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中高生が大人顔負けの自作アプリを披露! 『アプリ甲子園』決勝戦レポート

2011年09月27日 09時00分更新

 体育会系の部活には全国の学生と戦って脚光を浴びる舞台があるが、それなら文科系の、しかもアプリ開発をする学生向けの大会があってもいいじゃないか! そんな発想から生まれたのが全国の中高生向けスマホ向けアプリコンテスト『アプリ甲子園』。その決勝戦が、9月18日に東京・汐留のディーツー コミュニケーションズ社内で開催された。 

アプリ甲子園

 予選審査をパスしたのは全11組。

 決勝戦ルールは、参加者が自分の作成したアプリのプレゼンテーションを行ない、1)独創性、2)デザイン性、3)消費者支持度の“企画力審査”と、4)操作性、5)技術点、6)完成度をアプリやソースコードなどを見て精査する“実装力審査”の6項目(各100点満点)を5名の審査員が採点。合計600点に近いものが勝者となる。

 見事、優勝したのは、桐蔭学園中等教育学校 6年生、百々(どど)健人さんの『秒速数ミリメートル』。これは画面上を動く球体の秒速をミリメートル単位で当てるといったアンドロイド用のゲームアプリで、操作性87点、技術点81点、完成度86点、独創性90点、デザイン93点、消費者支持度89点の計526点を獲得した。

アプリ甲子園
↑優勝者の桐蔭学園中等教育学校 6年生の百々健人さん。

優勝アプリ『秒速数ミリメートル』(Android)

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↑右上のタイムカウントを見ながら、画面上を動く球体の速度を当てるゲーム。シンプルで“誰でもできる”という手軽さと“慣れれば上手くなる”という2点の重要なやり込み要素がゲームをおもしろいものにしている。

 このアプリのすごいところは、スマホの液晶に表示される長さと、実際の定規の長さの整合性が取れている点。アンドロイドの場合、解像度と液晶サイズでさまざまな種類があるため、実際の長さと合わせるためには調整が必要となる。このアプリではその調整機能が作り込まれており、どんな端末でも調整することが可能だ。

 ちなみに、去年からプログラミングを始めたという百々さん。このアプリを作ったきっかけは、「学校の床を歩いていたアリの歩行速度が気になった」のと、「車と接触事故を起こして、動体視力を鍛える必要があると感じたから」とのこと。

 準優勝は品川女子学院中等部2年生を主体とした“チーム海賊王”の『i弁当』。操作性85点、技術点76点、完成度82点、独創性90点、デザイン90点、消費者支持度90点の計513点を獲得。

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↑品川女子学院中等部2年の長野瑞生さん、星野栞奈さん、西山未来子さん。そのほかプログラミングサポートとして、早稲田中学3年の安宅佑騎さんが参加する"チーム海賊王"。

準優勝作品『i弁当』(iPhone)

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↑主食、主菜、副菜2つの4つから具材を選び、お弁当内に入れていくとお弁当が完成する。使うユーザーターゲットが明確である点と実生活に役立つアプリである点が評価された。

 このアプリは、お弁当メニューの考案を助けるもの。具材を選んで完成させたお弁当の合計カロリーが表示されるほか、アレルギー情報や、レシピサイト『クックパッド』へのリンクで実際のレシピがわかる。また、完成したお弁当の内容をメールとして送る機能も付いている。

 誰が使うか明確にターゲットが絞られていること、スマホのアプリが実際の生活の助けになることの2点が高評価の理由だ。また、プログラミングにおいても、実行エンジンとデータベースが分離されており、4人のスタッフがそれぞれ分業して作業を進められる、生産性が高い構造になっているという点がポイントとなった。

 なお、審査員はユビキタスエンターテインメントの清水氏や、本誌連載『AppBankで ございます』でもお馴染み村井氏など、現在のアプリ業界をリードする人物5名。

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↑左から清水 亮 氏(ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼 CEO)、鎌田 寛昭 氏(テクノード代表取締役)、村井 智建 氏(GT-Agency 代表取締役 / AppBank 代表)、八尾 憲輔 氏(ファインマン代表取締役CEO)、宝珠山 卓志 氏(ディーツー コミュニケーションズ代表取締役社長)。

 決勝戦に出てきた作品はアイデアや独創性、プログラミング技術の優れたアプリが多かっただけでなく、プレゼン能力も非常に優れており、その点もとてもおどろかされた。これには、ビジネスでは百戦錬磨の審査員から思わず「日本の未来に希望がもてる。ぜひ我が社に来てほしい」とのコメントが飛び出すほど!!

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↑候補者は皆、自分たちの開発したアプリの仕様や開発ポイントなどを華麗にプレゼンしていた。見習いたい!

 主催事務局の宝珠山卓志社長いわく、「アプリ開発経験のステータスになるように、ぜひ来年も開催する方向で考えている」とのこと。作品づくりに時間がかけられる次の大会は、今年以上におどろきが待ち受けているかも……!

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↑参加者と審査員で記念撮影。参加学生の中には、日本が世界に誇れる、未来のアプリ開発者がいるかも!

 来年も楽しみにしています!!

●関連サイト
アプリ甲子園2011

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