楽しみにしたいと思います。

山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります