すでにお伝えしたとおり9月27日深夜、『Firefox 7』の正式ダウンロードが開始された。前回のバージョン6から6週間で高速リリースした新バージョン、新機能の内容についてはすでにレポート済みだが、実際に正式バージョンでの使用感をレポートしていこう。
バージョン表記は“7.0”となっている。 |
■アップデート作業は簡単
旧バージョンのFirefoxを起動すると、バックグラウンドで自動的にアップデートファイルのダウンロードが始まる。【ヘルプ】メニューから【Firefox について】を選択し、【ダウンロードした更新を適用】ボタンをクリックすると、アップデートが開始。
メニューボタンの内容はFirefox6とまったく変わらない。 |
■起動時間が速く、劇的に改善!!
まず度肝を抜かれたのは起動時間だ。筆者の環境では『Firefox 6』の起動には10~15秒程度かかったが、『Firefox 7』にアップデートした途端、なんと4秒を切るスピードで起動した。もちろんPCのスペックやアドオンの数などに大きく依存するが、以前は圧倒的に『Chrome』に差を付けられていた起動時間がほぼ同等のものになったと言えよう。
Firefox 7 | 4秒 |
Firefox 6 | 13秒 |
■使用メモリーが削減!!
公式ブログ(関連サイト)によると“Firefox 6 以前に比べて多くの場合は 20%~30%、最大で50% 削減されます”とのことだが、実際に測ってみるとFirefox 6で100000キロ程度のメモリー使用量だったのが、Firefox 7にアップデートすると、起動直後で46504キロ、タブを5枚開いた状態でも79000キロと、アナウンスどおりかなり削減されているようだ。
■Instant Syncの同期も高速化
複数のパソコンやAndroidにインストールしたFirefox間でブックマークや閲覧履歴などのユーザーデータを同期する“Instant Sync”。ウィンドウズでブックマークを行なうと、だいたい1分程度で、Macで起動しているFirefox 7にもブックマークが同期された。アナウンスにあった“直後”とまではいかないが、かなり高速化している。
ウィンドウズ版Firefox7でブックマークを追加。 |
すぐにMac版Firefox7でも同期が行なわれた。 |
■Canvas処理でグラフィックスの高速化は?
HTML5用のベンチマークサイトで計測してみたが、こちらはあまり変化がなかった。ただ、これに関しては筆者のマシンパワーに起因する可能性が高いので、より高スペックなマシンで再検証してみたい。また、改善されたのは HTML5のCanvas処理のみということなので、以下のベンチマークにはあまり有効でなかったのかもしれない。
『SunSpider 0.9.1』(関連サイト)
Firefox 7 | 357.0ms |
Firefox 6 | 390.1ms |
『WebVizBench』((関連サイト)
Firefox 7 | 2730 / 0.71 fps |
Firefox 6 | 2730 / 0.76 fps |
■見やすくなったロケーションバー
URLから冒頭の“http://”と末尾の“/”を省略して表示するようになった。
Firefox 6のロケーションバー |
Firefox 7のロケーションバー |
■Android版はテキストのコピー・アンド・ペースト機能が追加
Android版では新たにテキストの“コピー・アンド・ペースト”機能が追加された。コピーしたい部分をロングタップすると選択バーが現われるので、それをドラッグして選択範囲を決め、もう一度タップするとクリップボードにコピーできる。あとはほかのアプリでペーストすればよい。
ロングタップで表示した範囲選択バーを調整する。 |
クリップボードにコピーすると画面下部にメッセージが表示。 |
■Firefox プロセスの終了
Andoroido版のメニューから【その他】→【終了】を選択することでFirefoxアプリを明示的に終了させることも可能になった。
しばらく使用しない時は終了しておこう。 |
以上、新機能を中心に使用してみたが、全体的な挙動もかなり快適であり、『Chrome』に負けていられないというMozillaの意地をひしひしと感じた。次期バージョンである『Firefox 8』(関連サイト)のベータテスト開始もアナウンスされており、そちらでも多くの機能追加が発表されている。11月8日の正式リリースが今から楽しみだ。
●関連サイト
Mozilla Japan
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