ウェブ上の表やアクセスデータなどのログを閲覧するときも、データを並べ替えたり、自分の必要な数値だけをリストアップするといった作業がしたい。その場合、ウェブからデータをコピーしてエクセルなどの表計算ソフトに貼り付けて……、という作業が必要になる。しかし、今回紹介する『Tabletools2』を利用すれば、ウェブブラウザー上でソートやフィルタリング、グラフの作成ができてしまう。
■インストール
mozillaのAdd-ons for Firefoxサイト内の『TableTools2』のページにアクセス。Firefoxのバージョンが適合しているか確認して【Add to Firefox】ボタンをクリック。
するとインストールダイアログが立ち上がる。中央の【TableTools2】部をクリックして数秒待つと、ダイアログ下部の【今すぐインストール】をクリックできる。
あとはFirefoxを再起動すれば拡張機能が使用できる。
■表をソートする
『Tabletools2』は、HTMLの“Tableタグ”を自動的に認識。表があるウェブページにアクセスして右クリックすれば、メニューに新しく【Tabletools2】が表示される。ただし、ウェブ上に表があっても、HTMLのTableタグで表記されていないと『Tabletools2』は利用できない。
■表の基本を押さえよう
今回、Yahoo!の『Jリーグ順位表』を参照してみた。
まず、表の基本をおさらい。横方向に並んでいるものを“行”、縦方向に並んでいるものを“列”という(下図参照)。
行の基準となる列のことを“主キー”という。主キーの値は、データベースでは、行の基準になるので値の重複や空の値は認められていない。この『Jリーグ順意表』の場合は、主キーが“順位”となっている。
個々の値は、列は“フィールド”、行は“レコード”と呼ばれる。それぞれのフィールド、レコードに記入する値の種類を“型”という。型には、整数型、文字列型、日付型などかなり細かく正確な分類が要求されるが、『Tabletools2』では、次の5つに分けられる。
(1)時間(月 日 年)
・アメリカ表記の時間
・ヨーロッパ表記の時間
・時間
(2)数値/通貨
(3)IPアドレス
(4)英数字
(5)自動検出したデータ型
この表は、順位で並べられているので、まずそれを得点で並べ替えてみる。“得点フィールド”のヘッダーにマウスのカーソルを合わせ右クリック、メニュー内の【Tabletools2】→【列ソートする。対象のデータ型:】→【数値/通貨】を選択する。
ソートの基準となる行に【↑】が表示され、行が並び変わった。矢印が【↑】の場合は昇順、【↓】の場合は降順となる。
また、最初の柏レイソルの“行”の部分がソートされていない。ヘッダーが英数字の場合、問題なく動くが、日本語だと図のとおり最初の行を含めないでソートしてしまうので注意が必要だ。この場合は、【得点フィールド】のヘッダーにマウスのカーソルを合わせて右クリックし、メニュー内の【Tabletools2】→【その他】→【クリックした行以降をソート/フィルタ】を選択すればいい。
これで、最初の行も含めてソートできた。ただ、この方法だと降順、昇順を変化させることができず、デフォルトの昇順のみの表示になってしまう。ソートを降順に表示したい場合は、【Firefoxメニュー】→【アドオン】を選択してアドオンマネージャーを表示し、一覧から【Tabletools2】を選択し、【設定】ボタンをクリックする。一般設定から降順・昇順を設定できる。
また、メニュー内の【複数列ソートする。対象のデータ型:】を選択すると、最初に行なったソートにさらに、別の列のソートを追加できる。図は、得点のフィールドで並べ替えたレコードを、さらに失点で追加ソートしたもの。これで、同じ得点でも並び順は失点の低いほうが上位になっている。
■Tabletools2でフィルタを使う
次は、【フィルタ】を使ってみよう。フィルタは、フィールドの中から選択した任意のキーワードを抽出する機能だ。使えるフィルタは、2種類ある。【ドロップダウンフィルタ】は、自動的にキーワードを抽出してフィルタできるキーワードをドロップダウンメニューで表示するもの。【検索キーワード】は、自分で直接キーワードを入力するものだ。
まず【ドロップダウンフィルタ】から利用しよう。表にカーソルを合わせて右クリックメニューから【Tabletools2】→【フィルタ】→【ドロップダウンフィルタへ切り替え】を選択する。
表のヘッダー部分に自動的にドロップダウンメニューが表示される。試合数10試合しているチームだけをフィルタしてみよう。試合数のフィールドのプルダウンメニューから【10】を選択する。すると10試合したチームのレコードのみ表示できる。
次は【検索フィルタ】を利用。表にカーソルを合わせて右クリックし、メニューから【Tabletools2】→【フィルタ】→【検索フィルタへ切り替え】を選択する。列の上部にテキストボックスが表示され、ここにキーワードを入力するとフィルタリングできる。
■グラフを作成する
作成できるグラフは、円グラフや折れ線グラフなど6種類。今回は、チームごとの得失点差をあらわす棒グラフ(ヒストグラム)を作成。利用する表にカーソルを合わせて右クリックし、メニューから【Tabletools2】→【フィルタ】→【図表を描く】を選択する。
新規にタブが開かれるので、右端の【データを(再)表示】をクリックしてグラフ化するデータを表示しよう。次は、【図表のタイトル】に“得失点差”、【サブタイトル】に“6月のJリーグ”を選択。そして、【図表の種類】から任意の図表を選択。今回は、【ヒストグラム】を選んだ。
新規にデータ入力欄が表示される。【Y軸ラベル】には、“得失点差”と入力する。基準となるデータに【chart_category ラベル】から、“柏レイソル”を選択。【Y】からは、得失点差の欄を表示させるため【11】を選択する。あとは、【図形を描く】をクリックすればいい。
下記のようなヒストグラムが作成される。今回は、得失点差を利用したヒストグラムを作成したが、これ以外にも【バブルチャート】や【周波数チャート】、【折れ線グラフ】、【円グラフ】などを作成できる。さらに、【コピー】機能など、ほかにも便利な機能がたくさんある。
『TableTools2』
バージョン:1.11
フリーソフト
作者:Mingyi Liu
(バージョンは記事作成時のものです)
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