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【どっち!?】ソフトバンクとau(KDDI)のiPhone 4S コスト、速度、サービスを徹底比較

2011年10月07日 17時00分更新

 本日10月7日、KDDIとソフトバンクがiPhone 4Sの発売を正式発表。本体の実質負担額や料金プランが判明した。
 KDDIの参入により、事実上iPhone 4S販売の独占体制が崩れ、業界の勢力図が変化することも予想される。

ソフトバンクとau(KDDI) 料金の違い
iPhone4S 料金など
※10月10日追記:ソフトバンクの『実質無償機種変更キャンペーン』の内容を追記しました。

 両キャリアの違いを見ていこう。

ネットワークの信頼度ではKDDI

 まず、ネットワークに関しては、やはりKDDIに一日の長がある。iPhone 4のCDMA方式は“EV-DO Rev.A”のみで、auのiPhone 4Sは下り最大3.1Mbpsとなるが、スループットは決して低くなく、エリアも広い。試しに手元にあるRev.A端末(非スマートフォン)で速度を計ってみたが、平均して1Mbps以上を記録していた。

 一方、現行のiPhone 4はソフトバンクの7.2Mbpsを利用できるが、実際には1Mbpsを切ることが多い。ソフトバンクのiPhone 4Sは下り最大14.4Mbpsに速度アップしているとはいえ、同じHSDPAのカテゴリーが上がっただけのことで、劇的な改善は見込めないだろう。スマートフォンの利用者がソフトバンクに比べ少ないうえに、駅のホームなど、人が密集しやすい場所をピンポイントで調整してきたKDDIの努力が功を奏した格好だ。

iPhone 4S 料金
↑スループットを向上させるネットワーク改善に余念がないKDDI。写真は昨年7月に開かれた説明会のもの。

 さらに、現在開催中のCEATEC 2011では、KDDIブースに“EV-DO Advanced”の概要が展示されている。これは2012年4月から提供される技術で、導入されれば、混雑度に応じて臨機応変に基地局を切り替えることが可能になる。データの収容量が約1.5倍になり、スループットはさらに上がりそうだ。このEV-DO Advacedは、iPhone 4Sが利用するEV-DO Rev.Aにも対応しているという。iPhone 4Sを受け入れる準備を、水面下で着々と進めてきたこともうかがえる。

iPhone 4S 料金
↑CEATECでの展示。“EV-DO Advanced”はiPhone 4Sにも適用される。iPhone 4S発表の1日前に掲示されていたのが意味深だった。

 こうした実態に加え、一般ユーザーのネットワークに対する信頼度も高い。ユーザーの満足度調査では、KDDIは常にドコモと首位争いをしているだけに、技術に詳しくなくても「なんとなくau(KDDI)はつながりやすい」と感じていることだろう。ソフトバンクのiPhoneから乗り換えようと考える人が出てきても、全く不思議ではない。タイミング的には、iPhone 3GSの割賦がちょうど終わるころでもある。10月は、KDDIへのMNPがいつもより増えるかもしれない。

iPhone 4S 料金
↑iPhoneのつながりやすさをアピールするKDDI。写真のスライドは、CEATEC 2011のキーノートで代表取締役執行役員専務・高橋誠氏が披露したもの。

料金設定ではソフトバンク

 一方で、料金にはソフトバンクの強みがある。ソフトバンクの『パケットし放題フラット』は、一般的なケータイと同額の4410円と非常にアグレッシブな設定だ。
 KDDIは、パケット定額の『ISフラット』が24ヵ月間、月額4980円になる。一般的なスマホよりは安くなるが、ソフトバンクと比べると月額570円高い。『プランZシンプル』で時間限定のau網内定額は実現したが、ソフトバンクの『ダブルホワイト』に相当するプランがないのも、一部のユーザーの目にはデメリットに映るかもしれない。
 またソフトバンクは、iPhone 3G/3GSからiPhone 4Sへ機種変更する場合、分割支払金の残金を無償にする“実質無償機種変更キャンペーン”を行なう。これによってMNP流出を防ぐ構えだ。

iPhone 4S 料金
↑ソフトバンクは乗り換えキャンペーンを実施し、MNP流出を防ぐ。

サービスでもソフトバンクが強い

 KDDIはサービス面でも、ソフトバンクへのキャッチアップが必要だ。KDDIはCメールの送受信やキャリアメール、緊急地震速報には対応したが、MMSは検討中とのこと。CDMAの仕様上、音声とデータ通信を同時にできないのもデメリット。ソフトバンクに積み重ねてきた経験がある。

iPhone 4S 料金
↑ソフトバンクモバイルは10月7日のiPhone 4Sに関する説明会で、auのCDMA版は音声とデータ通信が同時に利用できないと解説。


 総合して考えると、現時点では、ネットワークへのつながりやすさで選ぶならKDDI、料金やサービスで選ぶならソフトバンクに軍配が上がる。対策も講じているため、ソフトバンクからの流出が激増するとは考えにくいが、今までと比べれば、売れ行きが分散する可能性はある。いずれにせよ、業界の勢力図は、来年にかけて徐々に変わっていきそうだ。

iPhone4Sまとめ
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