NVIDIAがCOMPUTEXに合わせて発表したノート用の新GPU『GeForce GTX560M』。会場にいたNVIDIAのプロダクトマーケティングマネージャーをつかまえて、製品のポイントを訊いてみました。
NVIDIAプロダクトマーケティングマネージャーのラビ・ハウスキ氏(左)とブライアン・チョイ氏(右)。
●ポイントその1 DirectX11対応の重量級ゲームがフルHDでも快適に遊べる
パフォーマンスは『GeForce GT 540M 』の2倍前後とのこと。高いグラフィック性能を要求するFPSなどのゲームでは、解像度や画質を落としても30fpsでプレーするのは難しかったが、『GeForce GTX560M』ならば、『Crysis2』で1080p設定にし、プレー画質を上げても50fpsのスコアーを出せるとのこと。見せてもらったスライドでは、ほかにも『FINAL FANTASY XIV』や『Far Cry2』といった主要タイトルで540Mの2倍以上の数値を出していた。
●ポイントその2 グラフィック性能を必要としない動作ではGPUを切ってバッテリー駆動時間を延ばせる
インテルのCPUにグラフィックが内蔵されたことにより、負荷の軽い操作ではGPUを使用する必要がなくなっている。GTX560MではGPU負荷に応じてCPU内蔵GPUに動作を切り替える“NVIDIA Optimusテクノロジー”を採用し、ノートのバッテリー駆動時間を延ばせるようになった。
OptimusテクノロジーはアプリケーションごとにGPUを使用するかどうかを制御しているため、あらかじめGPUを利用するアプリケーションをリスト化してある“ホワイトリスト”やAPIが参照して機能するが、ユーザーが特定アプリでのGPUのオン/オフを任意に設定することも可能。
NVIDIAのテストでは一例として、オフィス系のソフトのみを動作させた場合は5時間、FPSゲーム『Duke Nukem Forever』をプレイした場合でも2時間前後駆動したとのこと。従来はGPUのオン/オフ切り替えはユーザーがすべて手動で行なわなければならなかったが、GTX560Mを搭載したノートであれば、GPUの動作を管理するソフトが常駐。アプリケーションごとに自動的にGPUの使用が選択され、ユーザーは何もしなくてもバッテリー消費を抑えられる。
また、GPU動作を手動で切り替えるためのスイッチ回路を組み込む必要もないので、グラボの組み込み価格を抑えられるとのこと。999ドル~1999ドル(約8万円~約17万円)のノートPC用として想定しており、999ドル以下のノートは同時に発表された『GeForce GT 520MX』が搭載される見込み。
●ポイントその3 3D Vision、PhysX、SLIが全部入り
特に注目なのが“SLI”への対応。すでにデルの『Alienware M18x』がGTX560MのSLI構成で発表されている。ピーク時の消費電力は高くなるものの、ゲーミングノートとしてはこれ以上ないパフォーマンスが期待できる。 東芝、ASUS、MSI、東芝からも夏モデルとして『GeForce GTX560M』搭載機が登場予定。
会場で展示していたMSI(左)とASUS(右)の17インチノート。CPUはいずれもi7-2630QM。
MSIのほうはHDD2台をRAID0で搭載し、最大10キーまでの同時押しができるゲーミングノート。6月末頃に発売予定で価格は未定。ASUSのほうは7月発売予定でこちらも価格は未定。
このほか、今後のモバイル向けGPUのロードマップも示されている。今年後半には、『GeForce GTX 485M』の後継となるモバイル向けGPUも発表される見込み。性能は具体的に示されなかったが、組み込んだノートの消費電力は100Wクラスとなるとのこと(GTX560Mは75Wクラス)。
今後のモバイルGPUが進む方向としては、性能もさることながら、限られたバッテリーの電力からいかに効率的にパフォーマンスを引き出すかが課題となっているとのことで、発表予定のGPUはGTX560Mとの電力差以上の性能アップが期待できそうだ。
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